41 / 49
冥府へ向かう道
しおりを挟む
そっと扉を開く。黴臭い匂いから一変、病院特有の消毒液の匂いがマスク越しに流れ込んでくる。私は息苦しさから付けていたマスクを外した。
今更マスクごときでどうにかなるものか。
「もし万一見つかったら、走って逃げるしかありません」
すでに病院は閉まっていて、緊急外来のみしか受け付けていない。つまり患者や職員に紛れて逃げることも難しく、そして恐らく出入り口も制限されるはずだ。
「外来入口はもう閉まってるでしょう。緊急受付か、職員用の出口から出るしか」
「あるいは明日の朝まで院内に隠れているか、だな」
先生はそう言うが、とにかく私は早くここから出たかった。
「そうならないことを祈ります」
先生が聖書をズボンとベルトの間に挟む。あんまりな扱いのそれに、私は祈った。すべては真実を明らかにするためなのです、どうか罪人の罪を明らかにするための力をお貸しください。
「では、行くぞ」
先生が私を手招く。幸いなのは、彼が院内の地理に詳しいことだった。
「だが、夜間警備や巡回のルートまでは私は知らない」
なにしろ勤務時間外に残っていると怒られるからな、と先生はのたまった。
私は、何度目かわからないため息をついた。
現在地は二階の南側。先生によると、霊安室は地下二階の北側にあるらしい。
「地下二階まであるんですか?」
「駐車場がB2なんだ」
なるほど、すぐに出棺できるようにするためなのだろう。
「そして不運なことに、そこには北側の階段しかつながってない。エレベーター?使えるわけがないだろう」
呆れた様子で言い返され、私は口を曲げる。どうせ階段を使おうが、見つかる時は見つかるのだ。
その私の予感は的中して、二階の南側階段から北口階段へ向かう途中であっけなく警備員に見つかってしまった。
「ほら、うろうろしてると余計見つかるリスクが高くなるじゃないですか!」
不満たらたらに私は叫ぶが、先生は言い返す気力もないのかただひたすらに走っている。闇雲に何度か角を曲がり、結局スタートに戻ってきてしまった。「仕方ない、では下に……」
先生がそう言い終える間もなく、階下からなにやらバタバタと言う足音が聞こえてきた。有無を言わさず我々は上階へと追いやられる。三階。
しかしここでも、不吉な足音が遠くの方から聞こえてくる。さらに上へ。四階、五階。
「警備員ってこんなにいるもんなんですか?」
まるで城塞だ。
「さあ、彼らのシフトまで、把握はしていないが、もしかしたら、警備会社の、応援が来たのかも、しれないな」
あまりうれしくない情報を聞きながら、二階と同じ場所にあった倉庫へと滑り込む。モワッとドブのような臭いが我々を襲った。「たぶん、掃除用具入れ、だな」
足音をやりすごし、そっと私は階段をさらに上がった。先生も異存はないようだった。
「急がばまわれ、だ」
ぶつぶつと呟いているのは、大回りの疲労を自分に納得させるためのようだ。
「そうだ、六階でエレベータを呼んでみたらどうだ?」
先生がそう言うので、北側の階段に向かう途中でエレベーターのボタンを押す。上階へのボタンだ。少しは効果があればいいが。
そう願いながら、ナースステーションとは反対側の廊下を小走りで駆けて行き、念願の北側の階段にたどり着くことが出来た。
六階は病室のフロアだが、幸いにナースともすれ違わなかった。その代わり、なんだかいい匂いが鼻腔をくすぐった。
「ちょうど入院患者の夕飯時だな」
少しでも時間がずれていたら、配膳か食器回収に鉢合わせてしまうところだった。
患者の食事時間は職員らの休憩時間でもあるらしく、ナースステーションからは甘い匂いと談笑の声が漏れていた。
途端に空腹を覚えるものの、残念ながら私は飴の一つも持っていない。仕方なく唾液を飲み込み、北側の階段をそろりと降りていく。
時折廊下を走る足音をやり過ごし、階段を駆け下りてくる足音に気付いては、途中のフロアの近くの倉庫へと逃げ込む。
一度鋭い警備員に倉庫の扉を開けられてしまった時は、いよいよダメかと思った。
だがなんという幸運か、そこは実習にでも使うのか人体模型やマネキンの置かれた部屋だった。
「服を脱げ!」
慌てて先生の指示に従い――とはいえせいぜい白衣とシャツを脱ぎ捨てるくらいしか出来なかったが――、ヒト型の模型の影に隠れ、なんとか事なきを得た。
無事に地下二階に降りた頃には、服ははだけホコリにまみれ、散々な有様だった。
あとは今このタイミングで死んだ人がいないことを祈るばかりだ。万一、死者との対面に涙する遺族とそのご遺体にでも遭遇してしまったら。
最悪の状況を思い浮かべるが、死の淵をさまよう生者にも、哀れな逃亡者にも神は微笑んでくれたようだ。白い部屋はがらんとしていた。
「霊安室は二つ。二手に分かれて探そう」
たった二つしかないことに驚きと安堵を覚えながら、我々は別れて禁忌の間を暴いた。
ベッドと、白い祭壇があるだけの場所だ。窓もなく、息苦しさを覚える。仮に私がこの病院で亡くなったとしても恐らくここには化けて出て来はしないだろうが、それでもなんだか肌寒い思いをした。単に、汗が冷えただけだったかもしれないが。
しかし、いくら探してもそれらしいものは見つからない。祭壇の後ろにもだ。諦めて部屋を出ようとしたところで、先生が私を手招いた。
「こっちに、こんなものがあった」
先生が差し出したのは、小さな金庫だった。表には、数字の書かれたダイヤルが一つ。
「まさか、これを開けるための暗号だって言うんですか?」
「だろうな。いかにも怪しいじゃないか」
先生は何が面白いのか笑みを浮かべているが、疲れ果てた私はこの状況を楽しむほどの余裕はなかった。「だって、数字なんて一つも出てきてないんですよ!」
「そうだな。となると、まだ読み解いていないヒントがまだあの文脈の中にあるということだ」
そう言って、先生は後生大事に抱えた聖書の中から、例のメモ紙を取り出した。
「あと解いていないのはなんだ?」
疲労から霞んできた目をこすって、私は読み上げた。
『デウカリオンと共に、青銅の時代の終わりがやってくる。そこには我らが星が燦然と輝いているだろう』
「ふむ……青銅の時代、か。確かにあの洪水によって、青銅の時代が終わって鉄の時代が訪れた。だが、正確な時代は分からない、暗証番号には使えまい」
「じゃあ、『我らが星が燦然と輝いている』」
もはや考えることを放棄した私は、機械的に文面を読み上げる。
「ふむ、星、か……」
すると先生は何かを思いついたのだろうか。「リンドウ君、スマホを貸したまえ!」
と奪うように私の白衣のポケットからスマホを奪い取った。
「先生、ちょっと」
「ふむ、君のスマホの電池の持ちが良くて助かった。私のは置いてきてしまってね」
なにしろ就業中は持てないからね、と妙に律儀なことを言いながら、先生は無事お目当ての物を見つけられたらしい。
「これだ!」
そう言って見せられたのは、木星にまつわるページだった。
「ゼウスとはユピテル、つまりはジュピターだ。星が輝くといえば、これを指しているに違いない」
そう言って木星に関する数字をダイヤルしていくものの、一向に金庫は開く気配がない。気持ちばかりが焦り、「本当にそれで合っているんですか?」と私の口から弱気な声が出た。
「考えすぎなんじゃないですか。だってユピテルは、ローマの神様でしょう?」
ゼウスに関しての話は、大学時代にユキ先輩から聞いたことがある。すべて文化はギリシャから始まり、ローマが得意げにその文化を、さももともと自分たちの物だったかのように受け入れたのだと。
それを言われてしまっては、中国文化をさも本来自分たちの文化だったように見せた日本文化も同じだと思ったが、とにかく文化と言うものは伝播して形を変えていく。
木星の名に付けられたユピテルは、残念ながら本家の名ではない。
「しかし、ゼウスと言う名の星など……」
渋々先生が検索する。
「あった。『小惑星 ゼウス 惑星番号 5071』」
しかしオリジナルがコピーより扱いが小さいとは。ブツブツ言いながら先生がダイヤルする。5、0、7、1。カチリという音がした。
「開いたぞ!」
興奮すると声が大きくなるのか、先生が歓喜の声を上げる。けれどそれは私も同じで、もはや先生を注意する気にもなれなかった。
ようやくこの長かった有栖医師からの挑戦状に終わりの時が来るのだと安堵して、その中身を窺った。小さな金庫の中には、黒くて長方形の板のようなものがしまわれていた。どこかで見たことがある。
先生が慎重な手つきでそれを取りだした。後ろには、知らない人間はいないだろう、リンゴのマーク。
「なぜ、こんなところにiPadが?」
今更マスクごときでどうにかなるものか。
「もし万一見つかったら、走って逃げるしかありません」
すでに病院は閉まっていて、緊急外来のみしか受け付けていない。つまり患者や職員に紛れて逃げることも難しく、そして恐らく出入り口も制限されるはずだ。
「外来入口はもう閉まってるでしょう。緊急受付か、職員用の出口から出るしか」
「あるいは明日の朝まで院内に隠れているか、だな」
先生はそう言うが、とにかく私は早くここから出たかった。
「そうならないことを祈ります」
先生が聖書をズボンとベルトの間に挟む。あんまりな扱いのそれに、私は祈った。すべては真実を明らかにするためなのです、どうか罪人の罪を明らかにするための力をお貸しください。
「では、行くぞ」
先生が私を手招く。幸いなのは、彼が院内の地理に詳しいことだった。
「だが、夜間警備や巡回のルートまでは私は知らない」
なにしろ勤務時間外に残っていると怒られるからな、と先生はのたまった。
私は、何度目かわからないため息をついた。
現在地は二階の南側。先生によると、霊安室は地下二階の北側にあるらしい。
「地下二階まであるんですか?」
「駐車場がB2なんだ」
なるほど、すぐに出棺できるようにするためなのだろう。
「そして不運なことに、そこには北側の階段しかつながってない。エレベーター?使えるわけがないだろう」
呆れた様子で言い返され、私は口を曲げる。どうせ階段を使おうが、見つかる時は見つかるのだ。
その私の予感は的中して、二階の南側階段から北口階段へ向かう途中であっけなく警備員に見つかってしまった。
「ほら、うろうろしてると余計見つかるリスクが高くなるじゃないですか!」
不満たらたらに私は叫ぶが、先生は言い返す気力もないのかただひたすらに走っている。闇雲に何度か角を曲がり、結局スタートに戻ってきてしまった。「仕方ない、では下に……」
先生がそう言い終える間もなく、階下からなにやらバタバタと言う足音が聞こえてきた。有無を言わさず我々は上階へと追いやられる。三階。
しかしここでも、不吉な足音が遠くの方から聞こえてくる。さらに上へ。四階、五階。
「警備員ってこんなにいるもんなんですか?」
まるで城塞だ。
「さあ、彼らのシフトまで、把握はしていないが、もしかしたら、警備会社の、応援が来たのかも、しれないな」
あまりうれしくない情報を聞きながら、二階と同じ場所にあった倉庫へと滑り込む。モワッとドブのような臭いが我々を襲った。「たぶん、掃除用具入れ、だな」
足音をやりすごし、そっと私は階段をさらに上がった。先生も異存はないようだった。
「急がばまわれ、だ」
ぶつぶつと呟いているのは、大回りの疲労を自分に納得させるためのようだ。
「そうだ、六階でエレベータを呼んでみたらどうだ?」
先生がそう言うので、北側の階段に向かう途中でエレベーターのボタンを押す。上階へのボタンだ。少しは効果があればいいが。
そう願いながら、ナースステーションとは反対側の廊下を小走りで駆けて行き、念願の北側の階段にたどり着くことが出来た。
六階は病室のフロアだが、幸いにナースともすれ違わなかった。その代わり、なんだかいい匂いが鼻腔をくすぐった。
「ちょうど入院患者の夕飯時だな」
少しでも時間がずれていたら、配膳か食器回収に鉢合わせてしまうところだった。
患者の食事時間は職員らの休憩時間でもあるらしく、ナースステーションからは甘い匂いと談笑の声が漏れていた。
途端に空腹を覚えるものの、残念ながら私は飴の一つも持っていない。仕方なく唾液を飲み込み、北側の階段をそろりと降りていく。
時折廊下を走る足音をやり過ごし、階段を駆け下りてくる足音に気付いては、途中のフロアの近くの倉庫へと逃げ込む。
一度鋭い警備員に倉庫の扉を開けられてしまった時は、いよいよダメかと思った。
だがなんという幸運か、そこは実習にでも使うのか人体模型やマネキンの置かれた部屋だった。
「服を脱げ!」
慌てて先生の指示に従い――とはいえせいぜい白衣とシャツを脱ぎ捨てるくらいしか出来なかったが――、ヒト型の模型の影に隠れ、なんとか事なきを得た。
無事に地下二階に降りた頃には、服ははだけホコリにまみれ、散々な有様だった。
あとは今このタイミングで死んだ人がいないことを祈るばかりだ。万一、死者との対面に涙する遺族とそのご遺体にでも遭遇してしまったら。
最悪の状況を思い浮かべるが、死の淵をさまよう生者にも、哀れな逃亡者にも神は微笑んでくれたようだ。白い部屋はがらんとしていた。
「霊安室は二つ。二手に分かれて探そう」
たった二つしかないことに驚きと安堵を覚えながら、我々は別れて禁忌の間を暴いた。
ベッドと、白い祭壇があるだけの場所だ。窓もなく、息苦しさを覚える。仮に私がこの病院で亡くなったとしても恐らくここには化けて出て来はしないだろうが、それでもなんだか肌寒い思いをした。単に、汗が冷えただけだったかもしれないが。
しかし、いくら探してもそれらしいものは見つからない。祭壇の後ろにもだ。諦めて部屋を出ようとしたところで、先生が私を手招いた。
「こっちに、こんなものがあった」
先生が差し出したのは、小さな金庫だった。表には、数字の書かれたダイヤルが一つ。
「まさか、これを開けるための暗号だって言うんですか?」
「だろうな。いかにも怪しいじゃないか」
先生は何が面白いのか笑みを浮かべているが、疲れ果てた私はこの状況を楽しむほどの余裕はなかった。「だって、数字なんて一つも出てきてないんですよ!」
「そうだな。となると、まだ読み解いていないヒントがまだあの文脈の中にあるということだ」
そう言って、先生は後生大事に抱えた聖書の中から、例のメモ紙を取り出した。
「あと解いていないのはなんだ?」
疲労から霞んできた目をこすって、私は読み上げた。
『デウカリオンと共に、青銅の時代の終わりがやってくる。そこには我らが星が燦然と輝いているだろう』
「ふむ……青銅の時代、か。確かにあの洪水によって、青銅の時代が終わって鉄の時代が訪れた。だが、正確な時代は分からない、暗証番号には使えまい」
「じゃあ、『我らが星が燦然と輝いている』」
もはや考えることを放棄した私は、機械的に文面を読み上げる。
「ふむ、星、か……」
すると先生は何かを思いついたのだろうか。「リンドウ君、スマホを貸したまえ!」
と奪うように私の白衣のポケットからスマホを奪い取った。
「先生、ちょっと」
「ふむ、君のスマホの電池の持ちが良くて助かった。私のは置いてきてしまってね」
なにしろ就業中は持てないからね、と妙に律儀なことを言いながら、先生は無事お目当ての物を見つけられたらしい。
「これだ!」
そう言って見せられたのは、木星にまつわるページだった。
「ゼウスとはユピテル、つまりはジュピターだ。星が輝くといえば、これを指しているに違いない」
そう言って木星に関する数字をダイヤルしていくものの、一向に金庫は開く気配がない。気持ちばかりが焦り、「本当にそれで合っているんですか?」と私の口から弱気な声が出た。
「考えすぎなんじゃないですか。だってユピテルは、ローマの神様でしょう?」
ゼウスに関しての話は、大学時代にユキ先輩から聞いたことがある。すべて文化はギリシャから始まり、ローマが得意げにその文化を、さももともと自分たちの物だったかのように受け入れたのだと。
それを言われてしまっては、中国文化をさも本来自分たちの文化だったように見せた日本文化も同じだと思ったが、とにかく文化と言うものは伝播して形を変えていく。
木星の名に付けられたユピテルは、残念ながら本家の名ではない。
「しかし、ゼウスと言う名の星など……」
渋々先生が検索する。
「あった。『小惑星 ゼウス 惑星番号 5071』」
しかしオリジナルがコピーより扱いが小さいとは。ブツブツ言いながら先生がダイヤルする。5、0、7、1。カチリという音がした。
「開いたぞ!」
興奮すると声が大きくなるのか、先生が歓喜の声を上げる。けれどそれは私も同じで、もはや先生を注意する気にもなれなかった。
ようやくこの長かった有栖医師からの挑戦状に終わりの時が来るのだと安堵して、その中身を窺った。小さな金庫の中には、黒くて長方形の板のようなものがしまわれていた。どこかで見たことがある。
先生が慎重な手つきでそれを取りだした。後ろには、知らない人間はいないだろう、リンゴのマーク。
「なぜ、こんなところにiPadが?」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

秘められた遺志
しまおか
ミステリー
亡くなった顧客が残した謎のメモ。彼は一体何を託したかったのか!?富裕層専門の資産運用管理アドバイザーの三郷が、顧客の高岳から依頼されていた遺品整理を進める中、不審物を発見。また書斎を探ると暗号めいたメモ魔で見つかり推理していた所、不審物があると通報を受けた顔見知りであるS県警の松ケ根と吉良が訪れ、連行されてしまう。三郷は逮捕されてしまうのか?それとも松ケ根達が問題の真相を無事暴くことができるのか!?
尖閣~防人の末裔たち
篠塚飛樹
ミステリー
元大手新聞社の防衛担当記者だった古川は、ある団体から同行取材の依頼を受ける。行き先は尖閣諸島沖。。。
緊迫の海で彼は何を見るのか。。。
※この作品は、フィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
※無断転載を禁じます。
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
支配するなにか
結城時朗
ミステリー
ある日突然、乖離性同一性障害を併発した女性・麻衣
麻衣の性格の他に、凶悪な男がいた(カイ)と名乗る別人格。
アイドルグループに所属している麻衣は、仕事を休み始める。
不思議に思ったマネージャーの村尾宏太は気になり
麻衣の家に尋ねるが・・・
麻衣:とあるアイドルグループの代表とも言える人物。
突然、別の人格が支配しようとしてくる。
病名「解離性同一性障害」 わかっている性格は、
凶悪な男のみ。
西野:元国民的アイドルグループのメンバー。
麻衣とは、プライベートでも親しい仲。
麻衣の別人格をたまたま目撃する
村尾宏太:麻衣のマネージャー
麻衣の別人格である、凶悪な男:カイに
殺されてしまう。
治療に行こうと麻衣を病院へ送る最中だった
西田〇〇:村尾宏太殺害事件の捜査に当たる捜一の刑事。
犯人は、麻衣という所まで突き止めるが
確定的なものに出会わなく、頭を抱えて
いる。
カイ :麻衣の中にいる別人格の人
性別は男。一連の事件も全てカイによる犯行。
堀:麻衣の所属するアイドルグループの人気メンバー。
麻衣の様子に怪しさを感じ、事件へと首を突っ込んでいく・・・
※刑事の西田〇〇は、読者のあなたが演じている気分で読んで頂ければ幸いです。
どうしても浮かばなければ、下記を参照してください。
物語の登場人物のイメージ的なのは
麻衣=白石麻衣さん
西野=西野七瀬さん
村尾宏太=石黒英雄さん
西田〇〇=安田顕さん
管理官=緋田康人さん(半沢直樹で机バンバン叩く人)
名前の後ろに来るアルファベットの意味は以下の通りです。
M=モノローグ (心の声など)
N=ナレーション
カフェ・シュガーパインの事件簿
山いい奈
ミステリー
大阪長居の住宅街に佇むカフェ・シュガーパイン。
個性豊かな兄姉弟が営むこのカフェには穏やかな時間が流れる。
だが兄姉弟それぞれの持ち前の好奇心やちょっとした特殊能力が、巻き込まれる事件を解決に導くのだった。

聖女の如く、永遠に囚われて
white love it
ミステリー
旧貴族、秦野家の令嬢だった幸子は、すでに百歳という年齢だったが、その外見は若き日に絶世の美女と謳われた頃と、少しも変わっていなかった。
彼女はその不老の美しさから、地元の人間達から今も魔女として恐れられながら、同時に敬われてもいた。
ある日、彼女の世話をする少年、遠山和人のもとに、同級生の島津良子が来る。
良子の実家で、不可解な事件が起こり、その真相を幸子に探ってほしいとのことだった。
実は幸子はその不老の美しさのみならず、もう一つの点で地元の人々から恐れられ、敬われていた。
━━彼女はまぎれもなく、名探偵だった。
登場人物
遠山和人…中学三年生。ミステリー小説が好き。
遠山ゆき…中学一年生。和人の妹。
島津良子…中学三年生。和人の同級生。痩せぎみの美少女。
工藤健… 中学三年生。和人の友人にして、作家志望。
伊藤一正…フリーのプログラマー。ある事件の犯人と疑われている。
島津守… 良子の父親。
島津佐奈…良子の母親。
島津孝之…良子の祖父。守の父親。
島津香菜…良子の祖母。守の母親。
進藤凛… 家を改装した喫茶店の女店主。
桂恵… 整形外科医。伊藤一正の同級生。
遠山未歩…和人とゆきの母親。
遠山昇 …和人とゆきの父親。
山部智人…【未来教】の元経理担当。
秦野幸子…絶世の美女にして名探偵。百歳だが、ほとんど老化しておらず、今も若い頃の美しさを保っている。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる