万年ネタ切れ作家、勇利愛華の邪推録

さいだー

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ネタ切れ作家は海の見えるカフェで一人頭を抱える

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 夏の訪れは白夜を連れて空をおおい尽くした。沈まぬ太陽、薄明かりの緑豊かな国の名はオウル、そびえ立つタンペレ山脈からは二筋の大河、が流れ人々の暮らしを潤した。

 エスポー河は肥沃ひよくな三角州を形成し穀物の収穫量は国内随一を誇った。エスポー河を領地に持つフルメ男爵家は安定した財力を得る事が出来、領民たちの暮らしは豊かだった。

 また、ポルボー河はタンペレ山のふもとで鉱物を生成した。ポルボー河を領地に持つハロネン伯爵家はその鉱山で得た金銀銅や石炭で財を得ていた。鉱脈に当たれば一攫千金いっかくせんきんだが空振りの時もあり領民たちの暮らしはやや不安定だった。
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