16 / 64
キラーチルドレン
復讐①
しおりを挟む
奴はドコだ? ――ヤツを必ず殺す。コロシてやる。
「何て格好だよ。ねぇ、死んで無いよね? 駄目だよ、死んじゃ。オレが……」
手足を鎖で繋がれて大分暴行を受けたのだろう。最早、元の整った顔立ちも無惨に崩れ、今にも死んでしまう様に見える。
「うう……た、助け……」
まともに声さえ、出せない程に衰弱しきっている。オレは拳銃を奴のこめかみに当て、安全装置のロックを外す。
「ホント良い格好。可哀想に……。いま、楽にしてあげる」
額が割れて血が流れている所を、オレは舌で舐めとり、ニッコリと微笑み別れの言葉を言った。
「さよなら、キール」
静まり返った部屋に砲撃の音と硝煙の匂いだけが残った。
「俺のモノになれ……」
オレを抱きながら男は言う。決して声を出すまいと唇を噛み締め、ひたすら口内の血を味わう自分がいる。
段々と意識が遠のいて行く中で、ただ一人の名を呼ぶ。
忘れられないアイツの名を。
あの後、耐えがたい時間のあと殺されると思っていた。
でも殺されずに、こうやって何度でもやって来てはオレを抱き所有したがる。
「何で? そんなにオレはヨカッタの?」
挑発する様に喋笑して誘う。男をオレの虜にする為に。
生き延びる為に。
「良いよ。だけど、お願いが有るんだけど」
男の耳元で囁くように言う。
「オレを売った奴はドコ? 奴をオレにコロさせて。そしたらオレは、アンタのモノになるよ」
拳銃を放り投げ、オレは部屋から出た。
「お前の名は?」
男=ターゲットが外で待っていて聞いた。
「レイジ」
名前を告げると男はオレの唇を塞ぎ、俺のモノだと言う。
「分かってるよ……」
何故、名前を問われて名乗ったのか。どうせ、抹殺する相手なのに。
「何て格好だよ。ねぇ、死んで無いよね? 駄目だよ、死んじゃ。オレが……」
手足を鎖で繋がれて大分暴行を受けたのだろう。最早、元の整った顔立ちも無惨に崩れ、今にも死んでしまう様に見える。
「うう……た、助け……」
まともに声さえ、出せない程に衰弱しきっている。オレは拳銃を奴のこめかみに当て、安全装置のロックを外す。
「ホント良い格好。可哀想に……。いま、楽にしてあげる」
額が割れて血が流れている所を、オレは舌で舐めとり、ニッコリと微笑み別れの言葉を言った。
「さよなら、キール」
静まり返った部屋に砲撃の音と硝煙の匂いだけが残った。
「俺のモノになれ……」
オレを抱きながら男は言う。決して声を出すまいと唇を噛み締め、ひたすら口内の血を味わう自分がいる。
段々と意識が遠のいて行く中で、ただ一人の名を呼ぶ。
忘れられないアイツの名を。
あの後、耐えがたい時間のあと殺されると思っていた。
でも殺されずに、こうやって何度でもやって来てはオレを抱き所有したがる。
「何で? そんなにオレはヨカッタの?」
挑発する様に喋笑して誘う。男をオレの虜にする為に。
生き延びる為に。
「良いよ。だけど、お願いが有るんだけど」
男の耳元で囁くように言う。
「オレを売った奴はドコ? 奴をオレにコロさせて。そしたらオレは、アンタのモノになるよ」
拳銃を放り投げ、オレは部屋から出た。
「お前の名は?」
男=ターゲットが外で待っていて聞いた。
「レイジ」
名前を告げると男はオレの唇を塞ぎ、俺のモノだと言う。
「分かってるよ……」
何故、名前を問われて名乗ったのか。どうせ、抹殺する相手なのに。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
組長と俺の話
性癖詰め込みおばけ
BL
その名の通り、組長と主人公の話
え、主人公のキャラ変が激しい?誤字がある?
( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ )それはホントにごめんなさい
1日1話かけたらいいな〜(他人事)
面白かったら、是非コメントをお願いします!
あなたの隣で初めての恋を知る
ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる