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44.パレードで一波乱?
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「ウオォォォ~~~~~ッ!! ベナ様だ! 我らがベナ様が魔物討伐から戻られた!」
「何というありがたいお姿! 美しさ!! 今日の良き日、きっと戻られると皆期待しておりました!!」
「ベナ様! ベナ様! ベナ様! ベナ様!」
民衆は大興奮です! 皆ベナを愛しているのです!
ベナがキヤギネ、リーク、セボジェタ、プエーロと共にスキャーリオン王国へやって来たのは約半年前。
ベナとキヤギネはすぐに結婚しました。 一平民として。
キヤギネは王子の立場には戻らなかったのです。
魔法を使える事が分かった以上、もう一国の王子として国に尽くすよりも、人類として、長きに亘って人類を苦しめている魔物と闘う道を選んだのです。
そうして魔物と闘っていると、他の魔法使い達が世界中から集まってきました。
“魔法使いはいない”とされている世界で魔法に目覚めたものの、どうすべきか分からずにいた所にキヤギネ、ベナの事を知り、我も我もと駆け付けた彼等、今の所十数名に上ります。
キヤギネ、ベナは彼等と国を越えて魔物討伐連合隊を作り、人類の為に闘っています。 今日はリークとプエーロのおめでたい結婚式という事で、休暇をもらって来ました。 ちなみに魔法使いは皆“美しき転生者”達。 なのでカップルが多かったりします。
「ベナ様ッ! あぁ、来て下さったのですね!! さぁ、どうぞ! こちらへ!」
リークが大喜びで頭上にフワフワ浮かんでいるベナに手を振ります。 しかし・・
「あ・・ええ、・・え・・と・・」
何やらゴチャゴチャ口籠り、中々降りてきません。
『何だベナ、凄い魔法使いになったというのに、着地が苦手なのか? 相変わらずカワイイな。 ホラ、必ず受け止めるから、俺の腕の中に飛び込んでおいで?』
ヤカフ伯爵が微笑みながら腕を広げます。 イッケメ~~~ン!! です。
この男の魅力に屈しない女がこの世にいるのでしょうか!?
「やかましいですわ。 拗らせナルシストの手は借りません! 私は夫の腕の中にしか飛び込まない主義ですの!」
いました! こちらも眩しいばかりの美少女オーラを放ち続けており、イケメンオーラの侵入を阻んでいるのでしょうか?
「じゃあいいじゃないか。 元とはいえ俺は君の夫・・」
ヤカフ伯爵がイケメン微笑をさらに輝かせながら食い下がろうとしたその時・・・
ブワァァッ・・・!
・・アッ・・!?
一陣の風と共に柔らかな光に包まれ、皆が眼を瞑り・・・ホワァリとやさしい光の粒子に包まれた空間で目を開ければ・・・
「!!! キヤギネ様ッ!! キヤギネ様だぁぁッッ!!」
オープン馬車の上に、右手にベナの腰をしっかり抱き寄せ、左肩に新郎プエーロの父親・セボジェタを担いだキヤギネの姿を見つけると、民衆は地鳴りがする程うおぉぉぉぉぉぉぉ~~~ッと歓声を上げ、喜びの涙を流しながらひれ伏します。 民衆のキヤギネに対する敬愛は特別で、ほとんど神様の様に思っています。
キヤギネが国を出てしまった時は皆悲しみにくれました。 そのキヤギネが半年前に帰国してくれて、その後めでたくご結婚されて、・・・と思ったらすぐに新婦と共に魔物討伐に出かけてしまい、心寂しく思っていたところへ、突然目の前に現れたので、その嬉しい驚きとありがたさで皆心を震わせているのです。
「キヤギネ様、ありがとうございます。 良かった、セボジェタさん、見つかったのですね!」
「まったく・・・丁度首を括ろうとしていた。 何で愛する息子の幸せを祝ってあげられないのだ?」
「主であるキヤギネ様の御妹君に手を出すなど、不敬の極み・・! 私は父としてこの命でもって責任を取るべく・・」
「「 ストッピングですわ!! 」」
同時に叫んだ女二人――ベナとリークが顔を見合わせ、ベナが右手で“どうぞ”します。
「ありがとうございます、ベナ様。 ・・お義父様、どうぞ不敬だなどと仰らないで下さい! 私は心からプエーロを愛しています。 プエーロも私を愛してくれていると信じられます。 それがこんなにも幸せな事だと、プエーロが私に教えてくれたんです! どうか私達の結婚を認めて、私を娘として受け入れて下さい。 ・・・もしお義父様の本音が、ついこの間まで女の子を追い回していた私を受け入れられない、というのでなければ・・・」
そう言ってリークは俯き、赤面します。
皆ハッとします。 誰もリークがその事を負い目に感じているなんて、気付かなかったのです。
『なぁんだ、リーク! そんな事気にするヤツいるワケ無いだろ? 意外と気にしぃなんだなぁ・・・アッハッハ・・新郎パパも、変にゴネるからリークが余計な心配しちゃってるじゃん? 実は大好きなキヤギネの親戚になれてめっちゃハッピーなんじゃないの?』
敬称無視、天然バンザイ、ヤカフ伯爵のゴキゲンな声が響きます。
「・・あぁ、そうか・・セボジェタ、俺と親戚関係になるのが不満なのか?」
キヤギネがヤカフ伯爵の話に乗ります。
「ヒッ!? め、滅相も無い!! 身に余る光栄、光栄の極みに存じます!!!」
セボジェタが青くなったり赤くなったりしながら、大慌てで否定します。
『だったら皆でお祝いしようよ! ねぇ、皆も這いつくばってないで顔を上げて、ホラホラ、キヤギネはそーゆーの嬉しくないよ? それよりワ~~~ッて盛り上がろう!!』
ヤカフ伯爵がひれ伏したまま耳をデッカくしてる民衆に声をかけると、民衆もハッとして、「そうだ、そうだ! リーク王女様とプエーロ様をお祝いしよう!」
「おめでとうございます!! リーク王女様、プエーロ様!!」
「どうか末永くお幸せに! そして幾久しく我ら民衆をお導き下さい!」
「おめでとうございます!」「おめでとうございます!」 大盛り上がりです!
セボジェタとプエーロも和解し、リークを交えて3人でキラキラした後、民衆の祝福に笑顔で手を振り応えます。
パレードは最高潮です! キラキラキラ~~~
「何というありがたいお姿! 美しさ!! 今日の良き日、きっと戻られると皆期待しておりました!!」
「ベナ様! ベナ様! ベナ様! ベナ様!」
民衆は大興奮です! 皆ベナを愛しているのです!
ベナがキヤギネ、リーク、セボジェタ、プエーロと共にスキャーリオン王国へやって来たのは約半年前。
ベナとキヤギネはすぐに結婚しました。 一平民として。
キヤギネは王子の立場には戻らなかったのです。
魔法を使える事が分かった以上、もう一国の王子として国に尽くすよりも、人類として、長きに亘って人類を苦しめている魔物と闘う道を選んだのです。
そうして魔物と闘っていると、他の魔法使い達が世界中から集まってきました。
“魔法使いはいない”とされている世界で魔法に目覚めたものの、どうすべきか分からずにいた所にキヤギネ、ベナの事を知り、我も我もと駆け付けた彼等、今の所十数名に上ります。
キヤギネ、ベナは彼等と国を越えて魔物討伐連合隊を作り、人類の為に闘っています。 今日はリークとプエーロのおめでたい結婚式という事で、休暇をもらって来ました。 ちなみに魔法使いは皆“美しき転生者”達。 なのでカップルが多かったりします。
「ベナ様ッ! あぁ、来て下さったのですね!! さぁ、どうぞ! こちらへ!」
リークが大喜びで頭上にフワフワ浮かんでいるベナに手を振ります。 しかし・・
「あ・・ええ、・・え・・と・・」
何やらゴチャゴチャ口籠り、中々降りてきません。
『何だベナ、凄い魔法使いになったというのに、着地が苦手なのか? 相変わらずカワイイな。 ホラ、必ず受け止めるから、俺の腕の中に飛び込んでおいで?』
ヤカフ伯爵が微笑みながら腕を広げます。 イッケメ~~~ン!! です。
この男の魅力に屈しない女がこの世にいるのでしょうか!?
「やかましいですわ。 拗らせナルシストの手は借りません! 私は夫の腕の中にしか飛び込まない主義ですの!」
いました! こちらも眩しいばかりの美少女オーラを放ち続けており、イケメンオーラの侵入を阻んでいるのでしょうか?
「じゃあいいじゃないか。 元とはいえ俺は君の夫・・」
ヤカフ伯爵がイケメン微笑をさらに輝かせながら食い下がろうとしたその時・・・
ブワァァッ・・・!
・・アッ・・!?
一陣の風と共に柔らかな光に包まれ、皆が眼を瞑り・・・ホワァリとやさしい光の粒子に包まれた空間で目を開ければ・・・
「!!! キヤギネ様ッ!! キヤギネ様だぁぁッッ!!」
オープン馬車の上に、右手にベナの腰をしっかり抱き寄せ、左肩に新郎プエーロの父親・セボジェタを担いだキヤギネの姿を見つけると、民衆は地鳴りがする程うおぉぉぉぉぉぉぉ~~~ッと歓声を上げ、喜びの涙を流しながらひれ伏します。 民衆のキヤギネに対する敬愛は特別で、ほとんど神様の様に思っています。
キヤギネが国を出てしまった時は皆悲しみにくれました。 そのキヤギネが半年前に帰国してくれて、その後めでたくご結婚されて、・・・と思ったらすぐに新婦と共に魔物討伐に出かけてしまい、心寂しく思っていたところへ、突然目の前に現れたので、その嬉しい驚きとありがたさで皆心を震わせているのです。
「キヤギネ様、ありがとうございます。 良かった、セボジェタさん、見つかったのですね!」
「まったく・・・丁度首を括ろうとしていた。 何で愛する息子の幸せを祝ってあげられないのだ?」
「主であるキヤギネ様の御妹君に手を出すなど、不敬の極み・・! 私は父としてこの命でもって責任を取るべく・・」
「「 ストッピングですわ!! 」」
同時に叫んだ女二人――ベナとリークが顔を見合わせ、ベナが右手で“どうぞ”します。
「ありがとうございます、ベナ様。 ・・お義父様、どうぞ不敬だなどと仰らないで下さい! 私は心からプエーロを愛しています。 プエーロも私を愛してくれていると信じられます。 それがこんなにも幸せな事だと、プエーロが私に教えてくれたんです! どうか私達の結婚を認めて、私を娘として受け入れて下さい。 ・・・もしお義父様の本音が、ついこの間まで女の子を追い回していた私を受け入れられない、というのでなければ・・・」
そう言ってリークは俯き、赤面します。
皆ハッとします。 誰もリークがその事を負い目に感じているなんて、気付かなかったのです。
『なぁんだ、リーク! そんな事気にするヤツいるワケ無いだろ? 意外と気にしぃなんだなぁ・・・アッハッハ・・新郎パパも、変にゴネるからリークが余計な心配しちゃってるじゃん? 実は大好きなキヤギネの親戚になれてめっちゃハッピーなんじゃないの?』
敬称無視、天然バンザイ、ヤカフ伯爵のゴキゲンな声が響きます。
「・・あぁ、そうか・・セボジェタ、俺と親戚関係になるのが不満なのか?」
キヤギネがヤカフ伯爵の話に乗ります。
「ヒッ!? め、滅相も無い!! 身に余る光栄、光栄の極みに存じます!!!」
セボジェタが青くなったり赤くなったりしながら、大慌てで否定します。
『だったら皆でお祝いしようよ! ねぇ、皆も這いつくばってないで顔を上げて、ホラホラ、キヤギネはそーゆーの嬉しくないよ? それよりワ~~~ッて盛り上がろう!!』
ヤカフ伯爵がひれ伏したまま耳をデッカくしてる民衆に声をかけると、民衆もハッとして、「そうだ、そうだ! リーク王女様とプエーロ様をお祝いしよう!」
「おめでとうございます!! リーク王女様、プエーロ様!!」
「どうか末永くお幸せに! そして幾久しく我ら民衆をお導き下さい!」
「おめでとうございます!」「おめでとうございます!」 大盛り上がりです!
セボジェタとプエーロも和解し、リークを交えて3人でキラキラした後、民衆の祝福に笑顔で手を振り応えます。
パレードは最高潮です! キラキラキラ~~~
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