アサシンの夜明け

水月美都(Mizuki_mitu)

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終焉のアンリミテッド

アイリ②

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「君たちは能力チーム? オレは実戦チーム。レイジだ、よろしく」
「ユウリだよ、よろしくね」
「ショーゴだ、よろしく」
 レイジはじっとショーゴを見つめ、男にしては細く長い指先で首に着けてるチョーカーを触って言った。
「ショーゴはテレパスなんだ。それ、能力抑制装置なんでしょ?」
 ショーゴと歳も変わりない様に見えて、レイジは此処が長いのか色々な事を良く知っていた。
 だけど、とても実戦で闘える様には見えない。聞くと彼は拳銃の扱いに慣れていると言った。

「ユウリの能力は何なの?」
 問われて直ぐに言葉が出なくて、ショーゴが代わりに答えてくれた。
「ユウリは《癒し》の能力者だよ。一緒に組めば安心出来ると思う」

 食堂まで案内してくれると言うレイジの後に続いて歩いていると、何時の間にか人数が増えて集団になっていく。
「レイジは皆に慕われているんだね」
 僕が言うと、レイジは鼻で笑い違うと言った。
「慕われているというより代わりに《玩具》になっているから機嫌を損ねない様に必死なのさ」
「おもちゃ?」
 レイジはショーゴの問いに、彼の顔を触れて答えた。
「ショーゴ。多分君も《玩具》になると思う。オレと同じ見てくれだけは整ってるからね」

 そう言うレイジはウンザリしてるとばかりに、食堂に着くと両手を挙げて散れとばかりに振った。
 そのリアクションは王様の様で、本人は気付いて無いけど周りの人はやはり慕っているのだと思う。王様に仕える騎士達の様に。
 僕達はまだ訓練生で、ショーゴとレイジは同じ歳だと言った。《玩具》とはどんな事なんだろうと聞いたが、レイジは凄く嫌な顔をして教えてはくれなかった。
 ショーゴは確かに綺麗な子ではあるけど、何をされるのか。嫌な予感だけが膨れ上がる様な気がした。
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