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学び舎の祟り
学び舎の祟り-5
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「そうは言われても……」
こちらはただの学生だ。学校ですることと言えば授業に授業、時々休憩。
そんな中、別に友達がいるわけでもない隣のクラスにいちいち行くのも気が引ける。
っていうかこれ、時間外労働じゃないか。
僕はため息とともに机に突っ伏した。
そもそも隣のクラスの話だし、僕には直接関係のないことだ。
「ごめんね、ナオ。巻きこんでしもうて」
でも、ルリにそう言われては、サボるわけにもいかない。
あのクラスには、彼女の友達だとか、元カレがいるわけだし。
狭くても、僕の世界は確かに誰かとつながっている。
「……そもそも、そのいじめって本当にあったんだよね?」
だから、見て見ぬふりをしたいけれど、仕方がない。
怪現象の原因が何であれ、一番良くないのはたぶんそれだ。
「ミズホと、他ん子から聞いた情報やと」
こういう時、顔が広いと重宝する。
よっぽど彼女の方が探偵の助手に向いてるんじゃないかって思うくらい、ルリはいろんな話を集めてきてくれた。
「いじめんリーダー格が、小俣。こん子と七瀬って子はもともと同じ中学やったみたい」
「中学の時からいじめがあったの?」
「そこまではわからんなあ。他に同じ学校やった子がおるか後で聞いてみるね。で、一学期が始まってしばらくして、小俣が他ん子……ええと、ジュンとかアイとか、女ん子ん仲良しグループね、と一緒に、七瀬さんばからかい始めたっちゃ」
からかう。
それは、いったいどんな感じなんだろう。一見すると仲がよさそうな、そんな人たち。そういうのは、東京の中学にもいたと思う。
騒がしい男子のグループで、三人が一人の持ち物を隠したりとか、そんな遊びをしていたけれど。
でも、あれは三人にとっては遊びでも、一人にとってはどうだったのだろう。
「きっかけは、こないだミズホが言うとった話。あれみたい」
「あれって……まさか、本当に注射打ってたの?」
びっくりして、僕の声が大きくなる。
ルリが唇に指をあてて、慌てて僕は小声で続けた。
「そんな、学校でそんなの……」
「そぎゃんわけなかやろ。あれは、クスリはクスリでん、なんか病気ん薬らしいって」
なんだ、そうだったのか。僕は安堵する。
「でも、わざわざ注射を打たなきゃいけないの?」
「詳しゅうはわからんけどそうみたい。もちろん小俣だって、まさかほんなこつヤバいクスリだなんて思うとらんやろ、ばってんからかう口実としてはちょうど良かった」
そうか、七瀬さんは何か病気に罹っているのか。
さらに彼女のことが心配になって来た。だというのに、それを理由にからかうだなんて、僕は小俣の気が知れなかった。
「で、最初はちょっと悪口言うとか、そぎゃんやったみたい。ばってんあんまり七瀬さんが無反応で面白うのうて、エスカレートしとったって」
あまり聞きたくはなかった。七瀬さんは、一体どんな目に遭わされたのか。
けれど、知らなければいけない気がした。
「物ば隠す、捨てる。トイレに閉じ込める、髪ば切る。偶然ば装うて水を掛ける」
「ひどい……」
「ばってん、直接暴力ば振るう、とかやなかけん、先生にもバレとらんって思うとる」
その言い方になんだか引っ掛かりを覚えて、僕は聞いた。
「思ってる、って?」
「たぶん、本当は担任ん後藤だって気づいとるて思うばい。ばってん、事ば荒立てとうのうて、見らん振りしとる」
ほかんクラスメイトと一緒ね、と言って、彼女は一息ついた。
「確かにミサキん言う通りやなあ。これじゃあみんな同罪やないの」
それに、それば知ったんに何もせんうちもそうだ、と彼女はうなだれる。
でも、そんなことを言ってしまったら。
机に突っ伏す彼女を見て考える。
初めて知った、隣のクラスの出来事。それに責任を感じるのならば、僕らはこの世界のどこまでに責任を持たなければならないのだろう。
なんだか気が遠くなりそうだ。せめて当事者が声を上げてくれなければ、気づきようがないじゃないか。
「でも、その七瀬って人が先生に訴えれば解決する話なんじゃないの?それに、その子の親だって黙ってないんじゃ」
さすがに本人や親から訴えがあれば、先生だって対応せざるを得ないはずだ。そう思って聞けば、
「一度相談したみたい。ばってん、気のせいん一言で片されちゃったみたい。彼女ん親も、仕事で忙しかごたって……」
それからというもの、七瀬さんはただ耐えていた、らしい。
「そんなの、だって物を盗んだり髪を切ったりしたんでしょう?立派な犯罪だよ、警察に」
そう言いかけて、僕はふと口をつぐむ。
家庭内のことでしょう、困惑気味に言う警察官の言葉が頭に響く。
きっと、学校での出来事だって。
「そこまでん話になったかはわからん。傍観しとるクラスメイトはそこまでせんやろうし、七瀬さん本人が相談すりゃ……」
「でも。きっと、聞いてもらえない?」
「たぶん、ね」
上げた声が届かない。僕らは何も気が付かない。
まわりには、こんなに人間がいるのに。
今僕らを襲った孤独感や絶望感などよりもっとつらいものを、七瀬さんは背負っているのかもしれない。
そう思うと、息が苦しい。
「それで、七瀬ん積もりに積もった恨みが祟りに姿ば変えて、クラスメイトらば苦しめとる。そう、ミズホたちは思うとるみたい」
自分だったらどうだろう。
自分は病気で苦しんでいるのに、それを笑うやつらがいる。それどころか、さらに苦しめるようなことをして、楽しんでいる。
そんなやつらが、なんで健康で、生きているんだろう。
そう思いやしないだろうか。
そう、死んでしまえとも。
きっと僕なら、そう思ってしまう。
そういう怨念みたいなのが。
「だからって、祟りって」
いくらなんでも、そんな風になるだろうか。
丸藤さんも、ルリだって言っていたじゃないか。そんなもの、普通の高校生ができるもんか。
「わからんよ、無意識にそう思うた負ん感情が、学校におる霊ば動かした……とかさ」
そう言う解釈が、二組の一部で起こっているらしい。
「やけん、とにかく七瀬ばいじむるなって、いじめ自体は収まっとるごたるばってん」
まあいじめとったやつらん何人かがすでに怪我しとるごたるし、そぎゃん気にもならんのやろうけど、と彼女は締めくくった。
「じゃあ、とりあえずいじめは収まってるんだ」
よかった、と僕は胸を撫でおろす。
「ばってん、怪現象の方は、まだ」
ルリが言いかけた時だった。
「きゃあああっ!」
甲高い声が廊下に響いた。教室にいた何人かが、何事かと窓を開いて廊下の方を覗き込む。
ルリと僕も慌ててそれに倣う。
狂ったように悲鳴は響き続け、バタバタと誰かが駆けてくる足音が響く。
学生らの間を駆け抜けて、金切り声をあげて走っていくのは。
「え、あれ大丈夫なの?」
ルリが口に手を当てた。心配するのも無理はなかった。
何かから逃げるように走る女の子の全身は真っ赤に染まっていて。
「え、怪我しとっと?」
「どぎゃんしたんあれ」
「あれ、隣んクラスん野口やないの?」
クラスメイトらがざわつきはじめる。
悲鳴は遠のき、今度は泣き声が聞こえてくる。何人かが教室を飛び出して、僕らもそれについていく。
廊下の行き止まりで、野口と呼ばれた子がうずくまって泣いていた。
「ねえ、ちょっと大丈夫?」
ルリが声を掛けた。うずくまる子は、どこかを押さえていたりだとか、痛がっている様子はない。
と言うことは怪我ではなさそうだけれど。
「と、トイレで……」
泣きじゃくる言葉の間で、ようやくそれだけが聞き取れた。
「トイレで、どうしたの?」
「七不思議だ」
ルリの問いに答えたのは、野次馬の一人だった。
「血まみれになるって、あれ?」
誰かが呟く。ざわめきは大きくなり、そのうち誰かが言い始めた。
「やっぱり、七瀬が」
「あの子が何かしとるんだよ」
こちらはただの学生だ。学校ですることと言えば授業に授業、時々休憩。
そんな中、別に友達がいるわけでもない隣のクラスにいちいち行くのも気が引ける。
っていうかこれ、時間外労働じゃないか。
僕はため息とともに机に突っ伏した。
そもそも隣のクラスの話だし、僕には直接関係のないことだ。
「ごめんね、ナオ。巻きこんでしもうて」
でも、ルリにそう言われては、サボるわけにもいかない。
あのクラスには、彼女の友達だとか、元カレがいるわけだし。
狭くても、僕の世界は確かに誰かとつながっている。
「……そもそも、そのいじめって本当にあったんだよね?」
だから、見て見ぬふりをしたいけれど、仕方がない。
怪現象の原因が何であれ、一番良くないのはたぶんそれだ。
「ミズホと、他ん子から聞いた情報やと」
こういう時、顔が広いと重宝する。
よっぽど彼女の方が探偵の助手に向いてるんじゃないかって思うくらい、ルリはいろんな話を集めてきてくれた。
「いじめんリーダー格が、小俣。こん子と七瀬って子はもともと同じ中学やったみたい」
「中学の時からいじめがあったの?」
「そこまではわからんなあ。他に同じ学校やった子がおるか後で聞いてみるね。で、一学期が始まってしばらくして、小俣が他ん子……ええと、ジュンとかアイとか、女ん子ん仲良しグループね、と一緒に、七瀬さんばからかい始めたっちゃ」
からかう。
それは、いったいどんな感じなんだろう。一見すると仲がよさそうな、そんな人たち。そういうのは、東京の中学にもいたと思う。
騒がしい男子のグループで、三人が一人の持ち物を隠したりとか、そんな遊びをしていたけれど。
でも、あれは三人にとっては遊びでも、一人にとってはどうだったのだろう。
「きっかけは、こないだミズホが言うとった話。あれみたい」
「あれって……まさか、本当に注射打ってたの?」
びっくりして、僕の声が大きくなる。
ルリが唇に指をあてて、慌てて僕は小声で続けた。
「そんな、学校でそんなの……」
「そぎゃんわけなかやろ。あれは、クスリはクスリでん、なんか病気ん薬らしいって」
なんだ、そうだったのか。僕は安堵する。
「でも、わざわざ注射を打たなきゃいけないの?」
「詳しゅうはわからんけどそうみたい。もちろん小俣だって、まさかほんなこつヤバいクスリだなんて思うとらんやろ、ばってんからかう口実としてはちょうど良かった」
そうか、七瀬さんは何か病気に罹っているのか。
さらに彼女のことが心配になって来た。だというのに、それを理由にからかうだなんて、僕は小俣の気が知れなかった。
「で、最初はちょっと悪口言うとか、そぎゃんやったみたい。ばってんあんまり七瀬さんが無反応で面白うのうて、エスカレートしとったって」
あまり聞きたくはなかった。七瀬さんは、一体どんな目に遭わされたのか。
けれど、知らなければいけない気がした。
「物ば隠す、捨てる。トイレに閉じ込める、髪ば切る。偶然ば装うて水を掛ける」
「ひどい……」
「ばってん、直接暴力ば振るう、とかやなかけん、先生にもバレとらんって思うとる」
その言い方になんだか引っ掛かりを覚えて、僕は聞いた。
「思ってる、って?」
「たぶん、本当は担任ん後藤だって気づいとるて思うばい。ばってん、事ば荒立てとうのうて、見らん振りしとる」
ほかんクラスメイトと一緒ね、と言って、彼女は一息ついた。
「確かにミサキん言う通りやなあ。これじゃあみんな同罪やないの」
それに、それば知ったんに何もせんうちもそうだ、と彼女はうなだれる。
でも、そんなことを言ってしまったら。
机に突っ伏す彼女を見て考える。
初めて知った、隣のクラスの出来事。それに責任を感じるのならば、僕らはこの世界のどこまでに責任を持たなければならないのだろう。
なんだか気が遠くなりそうだ。せめて当事者が声を上げてくれなければ、気づきようがないじゃないか。
「でも、その七瀬って人が先生に訴えれば解決する話なんじゃないの?それに、その子の親だって黙ってないんじゃ」
さすがに本人や親から訴えがあれば、先生だって対応せざるを得ないはずだ。そう思って聞けば、
「一度相談したみたい。ばってん、気のせいん一言で片されちゃったみたい。彼女ん親も、仕事で忙しかごたって……」
それからというもの、七瀬さんはただ耐えていた、らしい。
「そんなの、だって物を盗んだり髪を切ったりしたんでしょう?立派な犯罪だよ、警察に」
そう言いかけて、僕はふと口をつぐむ。
家庭内のことでしょう、困惑気味に言う警察官の言葉が頭に響く。
きっと、学校での出来事だって。
「そこまでん話になったかはわからん。傍観しとるクラスメイトはそこまでせんやろうし、七瀬さん本人が相談すりゃ……」
「でも。きっと、聞いてもらえない?」
「たぶん、ね」
上げた声が届かない。僕らは何も気が付かない。
まわりには、こんなに人間がいるのに。
今僕らを襲った孤独感や絶望感などよりもっとつらいものを、七瀬さんは背負っているのかもしれない。
そう思うと、息が苦しい。
「それで、七瀬ん積もりに積もった恨みが祟りに姿ば変えて、クラスメイトらば苦しめとる。そう、ミズホたちは思うとるみたい」
自分だったらどうだろう。
自分は病気で苦しんでいるのに、それを笑うやつらがいる。それどころか、さらに苦しめるようなことをして、楽しんでいる。
そんなやつらが、なんで健康で、生きているんだろう。
そう思いやしないだろうか。
そう、死んでしまえとも。
きっと僕なら、そう思ってしまう。
そういう怨念みたいなのが。
「だからって、祟りって」
いくらなんでも、そんな風になるだろうか。
丸藤さんも、ルリだって言っていたじゃないか。そんなもの、普通の高校生ができるもんか。
「わからんよ、無意識にそう思うた負ん感情が、学校におる霊ば動かした……とかさ」
そう言う解釈が、二組の一部で起こっているらしい。
「やけん、とにかく七瀬ばいじむるなって、いじめ自体は収まっとるごたるばってん」
まあいじめとったやつらん何人かがすでに怪我しとるごたるし、そぎゃん気にもならんのやろうけど、と彼女は締めくくった。
「じゃあ、とりあえずいじめは収まってるんだ」
よかった、と僕は胸を撫でおろす。
「ばってん、怪現象の方は、まだ」
ルリが言いかけた時だった。
「きゃあああっ!」
甲高い声が廊下に響いた。教室にいた何人かが、何事かと窓を開いて廊下の方を覗き込む。
ルリと僕も慌ててそれに倣う。
狂ったように悲鳴は響き続け、バタバタと誰かが駆けてくる足音が響く。
学生らの間を駆け抜けて、金切り声をあげて走っていくのは。
「え、あれ大丈夫なの?」
ルリが口に手を当てた。心配するのも無理はなかった。
何かから逃げるように走る女の子の全身は真っ赤に染まっていて。
「え、怪我しとっと?」
「どぎゃんしたんあれ」
「あれ、隣んクラスん野口やないの?」
クラスメイトらがざわつきはじめる。
悲鳴は遠のき、今度は泣き声が聞こえてくる。何人かが教室を飛び出して、僕らもそれについていく。
廊下の行き止まりで、野口と呼ばれた子がうずくまって泣いていた。
「ねえ、ちょっと大丈夫?」
ルリが声を掛けた。うずくまる子は、どこかを押さえていたりだとか、痛がっている様子はない。
と言うことは怪我ではなさそうだけれど。
「と、トイレで……」
泣きじゃくる言葉の間で、ようやくそれだけが聞き取れた。
「トイレで、どうしたの?」
「七不思議だ」
ルリの問いに答えたのは、野次馬の一人だった。
「血まみれになるって、あれ?」
誰かが呟く。ざわめきは大きくなり、そのうち誰かが言い始めた。
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