17 / 64
キラーチルドレン
復讐②
しおりを挟む
さあ、用事は済んだ。帰ろう、アイツの居る場所に。
「ねぇ、お兄さん……」
呼ばれた男はこっちをチラリと見て視線を外す。
「お前とは、口を聞いてはいけない事になっている」
クソ真面目にそう言って後ろを向く見張りの男。
広くベッドしかない部屋の中央には柵に囲まれた、まるで鳥籠の様な小部屋に押し込まれ、プライバシーの欠片も無いこの部屋でオレは飼われたペット。
「痛いんだよ……。コレが」
オレは、手首に付けられた鎖を持ち上げジャラッと鳴らす。
「外しては、駄目だと……」
「言われてる。っていうんだろ?」
挑発する様に微笑みを浮かべ着ている単衣の着物の裾をずらし、露になった白い太股を見える様にする。
男の喉が上下するのを見て、更に甘い声を出して誘う。
「じゃあさ、外さなくても良いから。オレを抱いてよ……。ナイショにするから……」
見張りをしてる間、オレがあの男に抱かれてるのを見ていた男にはもう、限界だったのだろう。
無言で部屋に入って来て着物の衿から手を差し入れ行き当たった突起を撫で摩る。
甘い溜め息を付くオレに、更に興奮した男は夢中で裾を割り浸入して来た。
「な……ん……でだ……」
喉をかき切られて、まともに声を出す事も出来ない男の耳元に囁く。
「地獄のサタンに伝えて……。オレは、まだ逝けないって」
白い衣に鮮血が飛び散り朱に染まる着物。
男が着ていた黒いスーツに着替え、手に入れた銃の重みを愛おしげに撫でる。
鍵を開け外へと出た。
振り返ると、鳥籠の中は主を無くし寂しげに見えた。
◇◇◇
見張りの男から奪った銃はサイレンサーが付いて無かった。舌打ちをして作戦を変更する事に。
たった一人で、何人いるか分からない位の屈強な男たちから生還しなければならないのだ。
――一人づつ確実に。
着てるスーツは体に合わない。オマケに武器は拳銃一丁と見張りの男を殺ったナイフだけ。
『絶対絶命』とはこういう時に使うもんだ。
取り敢えず武器を見付けないと……
その時、女がこっちに向かって歩いて来るのが見えた。
「あら、新入りさん?」
ブロンドの髪をなびかせ彼女は微笑む。
誰かの愛人?
「ええ、新入りです。綺麗なお姉さま」
オレがニッコリと微笑む。
「丁度良いわ、退屈で死にそうだったの……」と彼女は言いながら綺麗に塗った指先をヒラヒラさせて、オレを呼ぶ。
誘う彼女の手を取りオレ達は扉の向こう側へ消えた。
「良かったわ。あなた、名前は?」
彼女はそう言ってベッドでオレの髪を梳いた。
「レイジです。貴女も良かったです」
彼女の手を取りくちづける。彼女は笑って耳元で囁いた。
「あなた、ここの人間じゃ無いわね? ねぇ、わたしと組まない? そしたら黙っててあげる」
「じゃ、頑張ってね。レイジ」
彼女はオレにキスを落とし見送る。オレは彼女に変装し微笑んだ。
――さあ、殺人ショーの始まりだ。
「ねぇ、お兄さん……」
呼ばれた男はこっちをチラリと見て視線を外す。
「お前とは、口を聞いてはいけない事になっている」
クソ真面目にそう言って後ろを向く見張りの男。
広くベッドしかない部屋の中央には柵に囲まれた、まるで鳥籠の様な小部屋に押し込まれ、プライバシーの欠片も無いこの部屋でオレは飼われたペット。
「痛いんだよ……。コレが」
オレは、手首に付けられた鎖を持ち上げジャラッと鳴らす。
「外しては、駄目だと……」
「言われてる。っていうんだろ?」
挑発する様に微笑みを浮かべ着ている単衣の着物の裾をずらし、露になった白い太股を見える様にする。
男の喉が上下するのを見て、更に甘い声を出して誘う。
「じゃあさ、外さなくても良いから。オレを抱いてよ……。ナイショにするから……」
見張りをしてる間、オレがあの男に抱かれてるのを見ていた男にはもう、限界だったのだろう。
無言で部屋に入って来て着物の衿から手を差し入れ行き当たった突起を撫で摩る。
甘い溜め息を付くオレに、更に興奮した男は夢中で裾を割り浸入して来た。
「な……ん……でだ……」
喉をかき切られて、まともに声を出す事も出来ない男の耳元に囁く。
「地獄のサタンに伝えて……。オレは、まだ逝けないって」
白い衣に鮮血が飛び散り朱に染まる着物。
男が着ていた黒いスーツに着替え、手に入れた銃の重みを愛おしげに撫でる。
鍵を開け外へと出た。
振り返ると、鳥籠の中は主を無くし寂しげに見えた。
◇◇◇
見張りの男から奪った銃はサイレンサーが付いて無かった。舌打ちをして作戦を変更する事に。
たった一人で、何人いるか分からない位の屈強な男たちから生還しなければならないのだ。
――一人づつ確実に。
着てるスーツは体に合わない。オマケに武器は拳銃一丁と見張りの男を殺ったナイフだけ。
『絶対絶命』とはこういう時に使うもんだ。
取り敢えず武器を見付けないと……
その時、女がこっちに向かって歩いて来るのが見えた。
「あら、新入りさん?」
ブロンドの髪をなびかせ彼女は微笑む。
誰かの愛人?
「ええ、新入りです。綺麗なお姉さま」
オレがニッコリと微笑む。
「丁度良いわ、退屈で死にそうだったの……」と彼女は言いながら綺麗に塗った指先をヒラヒラさせて、オレを呼ぶ。
誘う彼女の手を取りオレ達は扉の向こう側へ消えた。
「良かったわ。あなた、名前は?」
彼女はそう言ってベッドでオレの髪を梳いた。
「レイジです。貴女も良かったです」
彼女の手を取りくちづける。彼女は笑って耳元で囁いた。
「あなた、ここの人間じゃ無いわね? ねぇ、わたしと組まない? そしたら黙っててあげる」
「じゃ、頑張ってね。レイジ」
彼女はオレにキスを落とし見送る。オレは彼女に変装し微笑んだ。
――さあ、殺人ショーの始まりだ。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
組長と俺の話
性癖詰め込みおばけ
BL
その名の通り、組長と主人公の話
え、主人公のキャラ変が激しい?誤字がある?
( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ )それはホントにごめんなさい
1日1話かけたらいいな〜(他人事)
面白かったら、是非コメントをお願いします!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【BL】記憶のカケラ
樺純
BL
あらすじ
とある事故により記憶の一部を失ってしまったキイチ。キイチはその事故以来、海辺である男性の後ろ姿を追いかける夢を毎日見るようになり、その男性の顔が見えそうになるといつもその夢から覚めるため、その相手が誰なのか気になりはじめる。
そんなキイチはいつからか惹かれている幼なじみのタカラの家に転がり込み、居候生活を送っているがタカラと幼なじみという関係を壊すのが怖くて告白出来ずにいた。そんな時、毎日見る夢に出てくるあの後ろ姿を街中で見つける。キイチはその人と会えば何故、あの夢を毎日見るのかその理由が分かるかもしれないとその後ろ姿に夢中になるが、結果としてそのキイチのその行動がタカラの心を締め付け過去の傷痕を抉る事となる。
キイチが忘れてしまった記憶とは?
タカラの抱える過去の傷痕とは?
散らばった記憶のカケラが1つになった時…真実が明かされる。
キイチ(男)
中二の時に事故に遭い記憶の一部を失う。幼なじみであり片想いの相手であるタカラの家に居候している。同じ男であることや幼なじみという関係を壊すのが怖く、タカラに告白出来ずにいるがタカラには過保護で尽くしている。
タカラ(男)
過去の出来事が忘れられないままキイチを自分の家に居候させている。タカラの心には過去の出来事により出来てしまった傷痕があり、その傷痕を癒すことができないまま自分の想いに蓋をしキイチと暮らしている。
ノイル(男)
キイチとタカラの幼なじみ。幼なじみ、男女7人組の年長者として2人を落ち着いた目で見守っている。キイチの働くカフェのオーナーでもあり、良き助言者でもあり、ノイルの行動により2人に大きな変化が訪れるキッカケとなる。
ミズキ(男)
幼なじみ7人組の1人でもありタカラの親友でもある。タカラと同じ職場に勤めていて会社ではタカラの執事くんと呼ばれるほどタカラに甘いが、恋人であるヒノハが1番大切なのでここぞと言う時は恋人を優先する。
ユウリ(女)
幼なじみ7人組の1人。ノイルの経営するカフェで一緒に働いていてノイルの彼女。
ヒノハ(女)
幼なじみ7人組の1人。ミズキの彼女。ミズキのことが大好きで冗談半分でタカラにライバル心を抱いてるというネタで場を和ませる。
リヒト(男)
幼なじみ7人組の1人。冷静な目で幼なじみ達が恋人になっていく様子を見守ってきた。
謎の男性
街でキイチが見かけた毎日夢に出てくる後ろ姿にそっくりな男。
SHADOW
Ak!La
ファンタジー
神の大陸”アフェル・アルス“。そこには様々な力を持つ人々が暮らしていた。
”守護者”と呼ばれる能力者たちが繰り広げる、現代風ファンタジー。
※毎週水曜日更新予定
※Pixivでも同時公開中。
https://www.pixiv.net/novel/series/11213038
※FANBOXにて最新一話先行掲載中。
https://oji-akila1275.fanbox.cc/
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる