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哀しい鳥は夢を見る
夢②
しおりを挟むゼンはオレと同じ実戦チームに配属されたらしい。情報通のモネが言って来た。
「アイツってば、かなりの使い手なんだってさ」
何でも、能力者でもないのに、一般人で此処に入れる人は滅多に居ないという。
『何故、此処に来たの? アンタだけは純粋なままでいて欲しかったのに……』
「まあ、僕達とは組む事は無いと思うけどね」
オレ達、実習生は決まったペアが無く、不定期に交換して任務を遂行していく。
今、オレの相棒はルイだ。結構巧くやっていて周りの評価も高いからこのまま《TK》でも通用するとの声を聞きルイは喜んでいる。
「レイジと一緒に居られて嬉しいなぁ~」
何時でもピッタリくっついて離れないルイでも、寝に帰る場所だけは分けられてる。
能力者だけは特殊なシールドの中の部屋なのだ。逃げだしたり、危害を与えない為に。
オレはルイが可愛くてならない。同じ歳でも見た目はどうみても八歳ぐらいの子供。
成長の遅いルイは早く大きくなってオレをお嫁さんにすると何時も言っている。
意味が分かって言っているのか。
今日は練習も任務も無い完全に休みの日。
オレと一緒にいる時だけ外出が許されているルイは、はしゃぎまくりだ。
「ねえ、レイジ。今日はどこに遊びに行く?」
朝から、その事ばかり言うルイに、苦笑しながら公園に行く事にした。
公園へお弁当を持って(作ったのはルイだ)二人で手を繋いで歩いて行く。
ふと視線を感じ、振り向くとゼンがオレを見ている。
途端に動悸が早くなり、息苦しくなる。
ねえ、オレを見ないで忘れてお願いだから。忘れて欲しいのに何故、記憶から出ていかないの?
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