自衛官?異世界転生して、現代兵器の軍団率いて大国相手に勝利します。

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第4章 クリスティミア公国

第37話 災難

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 クリスティスミア皇国の港に着くと港は様々な人や貿易品で賑わっていた。
 人や魔族以外にもドワーフにエルフ、獣人、龍人や竜人等々種族も様々だった。

「それにしても暑い。」

 船に乗っている時は、日が照らなければ暑くなかったのだが、クリスティミアが見えてからは、暑くて仕方なかった。
 ティアはこの国の出身なので平気でいるがリサやフィルは暑そうにしていた。

「マンシュ、この暑さどうにかして~!」
「我慢しろよ。暑いって言ってもそこまで暑くないだろ?」
「私もフィルほど暑いとは思いませんけど?」
「なので2人とも平気なの!?」

 多分だがそれは国の気候に関係している。
 エンリル王国はどちらかと言えば、イタリアなどの地中海気候に近く、夏は場所によってジメシメした環境になる。
  バルバロッサ帝国は、北海道のような気候からシベリヤのような極寒の気候が広がっている。
 そのため、夏の期間が短く、ジメシメした暑さにならない。
 クリスティスミア公国は、海沿いはジメシメした暑さになるが内陸は、砂漠みたいな気候や熱帯雨林のような森もある。全体的に熱帯から砂漠地帯みたいな大陸だが、場所によってとてつもなく寒くなる地域もあるという。
 雪国出身のフィルにはこの暑さは堪えるのだろう。

「それよりもここからクリスティミアの王都まで、どれぐらいかかる?」
「うーん?私もここまで、自分の意志で来た訳じゃないから知らないわよ?」
「それならギルドに行って聞くか」
「アードルさん、ちょっとギルドを見に行ってきます。」
「分かりました。お気を付けて。」

 アードルさん達と別れ、フィルとティアで冒険者ギルドに向かった。
 交易はあるが外交はほとんど行われていないので、詳しく知る者は、商人や冒険者など限らた人しか知られていない。
 なので、情報がありそうな冒険者ギルドを目指した。
 港町だけあって、意外とギルドは大きかった。扉を開け中に入ると日焼けをしている冒険者が多く見えた。
 この地域はほとんど真夏と言ってもいいので、日焼けするものも多いのだろう。
 まして、日焼け止めなどと言う物はこの世界に存在しないので、作れれば大儲けすることができるだろう。
 そん事を思いながらついでにどんなクエストがあるのか見ようとクエスト板を見に行こうとすると4人の男たちが前に立ちはだかった。

「よー!見ない顔だな?いい女連れてるじゃんか?ちょっと俺らに貸してくれよ?」
「ボロスまたやり過ぎんな?」
「断ったら分かるだろ?」
「そうそう無駄な抵抗わせず素直に渡せ!なんせ俺らは、Cランクパーティー、ゲイドラグだ!」

 前みたいなパーティー何処にでもいるらしい。人族と魔族が2人ずつのパーティーはティアの事を見ながらニヤニヤしていた。
 
「ねーマンシュ、前みたいな奴らって何処にでもいるの?」
「そうみたいだな?はー、めんどくさい。」

 目の前の事に気にせずティアが話しかけて来た。前みたいな事になるのかと思うととてつもなくめんどくさい。そう思いながら頭を掻きながらため息をついた。

「とりあえずそこをどいてもらっていいですか?ものすごく邪魔なんですが?」

 俺が気怠そうに言うとやはりイラついたのか、胸ぐらをつかんできた。

「お前まだ自分の立場が分かってないのか?ああ!」
「放してもらっていいですか?さすがにこれ以上は、反撃しますよ?」
「やれるもんならやってみろ!」

 そう言われたので、アゴめがけて右膝蹴りをかまし、そのまま側頭部めがけて回し蹴りを打ち込んだ。
 蹴られた男はそのまま、受付のぶつかり、その衝撃で木製の台が壊れ、その瓦礫に埋まっていた。
 蹴られた男の仲間はあまりに常識はずれな、事に固まっていたがすぐに状況を理解し、怒鳴って来た。

「テメー!よくも!ぜってい許せねー!」
「ボロスをよくも!」
「覚悟しやがれ!」

 仲間が怒り狂いながら襲ってきた。
 だがケンカはしたことあるようだが、格闘技の経験は無いようで大振りに殴って来るだけで躱しやすかった。躱しながら鳩尾やアゴに一撃入れて無力化していった。急所を攻撃された男たちは苦しそうにうずくまりながらうめき声をあげていた。

「皆さま。お騒がせしてすいませんでした。」

 周りにいた冒険者や依頼にきていた人たちに迷惑を掛けたので頭を下げて謝った。
 とりあえず、災難な目に遭ったが受付に向かい王都に行く方法を聞き、ギルドを出た。

「マンシュってさ、いつもあんなめに遭ってんの?」
「まさか、前に1回あっただけだ。毎回あんな目に遭っていたら流石にギルドで問題になっているだろ?」
「それは、そうだけど・・」

 なんて会話をしながらアードルさん達に合流し、馬車と馬を買って王都を目指した。
 王都までは、3日から4日ほどでたどり着けるとのこと、ただし、王都までは砂漠地帯を通過しなければならない。受付の話では、商人たちも頻繁に使用するルートのため、モンスターや野盗の類もほとんどいないらしい。
 そのため、何事もなく、いや、フィルが軽い熱中症で、ダウンした以外は無い事もなく王都にたどり着くことができた。
 クリスティスミア皇国の王都は、大河の近くに作られており、城壁はそれほど高くないが水堀となっており、堅ろな城壁のようだ。
 城門の門番の兵士に陛下からの書状とティアが王族の印を見せると門番の慌てながら走っていった。戻ってくると護衛の兵士がやってきて、公国の城までがっちり過去までながら進んでいった。


 その頃、クリスティスミア皇国の皇王であるガンディアス・クリティスミアは執務室で、落ち込みながら書類に目を通していた。
 (愛しい娘がいなくなって、1ヵ月、兵士たちだけでなく、情報部隊まで導入したが全く足止めが掴めていない。一体どこにいるのか、そればかりが心配でまともに眠れず、宰相からも休めと言われている。)
 そんな中、宰相が慌てて入って来た。

「へへへ、へ、陛下大変でございます!」
「どうした?そんなに慌てて、まさか、ティアがみつかったのか!?」
「その通りです!早く来てください!」

 宰相と一緒に向かっていると途中で、娘の1人であるポファニカが誰かから聞いたらしく慌てて来た。
 そのまま、城壁に向かい、門をみると見られぬ鎧を来た兵士たちと馬車が見えた。すると中からティアが出て来たので、急いで城門に向かった。



「思っていた以上にでかい城だな、それに城壁も厚そうだ。」
「当然でしょ!魔族がどれだけ力があるか知っているでしょ?そのためよ。」
「それは、前に体験した。ティアが裸を見られて本気で殴られて気を失ったからな。」

 するとティアが殴りかかって来た。

「だからそれは・・・忘れなさいって言ったでしょ!」
「ちょ!?おま・・だからって、うぉ!殴りかかって来るな!」
「うるさい!あんたがその時の記憶を失うまで、殴り続ける!」

 ティアの拳や蹴りを受け止めたり、躱したりしていると不意に城門が開き、中から赤髪で側頭部から角の生えた大柄な男性と鎧を着たティアと同じ黒髪で、額から2本の角の生えた女性が出て来た。

「おお!ティアそいつがお前をたぶらかした奴か!覚悟しろ!!」
「ティア!待っててねお姉ちゃんがすぐに助けるからね!」

 そう言いながら俺の方に向かってきた。
 男性の方が多分ティアの父親であるガンディアス・クリティスミアであると思われる。ガンディアスさんは多分アイテムポーチから出したと思われる両刃のバトルアックスを振り上げながら向かってきた。

「死ねぇぇぇ!我が愛おし娘をたぶらかした報い死んで後悔しろ!」

 そう言いながらバトルアックスを振り下ろして来た。とっさにホークアイを発動させて、後ろに跳躍して躱した。
 仮にも他国の王族なので、下手に抜刀できないので躱すか受け流すしかできない。
 躱して着地した瞬間を狙っていたか、ティア姉の女性の方が現れ、ハルバートを振りかぶっていた。

「私のかわいい妹をよくも死ねぇぇぇぇぇ!」
(やばい、躱せない!)

 右腕でで、防いだが予想以上の力で吹き飛ばされ、何度かバウンドして城壁に激突した。

「あっぶねー、身体強化と手甲を金属制のにしていたのと棒手裏剣がなかったら腕失ってたな。」
 
 右腕を見ると金属制の手甲が割れて、棒手裏剣が数本折れていた。
 すぐに予備の手甲と棒手裏剣を入れ替えていると2人が目の前まで走って来た。

「ほー、あれを食らってまだいきているか」
「手ごたえはあったのに!仕留めきれなかったか!」

 などと言われてたが、今は誤解を解かなければ。

「ちょっと落ち着いて話を聞いてください!誤解してます。」
「問答無用!」
「貴様の戯言など聞く耳もたん!」

 そう言いながら2人そろって斬りかかって来た。
 避けようと構えた時、上から声がした。

「「2人ともやめなさい!」」
「「ヘッブ!?」」

 ドレスを着た小柄な女性と鎧を着た女性が斬りかかって来た2人にゲンコツと踵落としをお見舞いしていた。

「全く、何しているんですかあなたたちは?」
「ほんとにその通りだ。他国の者にいきなり斬りかかる奴があるか?」

 地面に倒れていた2人は、正座させられ説教を受けていた。

「ち、違うのだルース、こやつがティアに攻撃されていたから、てっきり・・・」
「ち、違うんです。母上、てっきりティアをたぶらかした奴かと思い、」
「言い訳はおわりですか?」
「良く確認もせずに斬りかかって行ったのか?」

 母さんと同じ雰囲気がする。絶対に怒らせてはいけない人達だ。

「「反省しなさい!」」
「「すいませんでした!」」

 そのまま、小1時間、俺は空気のふりをしながら説教を聞いてきた。
 ほんとに災難が1日に2回も災難に遭うとは、今までの経験の中で最も災難な一日だった。



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