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本編

出産※

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「ありがとう……」
男は寝室のベッドに青年を寝かせると、その隣に座り込んだ。
「クロ……」
青年が手を伸ばして来て、男はその手を握った。
「何だ」
「さっきの食堂でのこと……僕のこと嫌いになった……?」
「あれはもういい。忘れろ」
「怒ってないの?」
「ああ」
「良かったぁ」
青年はほっと安心した様子だった。
男は前から不思議に思っていた。
何故この青年は、ここまで自分に好意的に接して来るのだろう? 
「君は僕の知っている人に似ている気がする」
「お前の知り合いに?」
「よく分からない……でも確かに知ってる人………う、ああっ」
再び陣痛が始まったようだ。
「あ゛、うう゛、ぎ……」
「しっかりしろ」
男は手を握りながら声を掛ける。
「ふ、服脱がせて……」
青年が苦しげに喘ぐ。
言われるまま服を脱がせると、細い体に通常の妊婦より大きく張詰めた腹と、青年の下腹部の紋様が露になる。改めて見て、男性である体が孕んでいる様は、男の目に異様に映った。
「うぅ……お願い、……こ、このままだと痛いから……」
青年は握ってくれていた男の手を、自分の腹に持っていった。
「何すーー」
「ああっ♡」
手が紋様に触れると、青年の体がびくんと跳ねた。
「なっ何をしてるんだ!?」
男は慌てて腹から手を引っ込めた。
「ダメ、触ってて……こうすると楽なんだ……♡」
青年は再び男の手に下腹部を押し付けてくる。
紋様が淡く光を帯びる。
「ふぁっ……♡ 他人の魔力が流れると発動するものだから……、このまま……んっ♡」
「う……」
青年の自身が勃ち上がり、後孔からは透明な液体が溢れていて、男は顔を赤くして目を背けた。
「君は僕に触られるのも嫌なのに、ごめんね……」
青年は謝罪の言葉を口にした。
「別にかまわない」
顔を逸らしたまま、素っ気なく答える。
「クロの手気持ちいい……あぁ、はぁ♡ も、もっと触っててっ……♡」
「あ、ああ」
「んんっ♡」
男が少し力を入れると青年の体はびくりと震えた。
陣痛の間隔が短くなっているのか、だんだんと青年の息があがる。
「あぐ……っ、あ、あ♡」
青年の呼吸が激しくなる。男は青年の腹に手を当てて、分からないなりにも魔力を流した。
「あああっ♡ そこっ♡ もっと強く押してぇ!♡」
「こ、こう、か?」
男は自分の行為によって乱れていく青年の姿に困惑してしながらも、望む通りに腹を強く押すと、胎内にいる何かが動いたのを感じた。
「ああ、ぐうう……っ! ♡う、産まれちゃう……♡」
「え、おい、ちょっと待て!」
「あああああっ来てるっ♡赤ちゃんおりて来てるよぉっ!♡」
「……!」
「あ、ああ……っ!! あ あ~~ッ!!!♡」
青年は絶叫し、体を仰け反らせた。
「う、産まれるううぅぅぅっ!!!♡♡♡」
ぼとぼとぼとっ。
背を反らせた青年の秘所が捲れあがり、そこから粘膜を纏った小さな赤黒い塊がべちゃべちゃっと音を立て一気に産み落とされた。手に乗るほど小さい魔物の幼体が、大量に排出される。
「ひぎゅぅぅぅっ!!♡ まだ産まれりゅぅぅっ!!!♡♡」
どぽどぽどぽっ。
青年の後孔からは次々に幼体が零れて来る。青年は産みながら同時に白濁を撒き散らし、絶頂していた。
呆然とする男の手の下で、下腹部の紋様がより強く妖しい光を放っていた。
幼体は生まれるとすぐに這い出し、ベッドの上や部屋の中を動き回った。産道ではなく排泄孔を通ってこの世に生まれるという冒涜的な光景。快楽を覚えてよがり狂っている青年の姿。本来神聖なものであるはずの出産が、ひどく淫猥なものに映った。
気分にが悪くなりながらも、男はその光景から目が離せなかった。
「んああっ♡ あっ♡ また産まれちゃ……あ゛~~っ♡」
さらに何匹かの魔物の幼体がひり出され、最後にどろりとした塊が排出されてようやく止まった。
青年の下半身は体液で濡れそぼり、寝台には粘性のある液体が飛び散っていた。青年は時折痙攣しながら、自身から精液を垂れ流している。
膨らんで張り詰めていた腹は、平らになっていた。
荒い呼吸を繰り返す青年に、男は恐る恐る声をかけた。
「だ、大丈夫か……」
「あう、ぅ……♡」
放心し虚ろな目で天井を見ていた青年の視線が、男に向く。
「はあぁ……♡ いっぱい赤ちゃん産めたぁ……♡」
青年は恍惚と蕩けた表情で微笑んだ。
「クロありがと……♡」
「あ、ああ……」
余韻に浸る青年の顔と、汗で額に張ついた髪に、どきりとしたのを咳払いをして誤魔化す。
「みんな元気に生まれてきてくれてよかった……♡」
ベッドの周りに血か粘液か分からないものにまみれて、幼体たちが何十匹と這いずっているのを目にして、それらに対する悍ましさと共に、平静さも戻る。
「俺はもう行くぞ、使用人を探して来るから、後始末をして貰おう」
「クロ……」
「え?」
ベッドにぐったりと沈んでいた青年が、傍らで見守っていた男の首に抱きついた。
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