双子の弟に身長がとどかない‼︎

くっちー

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言った。
ついに言っちゃった。

「それで、お前に失恋したから。悲しくて泣いてた。びっくりさせてごめん。でも…お前には幸せになって欲しいから!だから彼女とのこと、応援してる!だからこれからも…その…兄弟で、いてくれないかな?」

亜紀兎はどんな顔してるだろう?怖くて見れない。
吹っ切れたはずなのに、また涙が溢れそうで、前を向けない。

「兄さん…」

しばらくして亜紀兎が話し出した。

「ごめん、兄さん、それには答えらんない。」

「え。」

答えは、思ってたのと違った。亜紀兎なら、もちろんって、いいよって、これからも兄弟として接してくれると思ってた。

(でも、しょうがないだろ、紀利兎。それでも告白するって決めたんだから!でもこれは……なんていうか……悲しすぎるよ…)

亜紀兎ともう兄弟ではいられない。前みたいに喧嘩したり、でもまた仲直りして遊んだり、そういうこともできなくなるんだ…。そう思った瞬間、さっきまで止めてた涙が、再び溢れ出す。

「…っ、ぐすっ…はっあはっ…ぐすっ」

はやく泣き止まないと!もっと亜紀兎に嫌われる!でも…もう…むりだ

「!!!?え!?あ、ごめ!そんなつもりで言ってな…ちょっ、あ!どうしたら……そうだ!」

もぞもぞ

「⁉︎なっ!ちょ!やめ…」

「ぎゅッ」



「////%~#¥-*~⁉️」

「静かに!誰が兄さんをフったなんて言った?」

「€%#/@⁉️」

「僕一言も、告白ok したなんて言ってないよね?」

「…っはあ、はあ、でも❗️」

「まだ気づかないの?」

「????」

「はあ、だ~か~ら~‼︎俺は今誰とも付き合ってないって言ってんの!」

「え!?じゃ、じゃあなんで!お、俺と兄弟やめる…って!」

「このばか真面目のばか正直の鈍感やろう!もう!」

そう言って亜紀兎は、顔を真っ赤にしてふてくされてしまった。そして何かを決心して振り向くと、

『だから…!僕も兄さんが好きって言ってんの‼︎兄弟として接しないって言ったのは、恋愛感情だったから‼︎』

「…………………………………え……ええええええええええええええ!!!?」

「っもう!声うるさい!外聞こえちゃうでしょっ。」

「ご、ごめん」

「いいよ。」

「もう怒ってない?」

「うん。兄さん…」

「何?」

「小学生の時、鶏舎でこうしてくれたよね?…ほら…僕たちが閉じ込められて、トイレ失敗して泣いてる時。」

「ああ、そうだったな。」

「あの時のこと、今でも覚えてるよ?…嬉しかった…結局夜まで助けが来なくって、寒いからって、僕汚れてるのに、兄さんの上着被せて、抱きしめてくれたよね。」

「そんなこともあったな。……俺その時、実は心細かった。でもお前がいてくれたから、安心した。今もそう。お前がいてよかった。」

「僕も。紀利兎がいてよかった。」

窓から差し込む光。涼しい風に、隣には俺の大好きな人。
その人は俺の双子の弟で、今日から恋人。

これは、俺とコイツの、甘酸っぱくて複雑な、二人しか知らない恋物語。




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