たかちゃんは俺のもの

七嶋璃

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たかちゃんは俺のもの

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「ねえ、今日ちょっと付き合ってよ」
美凛みりの小さな手が俺の二の腕をつかむ。
「木曜はだめって言ったろ」
「いいじゃん、行けないって言えば。近所の大学生に勉強教えてもらうだけでしょ」
「だめ」
美凛を無視して駅へと向かう。美凛は俺のブレザーの裾をつかんで付いてくる。
「待って。歩くの早い」
ここで騒がれるのもめんどくさいので歩くスピードをゆるめる。
「どうしてもだめ?」
「だめ」
美凛は小さな頬をぷっとふくらませて不満をあらわしているが、授業やバイトで忙しいたかちゃんになんとか作ってもらっている時間だ。無駄にはできない。
美凛を引き離すように別れて、急いで家に帰る。
シャワーを浴びて、内壁なかを綺麗にする。なかを綺麗にするのはたかちゃんに会う前のルーティン化している。
絶対にあるわけないと思いながらも、たかちゃんが触ってくれたらいいという邪な期待もあり習慣化してしまった。それにたかちゃんに会ったあと、どうせ自分でするんだし無駄にはならない。
トートバッグに勉強道具を突っ込み、母親に一声かける。たかちゃんが好きなエンゼルパイの期間限定を持たされて家を出る。そのまますぐ左隣のインターホンを押す。
たかちゃんが玄関のドアを開けてくれて、無言で招き入れられる。
たかちゃんの部屋には、勉強会のときにほかの部屋から持ってくるローテーブルが既に広げられている。
ローテーブルの上に、俺は塾の数学の課題を、たかちゃんはノートパソコンを開いて、多分レポートを書いている。
毎週木曜日に勉強会をする。この決まりは去年、たかちゃんが受験生だったころから続いている。たかちゃんの受験追い込みの時期は休止したが、たかちゃんが無事第一志望の大学に合格し、俺が受験生になってから、再び再開した。
俺は塾に通ってるし勉強を教える必要はないというたかちゃんに、さぼらないように勉強時間が増えるように勉強会を一緒にしてくれとなんとか頼み込んで一緒に勉強してもらっている。それにたかちゃんは家庭教師のバイトをしていて、俺に教えるのも勉強になるらしい。
俺が珍しく集中していると、パソコンの隣にあるたかちゃんのスマホが震えた。ロック画面にメッセージが表示される。
見るのはよくないとわかっていても、どうしても目が行ってしまう。
俺が見るよりも早くたかちゃんはスマホを取り、メッセージを確認した。たかちゃんは表情を変えないまま、しばらく考えて返信を打ち込んだ。
すぐにスマホが震えメッセージが返ってくる。
たかちゃんはまたしばらく考えて返信する。表情は相変わらずだがかすかに困惑しているような気もする。
間髪入れずにメッセージが返ってくる。
「例の女の子?」
「うーん」スマホから目を離さないまま、返事をするような唸るような声でたかちゃんは答える。「ちょっと不安になってるみたい」
「そんな難しそうな子、なんで一年生のたかちゃんが担当してるんだよ。もっと経験積んだやつが担当すればいいだろ」
「いいから勉強しろよ」
それからしばらくメッセージのやり取りをしていたたかちゃんは「ちょっと電話してくる」と言って部屋を出て行ってしまった。
電話の相手はたかちゃんが家庭教師をしている女の子だ。俺と同い年らしいが高校には通っておらず、高卒認定試験を目指して勉強しているらしい。
正直、勉強以外のことまでケアしなくてもいいと思うが、たかちゃんは冷たそうに見えて実は面倒見がいい。それは俺がよく知っている。
めちゃくちゃもやもやするが、たかちゃんに言ってもたしなめられるだけなので黙ってみているしかない。
俺は後ろにあるベッドに寄りかかり、スマホをチェックする。来ていたメッセージに返信する。どれもこれも他愛のないものばかりだ。でもそのどうでもいい内容に少し気持ちが楽になる。
結局たかちゃんは10分くらいして戻ってきた。ついじっと見てしまった俺を、たかちゃんは軽く小突いた。何も言うなということだ。
その後は、あまり集中できなかったが勉強して、エンゼルパイを食べて19時ころには解散した。

**

次の週の木曜日、たかちゃん家に行くとしばらく間があって、玄関のドアが開いた。
たかちゃんはスマホを耳に当てて低い声で相槌を打っている。身振りで部屋に行けと示されて、大人しくたかちゃんの部屋に入る。
ローテーブルに勉強道具を広げてみるがなかなか手につかない。なんとなくスマホを触っていると、15分ほどたってたかちゃんが戻ってきた。
「たかちゃんさあ……」
「わかってるよ」
たかちゃんは有無をいわせぬ口調で言うと、ノートパソコンを立ち上げた。
ただたかちゃんがキーボードを静かに叩く音だけが聞こえる。俺は釈然としないまま数学の問題を解いた。
小一時間ほど経ち、たかちゃんが淹れてくれたコーヒーとお菓子で休憩する。
どうでもいいことを話しているうちに、ふと奇妙な沈黙が訪れる。
「あのさ、ハル」たかちゃんが言う。声が固い。嫌な予感がする。「俺が受け持ってる子と少し話をしてくれないか」
「な、んで俺が」
「彼女、同年代の友達がいなくて、同じ受験生同士いいかなと思ったんだけど」
「くくりが雑すぎる。全然知らない、学校も行ってない子になに話せっていうんだよ」
「なんでもいいんだよ。SNSでゆるくつながった感じでさ」
「知らねー」俺はローテーブルに突っ伏した。
たかちゃんの頼みは聞いてあげたいけど、正直たかちゃんが手をかけている女子だと思うとやりきれない。
「頼むよ、ハル」顔を見なくても今たかちゃんがどんな顔をしているかよくわかる。
「でも知らないよ。俺、ひどいこと言うかも」顔を伏せたままもごもごと言う。
「ハルはそんなこと言わないよ」
テーブルにのった俺の頭を、たかちゃんの手がかきまわす。たかちゃんは俺のことを昔のままだと思っている。俺がどんなふうにたかちゃんのことを想っているかもしらないで。
「でも向こうの子がいいって言ったらいいよ」俺は顔をあげて言った。結局は断れないんだ。
「ありがとう、ハル」たかちゃんが笑って言う。たかちゃんにお礼を言われるんならなんだっていいや。
「そろそろ再開するか。ハル、ちゃんと勉強しとけよ」
たかちゃんはそう言うと空になったマグカップをトレイにのせて部屋を出て行った。

**
また次の木曜日、いつものようにたかちゃんの部屋に来た。
勉強をはじめていくらもたたないうちに、たかちゃんのスマホが震えた。止まらず震え続けている。メッセージじゃなくて通話だ。
たかちゃんは少し眉根を寄せて電話に出た。
「どうした」たかちゃんはそう言うと、部屋を出て行ってしまった。
しばらく経っても戻ってこないのでそっとドアを開ける。何を話しているかはわからないが、リビングでたかちゃんが話している低い声が途切れ途切れに聞こえる。
まだ戻ってきそうもない。音をたてないようにそっとドアを閉める。勉強しようとするが手につかないし、嫌な考えが次々と頭をもたげてくる。絶対たかちゃんのこと好きだよな、本当はもう付き合ってるんじゃないか、とか。
その考えを振り払うように俺はたかちゃんのベッドにダイブした。
たかちゃんのにおいがする掛け布団を抱きしめる。気持ちが落ち着くと同時に下半身に血が集まってくる。ちょっとまずいかも。
そう思っているとたかちゃんがようやく戻て来た。
「何やってんだよ、ハル。勉強しろよ」ベッドに寝転がっている俺を見てあきれたように言う。
「たかちゃん遅いよ」
「ん、ああ、まあ、ちょっと」
「その子ほんとはたかちゃんに構ってもらいたいだけなんじゃないの」
「そんなことないよ。ちょっと不安になりがちなだけだよ」
「たかちゃんはただの家庭教師かてきょでしょ。そんなに面倒見る必要ないじゃん」
「まあ、そうなんだけど、でもさ」
「なに、たかちゃん、その子のこと好きなの」
「違うよ。どうしたんだよ、ハル」
たかちゃんはベッドに腰を下ろすと、俺の背中をぽんぽんと叩いた。
たかちゃんは昔のまますねた子どもをなだめればいいと思っている。でもそうじゃない。
「たかちゃんはさ、なんにもわかってないよ。俺はたかちゃんのことが好きなんだよ」
「俺もハルのこと好きだよ」たかちゃんはきょとんとした顔で目をしばたかせたあとに、苦笑して言った。
違う。
俺とたかちゃんの好きの種類は全然違う。たかちゃんは俺の頭の中で自分がどういう目に合わされているか、もちろんだが全然知らない。
そしてそのうち、俺が考えているようなことを、俺の知らない女の子とするのだろう。そんなことは耐えられない。
放っておいても壊れてしまうものならば、今、この手で壊してしまったほうがいい。
俺は背中に置かれたたかちゃんの手を掴んだ。
「どうした、ハル」
起き上がるのと同時に、いぶかしげなたかちゃんを引き寄せる。たかちゃんの唇にキスをした。
驚きで固まっているたかちゃんを抱きしめる。舌を差し入れようとしたところで我に返ったたかちゃんが、俺を押し返した。
「ハル、お前、なにやってる」
「キスしたんだよ。たかちゃんが好きだから」
「……」たかちゃんは何も言わなかった。怒っているような、でも泣きそうな俺が見たことない顔をしている。
「俺が言ってる好きはね、セックスしたいっていう意味の好きだよ」
たかちゃんの耳が赤くなる。その耳の縁をなぞるように触る。たかちゃんはびくりと体を震わせたが逃げなかった。
「俺はさ、たかちゃんも俺のことを好きになって、してくれないかなって思ってたよ。ずっとこうしたかった」
たかちゃんを抱き寄せてもう一度キスをする。たかちゃんは拒絶することもなかったが受け入れている感じもなかった。感情がどこかに行ってしまったみたいに反応がなかった。
「嫌なら逃げてよ。それとも怖くて逃げられない?」
「……ハルは怖くないよ」
たかちゃんはどうして逃げないんだろう。もう後戻りはできない。
「たかちゃん、いやだったら言って、やめるから」たかちゃんの股間にそっと触れ、そっと揉む。
「やだ。恥ずかしい」
「恥ずかしいだけだったら俺やめらんないよ。ちゃんと嫌いだって、気持ち悪いって言ってよ」
「うぅ」
たかちゃんは何も言わずただ呻いた。俺はたかちゃんの股間を擦るスピードを上げた。
「早く言ってよ。脱がせちゃうよ」
「そんなの、わかんないよ」
泣きそうな声でたかちゃんが言う。たかちゃんのズボンは既にはち切れんばかりに盛り上がっている。
俺はたかちゃんのベルトをゆるめてズボンを脱がそうとしたけど、脱がせることはできなかった。
「たかちゃん、腰上げて。脱がないと服汚れちゃうよ」
たかちゃんは真っ赤な顔をして固まっている。その顔がかわいくてキスをする。
ふっとたかちゃんの力が抜け、その隙にズボンを引き抜く。
すっかり大きくなったたかちゃんのちんぽがぶるんと勢いよく飛び出る。触っていたときから思っていたのだが、想像以上に大きい。太いというより長い。
「たかちゃんのちんぽ長いね」
俺はちんぽに顔を寄せて、ふっと息を吹きかける。
「たかちゃん、いやだって言わないとちんぽ食べられちゃうよ」
「いやだ、汚いからやめて」
「さっきも言ったよね、それじゃやめられないって。ちゃんと俺のこと、嫌いだって、きもいって言ってよ」
「……ハルのことは嫌いじゃないから言えない」
「こんなことされても」
俺はたかちゃんのちんぽを一気に咥えこんだ。たかちゃんのちんぽは長くて全部口に入らなかったができるだけたくさん入るように頑張ってぐっと顔を押し付ける。
「ああ、あああああ」
たかちゃんが、聞いたことのない声をあげる。
たかちゃんはたぶん女性経験もないし、オナニーだって手でこするだけだろうから、今まで経験したことのない感覚だろう。
唾液を絡め顔を上下に動かす。じゅるじゅるとわざと音を立てるように吸い上げる。
たかちゃんを確認すると、両腕で顔を隠して小刻みに震えている。ふうふうと口からは荒い息が漏れている。
鈴口をちろちろと刺激し、裏筋を舐め上げているうちに、たかちゃんのちんぽがぐっと大きくなった。出るな、と思った瞬間、
「あ、やばい、出る」
たかちゃんが俺の口からちんぽを引き抜いた。俺の口から出ると同時に、たかちゃんの精液が迸る。
「うう、ああ」たかちゃんは体を震わせながら大量の精液を俺の顔に浴びせかけた。
ほぼ毎日オナニーしている俺のと違って、とろりと濃く量が多い。嗅ぎなれたにおいのはずなのに、たかちゃんのだと思うとものすごくいやらしく感じる。
「ごめん」
たかちゃんがティッシュで慌てて俺の顔をぬぐう。
「口に出してよかったのに。俺、たかちゃんのだったら全然飲めるよ」
俺の顔をふいていたたかちゃんの手が止まる。
「たかちゃん、今の状況ちゃんとわかってんの」
たかちゃんは黙ったまま下を向いてしまう。
「好きでもない男にいいようにされてさ」
「……ハルのことは嫌いじゃない」
「こんなことされるのはいやじゃないの」
「それは……わかんない。考えたこともなかった。だいたいハルが俺のことを好きっていうのもよくわからない」
「俺はたかちゃんが好きでセックスしたいんだよ。俺は美凛のことも好きだけど、セックスしたいって思ったことはないよ。たかちゃんの好きは特別なんだよ」
たかちゃんは顔を真っ赤にしてまた黙り込む。俺はすくい上げるようにたかちゃんにキスした。
たかちゃんにキスをしながら、たかちゃんのちんぽをそっと触る。手を動かしていないのにどんどん血が集まってくるのがわかる。
「こんな自分の精液まみれの男にキスされて、たかちゃんいやじゃないの」
たかちゃんは何か言いたげだったけど、結局何も言わなかった。
「シャツ汚れちゃったね。する前に脱がせとけばよかったね」
言いながら、俺はたかちゃんのシャツのボタンを上からはずしていく。
「え、なにして」
「なにって、たかちゃんを脱がせてるんだよ。着たままだと汚れちゃうでしょ。俺たち今からセックスするんだよ。たかちゃんが出しただけでまだセックスしてないでしょ」
たかちゃんが息を飲む。
たかちゃんを無視してシャツを脱がせる。自分の顔をティッシュでふき、かばんからゴムとローションを取り出す。
それを見てたかちゃんが目を見張る。
「たかちゃん家来るときはさ、いつも準備してたんだよ、いつでもやれるように。たかちゃんが急に俺のこと好きになってセックスしてくれるかもしんないと思ってさ」
言いながら俺も服を脱いでいく。
「勉強教えてもらってるときも、ずっとたかちゃんとセックスしたいって思ってた。俺のケツをたかちゃんのちんぽでぐちゃぐちゃにして欲しいって」
「な」
「気持ち悪いだろ、そんなこと考えてたなんて」
俺は、ゴムのパッケージを慎重に切り取った。しゃべっていただけなのにすっかり充血しきったたかちゃんの亀頭にゴムをあてがうと根元までおろした。
「ね、たかちゃんは俺が女の子だったら困らなかった?」
「……女の子でも困る」
「たかちゃんぽいね」
ローションのふたを開け手のひらにたっぷりとる。
「ちょっと冷たいかも」
ローションをたかちゃんのちんぽに垂らし、自分のケツにも塗り込む。
「ほんとにするの」
「ここまできてやめらんないよ。なかもきれいにしてきたから大丈夫」
けつの穴にたかちゃんのちんぽを当て、ゆっくりと腰をおろしていく。普段使っているアナルバイブより全然大きくて、みちみちとなかが拡がっていくのが自分でもわかる。ちょっと弱気になってすこしだけ言い訳する。
「なんかいろいろ言ってるけどさ、俺もはじめてだから失敗したらごめんね」
「いいよ、やめようよ」
「やだ、ずっとこうしたいと思ってた。せっかくたかちゃんとできるのに途中でやめられないよ」
ゆっくりゆっくり腰をおろし、ついに根元まで入った。なかがじんじんと熱い。
かなりきついがゆっくり腰を上げ、下ろす。前立腺がこすられだんだんよくなってくる。
たかちゃんの首に腕を回しリズムよく上下運動を繰り返す。
たかちゃんはうぅとか、あぁとか気持ちのよさそうな声をもらしているけど、薄く目を閉じたままだ。
こっちを見てほしいと思いたかちゃんに声をかける。
「ねえ、たかちゃん、乳首触って」
たかちゃんが目を開け俺を見る。視線があう。
「俺、たかちゃんのこと考えて乳首触りながらオナニーしてたらこんなんなっちゃった」
俺は自分の胸を見下ろす。筋トレの成果でうっすらと筋肉の乗った胸には、それとは不釣り合いなぷっくりとした女の子のような乳首が付いている。
たかちゃんは一瞬迷ったあと、両手で俺の両方の乳首を強く抓んだ。
いきなり強い刺激で体がびくりと跳ねる。背筋がぞくぞくするような快感に俺は腰のスピードを速めた。
「はあ、すげえ……締まる」たかちゃんは俺の乳首をくりくりと弄りまわしている。
今まで動いていなかったたかちゃんの腰が突き上げるように動き出す。
「たかちゃん、好き、大好き」
俺は我慢できなくなり自分のちんぽを扱きながらたかちゃんにキスした。
舌を入れ、たかちゃんの舌を絡めとる。たかちゃんの舌も応えてくれたと思った瞬間、俺はベッドに突き倒されていた。
「ハルが悪いんだからな。どうなっても知らねえぞ」
え、と思う間もなくたかちゃんは俺の腰を抱え込み深く突き上げた。
ごりゅっと今まで入ったことのないところにたかちゃんのちんぽが届く。
びくりと自分では制御できなくて仰け反る。
奥を抉られるたびに、自分でも知らなかった甘い声が漏れ、足ががくがくと震える。
たかちゃんは俺のちんぽを擦りながら、さらに強く腰を打ち付ける。
「ああ、それ、いい、いく、あ」
頭の中が真っ白になって、爆発するみたいに俺の精液が飛び散る。
「俺も……出る」
たかちゃんは一際強く突き上げると、俺の一番奥でぶるぶると身震いした。
脈動が収まると、たかちゃんは俺に覆いかぶさるように力を抜いた。
俺は脱力しているたかちゃんをこちらに向かせ、キスをした。唇を舌でなぞり、たかちゃんの舌を吸う。
気がすむまでたかちゃんにキスすると、たかちゃんを自分の横に寝かせ、内壁なかからたかちゃんのちんぽを抜いた。
一回目にあんなに出たのに、ゴムの精液だまりには液体がたっぷりと溜まっている。
ゴムの口を縛り、ティッシュにくるんでゴミ箱に放り込むと、寝ているたかちゃんに抱き着いた。
「たかちゃん最後すごかった」
「ハル、おまえ……」
「だってすっごいよかったから」
「おまえがあんま好き放題するから」
たかちゃんがムッとしながら答える。
「これで満足だろ」
「満足だけど、めちゃくちゃよかったからまたしたい」
「ハル……」
「たかちゃんはよくなかった?またしたくない?」
「……聞くな」
「俺はまたしたい。たかちゃんが嫌ならしないけど、俺のこと好きじゃなくてもいいからしてほしい」
「ハル、そんなこと言うなよ」
「もう友達には戻れないから。少なくとも俺は無理だよ。俺はたかちゃんのことが好きだし、絶対セックスしたいって思う」
「……よかったよ。はまりそうで怖い」たかちゃんは観念したように吐き出した。
「じゃあさ、今まで通り週一回勉強会して、そのあとする。するのは一回だけ。たかちゃんと俺の受験が終わるまではそれで」
「勝手に決めんな。俺はまたするとは言ってない」
「え、しないの」
俺はたかちゃんをじっと見る。
「……しないとも言ってない」
「それはたかちゃんが決めていいよ。俺はたかちゃんが一緒にいてくれるならどっちでもいいよ」
「ほんとかよ」
「やっぱしたいかも」
俺は笑いながらたかちゃんの胸に顔を埋める。
「俺はたかちゃんが好きだしセックスもしたいけど、これは俺の気持ちだから。たかちゃんはたかちゃんの気持ちで決めて。同情とかいらないから」
「おまえは同情でここまですると思ってんのかよ」
「?」
「まあいいや。その辺はおいおいで」
たかちゃんは大きくため息をついて起き上がった。
「勉強するぞ」
「情緒がないのはたかちゃんのほうじゃん」
「さっき勉強会するって言ってたぞ」
「言ったけど」
「俺と同じ大学に行きたいんじゃなかったっけ」
「そうだけど」
「とりあえず来週も勉強しに来ていいから」
「勉強する!」
俺は大きな声で答えた。
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