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20.問題、発生
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・・・とんでもなくカワイイんだが・・・
耳まで真っ赤にして、震えながら“色仕掛け”の方法を模索中の幼な妻、ベナ・・・もし君の前世の記憶がはっきりしたものであれば、色仕掛けなんて簡単な事なんだろうに・・・
何せ、君の前世“麗華”は一度に複数の男達を夢中にさせていたザ・イイ女だったのだから・・俺一人骨抜きにするのくらい、目を瞑っていても出来ただろう・・
そう思い及ぶと、ベナと麗華は全然違う存在なんだと改めて納得する。
『ベナ、おいで。』
そう声を掛ければ、おずおずと枕元にやって来る。 可愛い、愛しい・・・
『まさか君は、拘束されて逃げられない俺にキスをするつもりなのか?』
「・・えっ!? キスを!? あっ・・・そ、そうですわ! その、まさかですわ・・!」
そう言うと、少し考えた後、獲物を狙うように俺の唇を見つめ、自分の唇を突き出しソロリソロリと顔を近づけて来る・・フッ、どうして上げたらいいんだろうな?
キスの成功率は、かなり低い気がするのだが・・なぜならベナは目を閉じている・・あ、ちょっと目を開けた・・軌道修正して・・来るか!?
んっ、惜しい! 彼女の唇は俺の唇を僅かに外れて、俺の頬に触れた。
残念! ん? ベナ、どういう事だ? その“やり遂げた!”的な表情は・・?
違う違う、失敗してるぞ、キス失敗、だ! ・・あぁもう、しょうがないな・・
今のは成功という事にしておいてやる・・オマケだぞ? オマケの成功だからな!?
『ベナ、まさか君は、さらに“大人のキス”を畳みかけて来るつもりなのか?』
「・・え? オトナノキス?」
『激しく舌を絡め合う・・』
「ひぇぇっ!? えぇと、そんな、それはさすがに・・う、そ、そう、その・・まさか・・です・・わ・・」
『うん・・・(カワイイ・・)』
「・・あ、あのっ・・嫌なら、イヤと言っていいのですわ・・そうしたら、諦めて、あっちの、”奥様の部屋”で大人しく寝ますわ・・さ、早く言わないと、言って下さい、イヤって・・」
『イヤじゃない。 欲しい。』
「!!!・・・・・・う、あの・・・私、・・あぁ、ダメ・・ごめんなさ・・ムリ・・」
ベナが何か言い掛けた時、夫婦の寝室のドアが激しくノックされ・・
『なっ、何事だ!? 今、いいところ・・・』
言ってる途中で、ドアが開かれ、キヤギネが滑り込んでくる!? オイッ!!
「申し訳ございません、実は、邸内のどこかに、第一王女様が・・」
『・・はっ!?』 「??」
「旦那様と奥様、それに私がこちらでゴタゴタしている間に突然訪問されて、有無を言わさず門を通り抜けられ、玄関においでになられたので、取り敢えず広間にお通ししたという事ですが、お茶を準備している間にお姿が消えてしまったという事で・・つまり、この屋敷内のどこかにいらっしゃいます。」
『なっ・・・・』 「・・・・・・」 「・・???」
第一王女・・・この国の最高権力者である、現王の最も覚えがめでたい娘・・・第一王子よりも優秀な彼女が、次の王になるだろうと言われている。
前王の、広く各方面の意見を取り入れ議会主体で進められた政治とは真逆の、完全独裁政治を執る現王。 従わない者は裁判すらせず拷問の末処刑するような、恐怖政治を行う残酷な現王は、溺愛する第一王女クニンニ様の言いなり・・・
つまり、第一王女クニンニ様は、何でもやりたい放題が許されている存在なのである。
こんな突然の訪問も、極端に言えば訪問中ギネオア邸で誰かを殺そうとも、ギネオア邸に火を放とうとも、ギネオア邸側の罪なのだ。
そして、そんな恐ろしい存在は、何故か俺に好意を持っているのだ。
彼女も女・・・俺に懸想しているとはいえ、イイ男には弱い。
今までも何度か襲来してきたが、その都度キヤギネがやんわりと追い返してくれていた。 だが今回は、キヤギネがこちらの事に掛かりきりになっていた所で、侵入されてしまったという事か・・・しかも、あの女は頭がおかしい・・・何を考えているのか、何をするつもりなのか想像もつかない・・・
くそッ、どうする!?
ガタガタッ・・・
その時、“夫婦の寝室”の続き部屋の、“奥様の部屋”から物音が・・・!?
耳まで真っ赤にして、震えながら“色仕掛け”の方法を模索中の幼な妻、ベナ・・・もし君の前世の記憶がはっきりしたものであれば、色仕掛けなんて簡単な事なんだろうに・・・
何せ、君の前世“麗華”は一度に複数の男達を夢中にさせていたザ・イイ女だったのだから・・俺一人骨抜きにするのくらい、目を瞑っていても出来ただろう・・
そう思い及ぶと、ベナと麗華は全然違う存在なんだと改めて納得する。
『ベナ、おいで。』
そう声を掛ければ、おずおずと枕元にやって来る。 可愛い、愛しい・・・
『まさか君は、拘束されて逃げられない俺にキスをするつもりなのか?』
「・・えっ!? キスを!? あっ・・・そ、そうですわ! その、まさかですわ・・!」
そう言うと、少し考えた後、獲物を狙うように俺の唇を見つめ、自分の唇を突き出しソロリソロリと顔を近づけて来る・・フッ、どうして上げたらいいんだろうな?
キスの成功率は、かなり低い気がするのだが・・なぜならベナは目を閉じている・・あ、ちょっと目を開けた・・軌道修正して・・来るか!?
んっ、惜しい! 彼女の唇は俺の唇を僅かに外れて、俺の頬に触れた。
残念! ん? ベナ、どういう事だ? その“やり遂げた!”的な表情は・・?
違う違う、失敗してるぞ、キス失敗、だ! ・・あぁもう、しょうがないな・・
今のは成功という事にしておいてやる・・オマケだぞ? オマケの成功だからな!?
『ベナ、まさか君は、さらに“大人のキス”を畳みかけて来るつもりなのか?』
「・・え? オトナノキス?」
『激しく舌を絡め合う・・』
「ひぇぇっ!? えぇと、そんな、それはさすがに・・う、そ、そう、その・・まさか・・です・・わ・・」
『うん・・・(カワイイ・・)』
「・・あ、あのっ・・嫌なら、イヤと言っていいのですわ・・そうしたら、諦めて、あっちの、”奥様の部屋”で大人しく寝ますわ・・さ、早く言わないと、言って下さい、イヤって・・」
『イヤじゃない。 欲しい。』
「!!!・・・・・・う、あの・・・私、・・あぁ、ダメ・・ごめんなさ・・ムリ・・」
ベナが何か言い掛けた時、夫婦の寝室のドアが激しくノックされ・・
『なっ、何事だ!? 今、いいところ・・・』
言ってる途中で、ドアが開かれ、キヤギネが滑り込んでくる!? オイッ!!
「申し訳ございません、実は、邸内のどこかに、第一王女様が・・」
『・・はっ!?』 「??」
「旦那様と奥様、それに私がこちらでゴタゴタしている間に突然訪問されて、有無を言わさず門を通り抜けられ、玄関においでになられたので、取り敢えず広間にお通ししたという事ですが、お茶を準備している間にお姿が消えてしまったという事で・・つまり、この屋敷内のどこかにいらっしゃいます。」
『なっ・・・・』 「・・・・・・」 「・・???」
第一王女・・・この国の最高権力者である、現王の最も覚えがめでたい娘・・・第一王子よりも優秀な彼女が、次の王になるだろうと言われている。
前王の、広く各方面の意見を取り入れ議会主体で進められた政治とは真逆の、完全独裁政治を執る現王。 従わない者は裁判すらせず拷問の末処刑するような、恐怖政治を行う残酷な現王は、溺愛する第一王女クニンニ様の言いなり・・・
つまり、第一王女クニンニ様は、何でもやりたい放題が許されている存在なのである。
こんな突然の訪問も、極端に言えば訪問中ギネオア邸で誰かを殺そうとも、ギネオア邸に火を放とうとも、ギネオア邸側の罪なのだ。
そして、そんな恐ろしい存在は、何故か俺に好意を持っているのだ。
彼女も女・・・俺に懸想しているとはいえ、イイ男には弱い。
今までも何度か襲来してきたが、その都度キヤギネがやんわりと追い返してくれていた。 だが今回は、キヤギネがこちらの事に掛かりきりになっていた所で、侵入されてしまったという事か・・・しかも、あの女は頭がおかしい・・・何を考えているのか、何をするつもりなのか想像もつかない・・・
くそッ、どうする!?
ガタガタッ・・・
その時、“夫婦の寝室”の続き部屋の、“奥様の部屋”から物音が・・・!?
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