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1964.10.10 地上 2
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そこへ、警察車両より先に、ものすごいスピードでタクシーが向かってきた。タクシーは急ブレーキで英紀たちのもとで止まり、はじけたように扉が開く。出てきたのは順次郎だった。
「おお、真理亜!無事だったのか!」
弾丸のように飛び出してきた順次郎が真理亜に抱きついた。まるで主の帰りを待ちわびていた犬の様だ。よろけながらも真理亜は父の背に手を伸ばし、抱擁する。
「お父様!」
「なんだかいろいろとあったようだが、とにかく無事でよかった」
そう言って、感極まった順次郎に力の限り抱きしめられて、真理亜は息が出来なくなってしまった。
「ちょ、ちょっとお父様。苦しいわ!」
「おお、すまんすまん」
慌てて父の抱擁から真理亜が抜け出すと、今度はその標的は菅野に向かったらしい。
「菅野君!すまなかった、犯人を捕まえてくれたそうじゃないか!疑ったりして申し訳ない!」
と叫びながら、ひょろりとした菅野に抱きついた。やはりバランスを崩して、菅野がよろける。
「話は赤崎と青野から聞いたよ。青野の奴めが孤児院を守ろうとする君たちを利用して、金をせしめようとしていたことをな!うちの社員が犯人だっただなんて、はらわたが煮えくり返りそうだ!」
怒りも露わに順次郎が足を踏み鳴らす。
「しかし未来ある子供たちを守る施設が無くなってしまっただなんて、初めからそう言ってくれれば良かったのに!」
「すみません……」
恐縮して菅野が謝る。「そうだ、君みたいな若者が、悪事を働くはずがないんだ!」
その言葉に恐縮しているのは矢野だ。なるべく順次郎と目線を合わせないよう、隅の方で大人しくしている。先までこの男に命を狙われていたというのに、その様子を見て真理亜は矢野を憎めない気持ちになってしまった。
「約束通り金は菅野君にやろう。その金で孤児院でもなんでも作るといい」
「ありがとうございます」
「そうだな、せっかくなら礼拝堂のある孤児院なんてどうだ?」
「お父様?」
娘が無事だったことに気分を良くしたのか、今日の父はいつも以上にペラペラとよく喋る。
「我が家の礼拝堂も壊されてしまって、これじゃあ亡くなった母さんがかわいそうだ。せっかく、神様と母さんが真理亜を守ってくれたというのにな」
「神様、ですか」
はあ、と言った様子で菅野が相づちを打った。
「そうだ、神は我々を常に見守ってて下さるんだ。その感謝の念を表すにも、やはり礼拝堂は必要だろう。善は急げだ、その孤児院の経営者の方にお会いしなければ」
「もうお父様ったら、気が早いんだから」
手のひらを返したように上機嫌な父親に、真理亜は呆れた声を掛ける。
「そんな急に押しかけたら迷惑だわ」
でも、彼女には借りた服を返してお礼を言いに行きたかった。この朗報を早く伝えたかったのは真理亜も同じだった。
「だがその方だけでは経営も大変だろう、なにせ礼拝堂の管理もしてもらいたいからな」
「そうですね、大して使ってもいないのに、掃除するだけでも大変でしたもの」
そう苦言を呈したのはメグだった。
「使わない、じゃなくて、使えないほど忙しいんだ、私は。ふむ、そうしたら真理亜、孤児院経営を手伝ってやりなさい」
急に矛先を向けられて、真理亜は戸惑ってしまう。
「私が?」
「いえ、そこは僕が……」
驚く真理亜に代わって菅野が答える。だが順次郎は聞かない。
「ならんならん、菅野君はわが社で目いっぱい働いてもらわないと」
「じゃあ、大月さんや矢野さんだって」
いきなり私が孤児院の経営だなんて。真理亜は自信がなかった。菅野さんの力になりたいのは確かだけれど、そんな急に、自分の将来を決められなかった。
「そうだな、いずれは手伝わせてもらうよ。だがその前に、俺たちは先にやらなけりゃらないことがあるんでね」
悩む真理亜に大月が声を掛けた。
「てめえのケツは自分で拭かないとな」
ふう、と大月が煙を吐いたところで、サイレンの音が聞こえた。ようやく警察がやってきたのだ。
「それって……」
不安そうな表情でメグが問う。「自首するってことですか?」
「ああ。いくら大事に至らなかったとはいえ、コイツのやったことは重大犯罪だ」
「でも、なんで大月さんまで」
悲しい声でメグが言った。いくら友のためとはいえ、自分まで犠牲にすることはないでしょう、と懇願すれば、
「これでも人にはいえないことをたくさんやってきてね」
と返されてしまい、メグはがっくりと肩を落とした。「どうして、私が好きになる人ってこうなのかしら」
「ちょうどいい、年貢の納め時だ。牢獄に友達がいたほうが楽しいだろう。罪を償ってやり直すさ」
「大月。ならそれなら僕だって」
メグ以上に悲しい顔で菅野が言った。「僕だって、子供の頃に人から金を盗んで生きてきたんだ。僕も同罪だ」
「そんな昔のことなんて、警察は取り合わないさ。それにお前は俺たちを助けてくれた。それで帳消しでいいだろう」
菅野が伸ばした手に大月がそっと触れた。そして、その手をゆっくりと降ろす。
「頼む、やり直させてくれ」
やがてサイレンの音が大きくなり、黒と白の車体であたりが埋め尽くされた。
大月が一本矢野に煙草を差し出して、火を点けてやる。そして自分も煙草をくわえると、大きく煙を吸った。しばらく二人は煙を燻らせて、吸い殻を大月の携帯灰皿に押し込んだ。
「さあ、行こうぜ」
「ああ」
矢野も観念したらしい。すっかり憑き物の取れたような清々しい顔でうなずいた。
「やっぱり俺は、お前たちがいないとダメみたいだ。また、やり直してくれるか?」
「もちろんだ」
差し出された手を、菅野が力強く握った。その手にさらに手を重ね、大月が噛みしめるように言った。
「小百合母さんによろしくな。ちゃんと罪を償ったら、また会いに行くと伝えてくれ」
パトカーの方へ歩いていく二人を、菅野と真理亜は見送るしかできなかった。
どこからか君が代の歌が聞こえる。駆けつけたパトカーからだ。誰かがこっそり、開会式の様子をラジオで聞いていたのだろう。ゆっくりと歌が終わって、割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
こうして、オリンピックの幕は無事に開かれたのだった。
「おお、真理亜!無事だったのか!」
弾丸のように飛び出してきた順次郎が真理亜に抱きついた。まるで主の帰りを待ちわびていた犬の様だ。よろけながらも真理亜は父の背に手を伸ばし、抱擁する。
「お父様!」
「なんだかいろいろとあったようだが、とにかく無事でよかった」
そう言って、感極まった順次郎に力の限り抱きしめられて、真理亜は息が出来なくなってしまった。
「ちょ、ちょっとお父様。苦しいわ!」
「おお、すまんすまん」
慌てて父の抱擁から真理亜が抜け出すと、今度はその標的は菅野に向かったらしい。
「菅野君!すまなかった、犯人を捕まえてくれたそうじゃないか!疑ったりして申し訳ない!」
と叫びながら、ひょろりとした菅野に抱きついた。やはりバランスを崩して、菅野がよろける。
「話は赤崎と青野から聞いたよ。青野の奴めが孤児院を守ろうとする君たちを利用して、金をせしめようとしていたことをな!うちの社員が犯人だっただなんて、はらわたが煮えくり返りそうだ!」
怒りも露わに順次郎が足を踏み鳴らす。
「しかし未来ある子供たちを守る施設が無くなってしまっただなんて、初めからそう言ってくれれば良かったのに!」
「すみません……」
恐縮して菅野が謝る。「そうだ、君みたいな若者が、悪事を働くはずがないんだ!」
その言葉に恐縮しているのは矢野だ。なるべく順次郎と目線を合わせないよう、隅の方で大人しくしている。先までこの男に命を狙われていたというのに、その様子を見て真理亜は矢野を憎めない気持ちになってしまった。
「約束通り金は菅野君にやろう。その金で孤児院でもなんでも作るといい」
「ありがとうございます」
「そうだな、せっかくなら礼拝堂のある孤児院なんてどうだ?」
「お父様?」
娘が無事だったことに気分を良くしたのか、今日の父はいつも以上にペラペラとよく喋る。
「我が家の礼拝堂も壊されてしまって、これじゃあ亡くなった母さんがかわいそうだ。せっかく、神様と母さんが真理亜を守ってくれたというのにな」
「神様、ですか」
はあ、と言った様子で菅野が相づちを打った。
「そうだ、神は我々を常に見守ってて下さるんだ。その感謝の念を表すにも、やはり礼拝堂は必要だろう。善は急げだ、その孤児院の経営者の方にお会いしなければ」
「もうお父様ったら、気が早いんだから」
手のひらを返したように上機嫌な父親に、真理亜は呆れた声を掛ける。
「そんな急に押しかけたら迷惑だわ」
でも、彼女には借りた服を返してお礼を言いに行きたかった。この朗報を早く伝えたかったのは真理亜も同じだった。
「だがその方だけでは経営も大変だろう、なにせ礼拝堂の管理もしてもらいたいからな」
「そうですね、大して使ってもいないのに、掃除するだけでも大変でしたもの」
そう苦言を呈したのはメグだった。
「使わない、じゃなくて、使えないほど忙しいんだ、私は。ふむ、そうしたら真理亜、孤児院経営を手伝ってやりなさい」
急に矛先を向けられて、真理亜は戸惑ってしまう。
「私が?」
「いえ、そこは僕が……」
驚く真理亜に代わって菅野が答える。だが順次郎は聞かない。
「ならんならん、菅野君はわが社で目いっぱい働いてもらわないと」
「じゃあ、大月さんや矢野さんだって」
いきなり私が孤児院の経営だなんて。真理亜は自信がなかった。菅野さんの力になりたいのは確かだけれど、そんな急に、自分の将来を決められなかった。
「そうだな、いずれは手伝わせてもらうよ。だがその前に、俺たちは先にやらなけりゃらないことがあるんでね」
悩む真理亜に大月が声を掛けた。
「てめえのケツは自分で拭かないとな」
ふう、と大月が煙を吐いたところで、サイレンの音が聞こえた。ようやく警察がやってきたのだ。
「それって……」
不安そうな表情でメグが問う。「自首するってことですか?」
「ああ。いくら大事に至らなかったとはいえ、コイツのやったことは重大犯罪だ」
「でも、なんで大月さんまで」
悲しい声でメグが言った。いくら友のためとはいえ、自分まで犠牲にすることはないでしょう、と懇願すれば、
「これでも人にはいえないことをたくさんやってきてね」
と返されてしまい、メグはがっくりと肩を落とした。「どうして、私が好きになる人ってこうなのかしら」
「ちょうどいい、年貢の納め時だ。牢獄に友達がいたほうが楽しいだろう。罪を償ってやり直すさ」
「大月。ならそれなら僕だって」
メグ以上に悲しい顔で菅野が言った。「僕だって、子供の頃に人から金を盗んで生きてきたんだ。僕も同罪だ」
「そんな昔のことなんて、警察は取り合わないさ。それにお前は俺たちを助けてくれた。それで帳消しでいいだろう」
菅野が伸ばした手に大月がそっと触れた。そして、その手をゆっくりと降ろす。
「頼む、やり直させてくれ」
やがてサイレンの音が大きくなり、黒と白の車体であたりが埋め尽くされた。
大月が一本矢野に煙草を差し出して、火を点けてやる。そして自分も煙草をくわえると、大きく煙を吸った。しばらく二人は煙を燻らせて、吸い殻を大月の携帯灰皿に押し込んだ。
「さあ、行こうぜ」
「ああ」
矢野も観念したらしい。すっかり憑き物の取れたような清々しい顔でうなずいた。
「やっぱり俺は、お前たちがいないとダメみたいだ。また、やり直してくれるか?」
「もちろんだ」
差し出された手を、菅野が力強く握った。その手にさらに手を重ね、大月が噛みしめるように言った。
「小百合母さんによろしくな。ちゃんと罪を償ったら、また会いに行くと伝えてくれ」
パトカーの方へ歩いていく二人を、菅野と真理亜は見送るしかできなかった。
どこからか君が代の歌が聞こえる。駆けつけたパトカーからだ。誰かがこっそり、開会式の様子をラジオで聞いていたのだろう。ゆっくりと歌が終わって、割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
こうして、オリンピックの幕は無事に開かれたのだった。
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