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お前の正体を知っている1
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「社くん、みんながバタバタしてるうちに十年前の事故現場を調べに行こうよ」
そう提案してきたのは華ちゃんだった。お互い身軽というか、特に運ぶほどの荷物もなく時間を持て余していたところだった。
「そうだね。なんだか今回の一連の騒動、過去と関係がありそうだし」
社と華ちゃんの二人は、今はパーティー会場であったホール、かつての事故現場に向かっていた。通りすがらの黄水晶の間では、湯布院さんがガラスまみれの掛布団を馬虎さんにはたいてもらっているようだった。あれ、証拠インメツとかしてないといいんだけど。
「停電に火事騒ぎ、ドリアン騒動も十年前に起こってるんだろ?」
「停電と火事は分かるけど、ドリアン騒動ってどういうことなんだろ」
普通、ドリアンなんてそうそうそこらには転がっていない。それが事故現場前に落ちていたという。
「聞いてみよっか?ちょうどそこに馬虎さんがいるし」
どうにもガラス片が繊維内に入り込んでしまったのか、布団が使えなくなった湯布院さんが怒鳴っていてうるさい。馬虎さんはそれに動じず、自分の部屋である瑠璃の間から布団を出して湯布院さんに渡していた。いくらここの従業員だからってあんまりかわいそうだな、と思っていたら、その馬虎さんと目が合った。
「大変ですね。湯布院さん、自分でシャンデリア落としたくせに」
そう決めかかるのは華ちゃんだ
「ええ、まあ……いえ、実際何があったのかはまだわかりませんし」
一方馬虎さんは大人だ。あいまいに誤魔化して微笑んだ。
「馬虎さん、お忙しいところ申し訳ないんですが、一つ教えて欲しいことがあるんですけど」
同じくあいまいな微笑みを浮かべて社は聞いた。
「あの、ドリアンなんですけど」
「ドリアン?ああ、犬尾様のお部屋にあったものは臭って仕方がないので、一度ホール下の厨房に戻しておきましたが」
「いえ、今回のではなくて、十年前の」
「十年前?」
「はい。なんでも、あの事故の時にも、ドリアンでなにか騒ぎがあったとか」
「ああ、そういえば」
「どんな騒ぎだったんですか?」
「騒ぎというほどのことではないかと思います。その、ちょうどこの瑠璃の間の前あたりですかね、そこにドリアンが落ちておりまして」
「はあ、廊下にドリアンが……ですか?」
「おそらく、この城の従業員の誰かが撤収の際に落としただけなのだと思います。ただ落ちていたのを見つけたのが、例の事故が起こった際で……」
「あの、天井が落下してきたときですか?」
「ええ。その日の日中婚礼の儀が行われ、夕方一度パーティーは解散となりました。その後帰れなくなったお客さま方をお部屋にご案内した際にはそんなものはなかった」
記憶の底をさらうかのように、馬虎さんは深く目を瞑っている。
「だからその後、パーティー会場の撤収を行っていた際に落ちてしまったのだと思われます。そのまま誰にも気が付かれず、明け方事故が起こった。そして、それは大きな音に驚いて駆けつけた湯布院様らによって発見されまして」
だからかつての招待客らは妙に怯えていたのかもしれない。次は天井が落ちてくるような、そんな凄惨な事故が起こるのかもしれないと予感を抱いたのではなかろうか。現に湯布院さんの部屋では、天井に張られた鏡でこそないものの、シャンデリアが落ちている。
「じゃあ別に、それの臭いでやれガス騒ぎだのなんだのがあったわけじゃないんですね」
「ええ、まあ。幸いというか、残されたお客さま方は大浴場側のお部屋にお泊り頂きましたから、そこまで臭いが届かなかったのかもしれません」
「ああ、夜中に身内だけで何かしてたんでしたっけ、そこのホールで」
そう言って華ちゃんがすぐそばの大きな扉を指さした。
「馬虎さんは、そこで何が行われているのかは知らないんですよね?」
「一族のものしか、入ることは出来ませんから」
「その儀式ですけど、ギシキで使うものは全部鈴鐘家の人が用意したんですか?」
そこで社が疑問に思って口をはさむ。なんの儀式だか知らないが、万一怪しげな呪術の儀式を行うにしても準備がいるはずだ。実家の神社だって、やれ祭壇を整えたり、供え物を用意したりだのととにかく準備することが多くて面倒なのだ。その準備を身内だけでやるのも大変だろう。
「いえ、特に準備することもなかったようです。ただ、儀式の為に場所を開けるよう言われておりまして。日中の結婚式で使った来賓客用の椅子や祭壇……あの時はカトリックの神父様をお呼びしていたかと思います、なので十字架を掲げた祭壇なども用意してあったのですが、式が終わりレストランで食事を皆様方に振る舞っている間に撤収し、何もない状態に戻しておきました」
「わざわざそんなものまで設置して、式が終わったら片しちゃたんですか?」
驚きの声を上げたのは華ちゃんだった。「すごい、ドラマのセットみたい。それに披露宴までこのお屋敷でできちゃうなんて、まるで結婚式場じゃない」
「カトリック式の結婚式を挙げられたようですが、鈴鐘家の宗派がそうだったんですか?」
気になって社は聞いた。自分のお祈りが効かなかったのは萌音が魔女だからだとか、怪しい宗教に属していたからだのと憶測してしまったが、もしかしたら敬虔なカトリック信者だったのだろうか。ならば話は簡単だ、吹雪が止んだら神父を呼べばいい。
およそ社の出る幕ではない、けれど返されたのは、
「特にそう言うわけではないようです。今だってそうでしょう、ドレスを着たいから教会、白無垢を着たいから神社。それだけの理由のようですよ」
「はあ、そうなんですか」
それだけの理由で、城内に祭壇まで作るのは相当なものだと思うけれど。とそこまで思って社は違和感を覚えた。
「あの、レストランって前からあったんですか?」
四十八願さんから聞いた話だと、レストランはてっきり寿社長が後から作ったのだと思っていた。
「ええ、レストランというよりは、一族の皆様がお食事をとられる場所でございましたが」
「じゃあ、レストランの地下にある厨房もあったんですか?」
「今ほど広くはありません、言うならば普通の家庭にある台所を、少し広くした程度のものでした。そこを拡張したのは寿様です」
「でも、ホールの下にもあったんですよね?厨房が」
「そこは、パーティーなどを行う際に、提供する料理を作るための場所だと聞いております」
「はあ、なるほど」
金持ちの家だっただけある。
「でもそうなると、ギシキっていうのは何もない空間で行われてたってことなんですかね」
華ちゃんが首を傾げ考えるように言った。「何してたんだろ、こんな広い空間で。……舞踏会とか?」
「そんな優雅なものだったら、ひた隠ししなくてもいいような気がするけれど」
「あの、申し訳ございません、宮守様。他のお客様のお手伝いもしなければなりませんで……」
考え込み始めてしまった社らに、馬虎さんが申し訳なさそうに口を開いた。
「ああ、すみません、お忙しいところを引き留めてしまって」
「いえ、こちらこそあまりお役にたてず申し訳ございません。それに、他のお客様の警護までさせてしまうだなんて。本来は私の役目でしょうに」
「はあ、まあ。乗りかかった船ですから」
本当は嫌で仕方がないのを、社は無理やり喉の奥にねじ込んだ。
「けれどこれだけは言わせてください。佐倉様は幽霊……萌音お嬢様がなにか悪さをしているのだと仰っておりましたが、それだけはあり得ません」
寿社長が言っていた通り、どうにも萌音お嬢様を溺愛しているらしい、かつてこの城の執事であった馬虎さんは力強く言う。
「仮に万一お嬢様の仕業だとしても、お嬢様はあの三人とは特に関係がないはずです」
「湯布院さんたちですか?」
「ええ、あくまでも金雄様のお仕事関係の方々です。萌音お嬢様はまだ一六歳でした、お父様である金雄様の仕事内容などなにもご存じなかったでしょう」
「でも、単にこの城に来た部外者を排除しようとしているだけ、とかだったら?」
「ならば真っ先に宮守様に危害を与えたでしょう。まして過去を調べろだなんて依頼をするはずがない」
それもそうだ。
「まあ僕たちだってそんなことは思ってませんよ。状況的に、人間がやったことだって説明したほうが自然です」
「そうです。むしろお嬢様は被害者なのですから。早く、こんなことをする人が誰なのか特定できればいいんですけど」
この城の中にいる誰かがしでかしたことなのだ。それはそれで、気分の良いものでもなかったが。
仕事に戻る馬虎さんに別れを告げ、社らはホールへの扉を開いた。
そう提案してきたのは華ちゃんだった。お互い身軽というか、特に運ぶほどの荷物もなく時間を持て余していたところだった。
「そうだね。なんだか今回の一連の騒動、過去と関係がありそうだし」
社と華ちゃんの二人は、今はパーティー会場であったホール、かつての事故現場に向かっていた。通りすがらの黄水晶の間では、湯布院さんがガラスまみれの掛布団を馬虎さんにはたいてもらっているようだった。あれ、証拠インメツとかしてないといいんだけど。
「停電に火事騒ぎ、ドリアン騒動も十年前に起こってるんだろ?」
「停電と火事は分かるけど、ドリアン騒動ってどういうことなんだろ」
普通、ドリアンなんてそうそうそこらには転がっていない。それが事故現場前に落ちていたという。
「聞いてみよっか?ちょうどそこに馬虎さんがいるし」
どうにもガラス片が繊維内に入り込んでしまったのか、布団が使えなくなった湯布院さんが怒鳴っていてうるさい。馬虎さんはそれに動じず、自分の部屋である瑠璃の間から布団を出して湯布院さんに渡していた。いくらここの従業員だからってあんまりかわいそうだな、と思っていたら、その馬虎さんと目が合った。
「大変ですね。湯布院さん、自分でシャンデリア落としたくせに」
そう決めかかるのは華ちゃんだ
「ええ、まあ……いえ、実際何があったのかはまだわかりませんし」
一方馬虎さんは大人だ。あいまいに誤魔化して微笑んだ。
「馬虎さん、お忙しいところ申し訳ないんですが、一つ教えて欲しいことがあるんですけど」
同じくあいまいな微笑みを浮かべて社は聞いた。
「あの、ドリアンなんですけど」
「ドリアン?ああ、犬尾様のお部屋にあったものは臭って仕方がないので、一度ホール下の厨房に戻しておきましたが」
「いえ、今回のではなくて、十年前の」
「十年前?」
「はい。なんでも、あの事故の時にも、ドリアンでなにか騒ぎがあったとか」
「ああ、そういえば」
「どんな騒ぎだったんですか?」
「騒ぎというほどのことではないかと思います。その、ちょうどこの瑠璃の間の前あたりですかね、そこにドリアンが落ちておりまして」
「はあ、廊下にドリアンが……ですか?」
「おそらく、この城の従業員の誰かが撤収の際に落としただけなのだと思います。ただ落ちていたのを見つけたのが、例の事故が起こった際で……」
「あの、天井が落下してきたときですか?」
「ええ。その日の日中婚礼の儀が行われ、夕方一度パーティーは解散となりました。その後帰れなくなったお客さま方をお部屋にご案内した際にはそんなものはなかった」
記憶の底をさらうかのように、馬虎さんは深く目を瞑っている。
「だからその後、パーティー会場の撤収を行っていた際に落ちてしまったのだと思われます。そのまま誰にも気が付かれず、明け方事故が起こった。そして、それは大きな音に驚いて駆けつけた湯布院様らによって発見されまして」
だからかつての招待客らは妙に怯えていたのかもしれない。次は天井が落ちてくるような、そんな凄惨な事故が起こるのかもしれないと予感を抱いたのではなかろうか。現に湯布院さんの部屋では、天井に張られた鏡でこそないものの、シャンデリアが落ちている。
「じゃあ別に、それの臭いでやれガス騒ぎだのなんだのがあったわけじゃないんですね」
「ええ、まあ。幸いというか、残されたお客さま方は大浴場側のお部屋にお泊り頂きましたから、そこまで臭いが届かなかったのかもしれません」
「ああ、夜中に身内だけで何かしてたんでしたっけ、そこのホールで」
そう言って華ちゃんがすぐそばの大きな扉を指さした。
「馬虎さんは、そこで何が行われているのかは知らないんですよね?」
「一族のものしか、入ることは出来ませんから」
「その儀式ですけど、ギシキで使うものは全部鈴鐘家の人が用意したんですか?」
そこで社が疑問に思って口をはさむ。なんの儀式だか知らないが、万一怪しげな呪術の儀式を行うにしても準備がいるはずだ。実家の神社だって、やれ祭壇を整えたり、供え物を用意したりだのととにかく準備することが多くて面倒なのだ。その準備を身内だけでやるのも大変だろう。
「いえ、特に準備することもなかったようです。ただ、儀式の為に場所を開けるよう言われておりまして。日中の結婚式で使った来賓客用の椅子や祭壇……あの時はカトリックの神父様をお呼びしていたかと思います、なので十字架を掲げた祭壇なども用意してあったのですが、式が終わりレストランで食事を皆様方に振る舞っている間に撤収し、何もない状態に戻しておきました」
「わざわざそんなものまで設置して、式が終わったら片しちゃたんですか?」
驚きの声を上げたのは華ちゃんだった。「すごい、ドラマのセットみたい。それに披露宴までこのお屋敷でできちゃうなんて、まるで結婚式場じゃない」
「カトリック式の結婚式を挙げられたようですが、鈴鐘家の宗派がそうだったんですか?」
気になって社は聞いた。自分のお祈りが効かなかったのは萌音が魔女だからだとか、怪しい宗教に属していたからだのと憶測してしまったが、もしかしたら敬虔なカトリック信者だったのだろうか。ならば話は簡単だ、吹雪が止んだら神父を呼べばいい。
およそ社の出る幕ではない、けれど返されたのは、
「特にそう言うわけではないようです。今だってそうでしょう、ドレスを着たいから教会、白無垢を着たいから神社。それだけの理由のようですよ」
「はあ、そうなんですか」
それだけの理由で、城内に祭壇まで作るのは相当なものだと思うけれど。とそこまで思って社は違和感を覚えた。
「あの、レストランって前からあったんですか?」
四十八願さんから聞いた話だと、レストランはてっきり寿社長が後から作ったのだと思っていた。
「ええ、レストランというよりは、一族の皆様がお食事をとられる場所でございましたが」
「じゃあ、レストランの地下にある厨房もあったんですか?」
「今ほど広くはありません、言うならば普通の家庭にある台所を、少し広くした程度のものでした。そこを拡張したのは寿様です」
「でも、ホールの下にもあったんですよね?厨房が」
「そこは、パーティーなどを行う際に、提供する料理を作るための場所だと聞いております」
「はあ、なるほど」
金持ちの家だっただけある。
「でもそうなると、ギシキっていうのは何もない空間で行われてたってことなんですかね」
華ちゃんが首を傾げ考えるように言った。「何してたんだろ、こんな広い空間で。……舞踏会とか?」
「そんな優雅なものだったら、ひた隠ししなくてもいいような気がするけれど」
「あの、申し訳ございません、宮守様。他のお客様のお手伝いもしなければなりませんで……」
考え込み始めてしまった社らに、馬虎さんが申し訳なさそうに口を開いた。
「ああ、すみません、お忙しいところを引き留めてしまって」
「いえ、こちらこそあまりお役にたてず申し訳ございません。それに、他のお客様の警護までさせてしまうだなんて。本来は私の役目でしょうに」
「はあ、まあ。乗りかかった船ですから」
本当は嫌で仕方がないのを、社は無理やり喉の奥にねじ込んだ。
「けれどこれだけは言わせてください。佐倉様は幽霊……萌音お嬢様がなにか悪さをしているのだと仰っておりましたが、それだけはあり得ません」
寿社長が言っていた通り、どうにも萌音お嬢様を溺愛しているらしい、かつてこの城の執事であった馬虎さんは力強く言う。
「仮に万一お嬢様の仕業だとしても、お嬢様はあの三人とは特に関係がないはずです」
「湯布院さんたちですか?」
「ええ、あくまでも金雄様のお仕事関係の方々です。萌音お嬢様はまだ一六歳でした、お父様である金雄様の仕事内容などなにもご存じなかったでしょう」
「でも、単にこの城に来た部外者を排除しようとしているだけ、とかだったら?」
「ならば真っ先に宮守様に危害を与えたでしょう。まして過去を調べろだなんて依頼をするはずがない」
それもそうだ。
「まあ僕たちだってそんなことは思ってませんよ。状況的に、人間がやったことだって説明したほうが自然です」
「そうです。むしろお嬢様は被害者なのですから。早く、こんなことをする人が誰なのか特定できればいいんですけど」
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