24 / 39
1
釣り場へ*
しおりを挟む
早朝、グリノルフに起こされて湿原を起つ。起きてすぐに船に乗り川を下る。日の出前で、木々の輪郭が青くにじんでいる。
陰鰐が活動する前の時間帯だが、櫂を持つグリノルフはかなり警戒していて比呂人は話しかけるのもはばかられた。
何事もなく湿地を抜けて、しばらく歩いたところで朝食をとる。グリノルフが生っている果物を取ってきてくれてそれを食べた。新鮮な果物は久しぶりで、甘さが舌に染みる。
朝食後はひたすら歩いて釣り場を目指す。早朝にたったお陰で釣り場には昼過ぎくらいにつくことができた。
そこからはただただ釣りをした。今回は前のように入れ食いとはいかず、夕方まで釣って二日分の食料といったところだった。
釣った魚で久しぶりの温かい夕食を取りながらグリノルフとこのあとの予定について話し合う。
「そこまで魚釣れなかったけどどうするんだ」
「明日の昼までは魚を釣ろう。早めに昼食を食べて湿地へ移動する。湿地へは陰鰐が眠っている夜に入る」
「うん、夜にって大丈夫かな」
「危険がないとは言わないが、陰鰐が一番恐ろしい。陰鰐が眠っている時間に移動するのが一番いい」
「わかったよ。グリノルフがそう言うんだったらそうなんだろ」
最後はあくびを噛み殺しながら比呂人が言った。今朝は早かったし、温かい食事をたらふく食べたせいか眠くてたまらない。
「蜂蜜酒でもと思っていたのだがいらないか」
「あー、うん、今日はいいや」
「今日はもう休め」
「うん」
寝支度をしようと背嚢からマントを取り出す。マントを持って立ち上がり、ふと昨晩のことが思い出される。
そのときからずっと体の奥底で熾火のようなものがくすぶっている。どうしてもグリノルフとの夜を期待してしまう。
今晩、グリノルフとしないにしても、大分溜まっているので自分で処理しなければいけないだろう。この状況でどうやって処理するのかはわからないが。
昨日は陰鰐がいるという場所が悪かっただけで、今日も自分から誘ってもいいものだろうか。いろいろ考えていると立ったままの比呂人をいぶかってグリノルフが声をかける。
「どうかしたか、ヒロト」
「ん、あ、いや、やっぱりまだ寝るのはもったいないかなって」
比呂人は振り返りグリノルフのほうを見た。グリノルフと比呂人の目が合う。
「そうだな」
グリノルフは立ち上がると比呂人のそばへ寄った。
「まだ眠ってしまうには惜しい」
グリノルフは大きな手で比呂人の頬をゆっくりと撫でた。
比呂人は頬に添えられたグリノルフの手に、自分の手を重ねるとためらいながら言った。
「俺、グリノルフとしたい」
いろいろと考えていたはずなのに、直截な言葉しか見つからなかった。
グリノルフは溢れるように笑い、比呂人を抱き寄せた。
「俺もだ」
ねっとりと絡みつくように口付けは、湿地ではなかった激しいものだった。口付けだけで力が抜けそうになる比呂人をグリノルフは手近な木に押し付けた。
グリノルフの性急な手が比呂人の服の上から陽物を擦り上げる。いくらもしないうちに比呂人がグリノルフを押し戻し切なげな声で言う。
「だめ、久しぶりだからすぐ出る」
グリノルフは比呂人に後ろを向かせ両手を木に付かせると、銀のローブをまくり上げズボンを足元まで引き下ろした。パムクの香りがしてぬるりと後孔に塗りつけられる。そのままグリノルフの指が内壁をかき回し、コリコリとした部分を押し上げるように刺激する。
「だめ、も、いく」
比呂人が切なげな声を出すと、グリノルフは比呂人の腰を両手で抱え込み、尻に怒張しきった陽物を押し当てた。
ゆるゆると腰を進めてこれ以上進めないところまで来ると小刻みに最奥を突き上げる。突き上げられるたび、比呂人は甘い声を漏らした。
「ずっとこうしたかった」
グリノルフの絞り出すような声に応えるように、比呂人の内壁がきゅうきゅうと締め付ける。
「も、立ってられない」快楽に足を震わせながら比呂人が言う。
グリノルフは比呂人を抱えたまま、地面へと腰を下ろした。その拍子にグリノルフの陽物がさらに深いところまで届き、びくりと比呂人の身体が跳ねる。
グリノルフは比呂人の顔だけを後ろに向かせ舌を絡めとる。グリノルフは比呂人の舌を強く吸いながらさらに深いところを抉った。
比呂人の身体が一際大きく震え、塞がれた口から快楽のうめき声が漏れる。と同時に比呂人の鈴口から精液がとろりと零れ落ちた。
強く締め上げる内壁に抗うように、グリノルフは更に突き上げる。グリノルフが突くたびに比呂人の身体が震え、鈴口からは精液が次々と溢れた。
「出すぞ」
グリノルフは短く言い、ぐっと腰を押し付けると最奥で精を放った。すべて絞りつくすように比呂人の内壁がさらに収縮する。
グリノルフは比呂人の目尻にたまった涙を唇で掬い上げ、脈動が収まるまで優しく口付けた。
陰鰐が活動する前の時間帯だが、櫂を持つグリノルフはかなり警戒していて比呂人は話しかけるのもはばかられた。
何事もなく湿地を抜けて、しばらく歩いたところで朝食をとる。グリノルフが生っている果物を取ってきてくれてそれを食べた。新鮮な果物は久しぶりで、甘さが舌に染みる。
朝食後はひたすら歩いて釣り場を目指す。早朝にたったお陰で釣り場には昼過ぎくらいにつくことができた。
そこからはただただ釣りをした。今回は前のように入れ食いとはいかず、夕方まで釣って二日分の食料といったところだった。
釣った魚で久しぶりの温かい夕食を取りながらグリノルフとこのあとの予定について話し合う。
「そこまで魚釣れなかったけどどうするんだ」
「明日の昼までは魚を釣ろう。早めに昼食を食べて湿地へ移動する。湿地へは陰鰐が眠っている夜に入る」
「うん、夜にって大丈夫かな」
「危険がないとは言わないが、陰鰐が一番恐ろしい。陰鰐が眠っている時間に移動するのが一番いい」
「わかったよ。グリノルフがそう言うんだったらそうなんだろ」
最後はあくびを噛み殺しながら比呂人が言った。今朝は早かったし、温かい食事をたらふく食べたせいか眠くてたまらない。
「蜂蜜酒でもと思っていたのだがいらないか」
「あー、うん、今日はいいや」
「今日はもう休め」
「うん」
寝支度をしようと背嚢からマントを取り出す。マントを持って立ち上がり、ふと昨晩のことが思い出される。
そのときからずっと体の奥底で熾火のようなものがくすぶっている。どうしてもグリノルフとの夜を期待してしまう。
今晩、グリノルフとしないにしても、大分溜まっているので自分で処理しなければいけないだろう。この状況でどうやって処理するのかはわからないが。
昨日は陰鰐がいるという場所が悪かっただけで、今日も自分から誘ってもいいものだろうか。いろいろ考えていると立ったままの比呂人をいぶかってグリノルフが声をかける。
「どうかしたか、ヒロト」
「ん、あ、いや、やっぱりまだ寝るのはもったいないかなって」
比呂人は振り返りグリノルフのほうを見た。グリノルフと比呂人の目が合う。
「そうだな」
グリノルフは立ち上がると比呂人のそばへ寄った。
「まだ眠ってしまうには惜しい」
グリノルフは大きな手で比呂人の頬をゆっくりと撫でた。
比呂人は頬に添えられたグリノルフの手に、自分の手を重ねるとためらいながら言った。
「俺、グリノルフとしたい」
いろいろと考えていたはずなのに、直截な言葉しか見つからなかった。
グリノルフは溢れるように笑い、比呂人を抱き寄せた。
「俺もだ」
ねっとりと絡みつくように口付けは、湿地ではなかった激しいものだった。口付けだけで力が抜けそうになる比呂人をグリノルフは手近な木に押し付けた。
グリノルフの性急な手が比呂人の服の上から陽物を擦り上げる。いくらもしないうちに比呂人がグリノルフを押し戻し切なげな声で言う。
「だめ、久しぶりだからすぐ出る」
グリノルフは比呂人に後ろを向かせ両手を木に付かせると、銀のローブをまくり上げズボンを足元まで引き下ろした。パムクの香りがしてぬるりと後孔に塗りつけられる。そのままグリノルフの指が内壁をかき回し、コリコリとした部分を押し上げるように刺激する。
「だめ、も、いく」
比呂人が切なげな声を出すと、グリノルフは比呂人の腰を両手で抱え込み、尻に怒張しきった陽物を押し当てた。
ゆるゆると腰を進めてこれ以上進めないところまで来ると小刻みに最奥を突き上げる。突き上げられるたび、比呂人は甘い声を漏らした。
「ずっとこうしたかった」
グリノルフの絞り出すような声に応えるように、比呂人の内壁がきゅうきゅうと締め付ける。
「も、立ってられない」快楽に足を震わせながら比呂人が言う。
グリノルフは比呂人を抱えたまま、地面へと腰を下ろした。その拍子にグリノルフの陽物がさらに深いところまで届き、びくりと比呂人の身体が跳ねる。
グリノルフは比呂人の顔だけを後ろに向かせ舌を絡めとる。グリノルフは比呂人の舌を強く吸いながらさらに深いところを抉った。
比呂人の身体が一際大きく震え、塞がれた口から快楽のうめき声が漏れる。と同時に比呂人の鈴口から精液がとろりと零れ落ちた。
強く締め上げる内壁に抗うように、グリノルフは更に突き上げる。グリノルフが突くたびに比呂人の身体が震え、鈴口からは精液が次々と溢れた。
「出すぞ」
グリノルフは短く言い、ぐっと腰を押し付けると最奥で精を放った。すべて絞りつくすように比呂人の内壁がさらに収縮する。
グリノルフは比呂人の目尻にたまった涙を唇で掬い上げ、脈動が収まるまで優しく口付けた。
0
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。


真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~
シキ
BL
全寮制学園モノBL。
倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。
倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……?
真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。
一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。
こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。
今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。
当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
果たして、阿宮は見知らぬ世界でどう生きていくのか————。

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる