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キラーチルドレン
復讐①
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奴はドコだ? ――ヤツを必ず殺す。コロシてやる。
「何て格好だよ。ねぇ、死んで無いよね? 駄目だよ、死んじゃ。オレが……」
手足を鎖で繋がれて大分暴行を受けたのだろう。最早、元の整った顔立ちも無惨に崩れ、今にも死んでしまう様に見える。
「うう……た、助け……」
まともに声さえ、出せない程に衰弱しきっている。オレは拳銃を奴のこめかみに当て、安全装置のロックを外す。
「ホント良い格好。可哀想に……。いま、楽にしてあげる」
額が割れて血が流れている所を、オレは舌で舐めとり、ニッコリと微笑み別れの言葉を言った。
「さよなら、キール」
静まり返った部屋に砲撃の音と硝煙の匂いだけが残った。
「俺のモノになれ……」
オレを抱きながら男は言う。決して声を出すまいと唇を噛み締め、ひたすら口内の血を味わう自分がいる。
段々と意識が遠のいて行く中で、ただ一人の名を呼ぶ。
忘れられないアイツの名を。
あの後、耐えがたい時間のあと殺されると思っていた。
でも殺されずに、こうやって何度でもやって来てはオレを抱き所有したがる。
「何で? そんなにオレはヨカッタの?」
挑発する様に喋笑して誘う。男をオレの虜にする為に。
生き延びる為に。
「良いよ。だけど、お願いが有るんだけど」
男の耳元で囁くように言う。
「オレを売った奴はドコ? 奴をオレにコロさせて。そしたらオレは、アンタのモノになるよ」
拳銃を放り投げ、オレは部屋から出た。
「お前の名は?」
男=ターゲットが外で待っていて聞いた。
「レイジ」
名前を告げると男はオレの唇を塞ぎ、俺のモノだと言う。
「分かってるよ……」
何故、名前を問われて名乗ったのか。どうせ、抹殺する相手なのに。
「何て格好だよ。ねぇ、死んで無いよね? 駄目だよ、死んじゃ。オレが……」
手足を鎖で繋がれて大分暴行を受けたのだろう。最早、元の整った顔立ちも無惨に崩れ、今にも死んでしまう様に見える。
「うう……た、助け……」
まともに声さえ、出せない程に衰弱しきっている。オレは拳銃を奴のこめかみに当て、安全装置のロックを外す。
「ホント良い格好。可哀想に……。いま、楽にしてあげる」
額が割れて血が流れている所を、オレは舌で舐めとり、ニッコリと微笑み別れの言葉を言った。
「さよなら、キール」
静まり返った部屋に砲撃の音と硝煙の匂いだけが残った。
「俺のモノになれ……」
オレを抱きながら男は言う。決して声を出すまいと唇を噛み締め、ひたすら口内の血を味わう自分がいる。
段々と意識が遠のいて行く中で、ただ一人の名を呼ぶ。
忘れられないアイツの名を。
あの後、耐えがたい時間のあと殺されると思っていた。
でも殺されずに、こうやって何度でもやって来てはオレを抱き所有したがる。
「何で? そんなにオレはヨカッタの?」
挑発する様に喋笑して誘う。男をオレの虜にする為に。
生き延びる為に。
「良いよ。だけど、お願いが有るんだけど」
男の耳元で囁くように言う。
「オレを売った奴はドコ? 奴をオレにコロさせて。そしたらオレは、アンタのモノになるよ」
拳銃を放り投げ、オレは部屋から出た。
「お前の名は?」
男=ターゲットが外で待っていて聞いた。
「レイジ」
名前を告げると男はオレの唇を塞ぎ、俺のモノだと言う。
「分かってるよ……」
何故、名前を問われて名乗ったのか。どうせ、抹殺する相手なのに。
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