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9.奥様は落ちるのがお好き
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コン、コン、コン。
「ぁ、は、は~~い! どうぞぉ!」
「!?」
ドアをノックしたのはキヤギネ。
どこかくぐもった声で応対したのはベナ。
当然リークが応対するものと思っていたキヤギネは、奥様に何かあったのかと、“奥様の部屋”の扉を開けます。 チャッ!
「!!???」 部屋には奥様の姿が無い・・あ、いた! いました!
あり得ない所――天井付近に、ベナは椅子などを積み上げて、いるのです。
ちなみにお屋敷は各部屋広々とした造りで天井も高く、3階の部屋の天井は、一般的な日本家屋を基準にするともう1階分上――4階の天井の高さ――ぐらいの位置にあり、つまりベナはかなり高い場所にいるのです。
「えっ!? はっ!! あ、あの、これは・・あっっっ!?」
ベナはベナで、リークが帰って来たものとばかり思っていたので、突然入室して来た長身の、見目麗しい男性、キヤギネの姿に驚き、バランス良く乗っていた椅子から足を滑らせてしまい・・
「ひぃあぁあぁあぁあぁあぁ~~~~~っっっ・・・」・・当然、落下します。
「奥様ッ!?」
「・・!!!」
間一髪、キヤギネが見事にベナを抱きとめました!
「奥様・・・お怪我は?」
「・・・あ・・・」
キヤギネにお姫様抱っこで抱きかかえられたまま、ベナは思い出します。
「あ、あなたこそだわ! 怪我は!? 私、凄い勢いで落ちたのだもの、それを受け止めてくれたあなたには、とんでもない衝撃だったはず!」
「あぁ、いえ。 奥様はとても軽いので、これぐらい何でもありません・・」
「違うわ! 1週間前、ここのバルコニーから落ちた時! 私が地面に落ちる前に、あなたがこうして受け止めてくれたのね・・・そうよね、だから無傷なんだわ・・でも、その、私が受けるはずだった衝撃をあなたが被ってしまったのね・・ごめんなさい、今、分かったの・・あぁ、怪我は?」
「あー、いえ。 奥様をお助けしたのは、私ではなく、」
「・・・嘘は駄目よ? 悪い子ね・・私、思い出したの・・同じ感じ、そう、こうだった・・・同じ匂い、同じ声、同じあなただったわ・・!」
「・・・・・・」
キヤギネは、そっとベナを降ろすと、この少女に嘘は通用しないようだと観念して答えます。
「・・大丈夫です。 当日は、少し腕が痛みましたが、翌日には消えました。 本当に軽すぎですよ? 奥様。 あぁ、申し遅れました。 私は、キヤギネと申します。 旦那様――ギネオア伯爵様の執事を務めております。 今後、奥様と接する事はほとんど無いと思いますが、どうぞよろしくお願い致します。」
「・・あら、ふふっ、これきりなのですか? 寂しい事を・・・」
予防線を張られているのかしら?と、ベナはそんな風に思いながら、ベナを降ろした後、長めに距離を取ったキヤギネに問答無用でトトトと走り寄り、むんずとその腕を掴むと・・
「・・はぁぁっ!! やっぱり、カッチコチに腫れてるじゃないの! 早く、早くお医者様に診てもらわないとっ!!」 と叫びます。 スゴイ表情です。
「えぇ!? あ、いえ! 筋肉ですよ! コレは、フツーに、フツーの!」
照明はどの方角からどの程度来ているか、どの角度が一番自分を魅力的に見せるのか――そんな事に余念のない“貴婦人”ばかりを見て来たキヤギネには、せっかくの美しい顔を容赦なく歪ませ訴えて来る美少女が、あまりにも新鮮に映ります。
「・・嘘よ! こんなに腫れて・・・痛いでしょう? おバカさんね・・私を助けようなんてしなくていいのに・・・」
「あなたの事は絶対助ける!」
キヤギネは本人も驚くほどきっぱりと、間髪入れずに答えます。
「「 ・・・・・・ 」」
二人はしばらく言葉が出ません。
見つめ合ったまま、時が止まってしまったようです。
キヤギネがふと視線を逸らせると、ベナの瞳が切なげに揺れます。
「・・我が主人、ギネオア伯爵様の大切な奥方様ですので・・失礼ながら、手をお離し下さい。 本当に、何も怪我などしておりませんので・・」
「・・・! あぁ、ごめんなさい、あの・・助けてくれて、ありがとう。 今も、1週間前も・・。 本当に、命の恩人だわ・・そう・・あなたの声だったのね・・・あ、あの、・・もしや前世の記憶なんて・・前世の私を知ってるとか・・」
こわごわ訊いてみるベナですが、?顔のキヤギネに気付くと、
「あ、いいえ! 何でもありません! 何でも・・ちょ、ちょっとまだ混乱してて・・変な事言って、ごめんなさい・・・」
などと言って誤魔化します。
どこかヒリヒリする空気を打ち消す様に、キヤギネが軽い口調で訊ねます。
「いえ。・・一体、何をされていたのです? 落ちるのが目的ではないですよね?」
「お掃除よ! ホラ、あそこ! 天井のあのシミを取ろうと・・・あら? 無いわ? あぁ~~、やっぱり、光の加減だったのね・・ 「・・かなぁ?」とは思ったんだけど、気になっちゃって・・・」
この人が、フイッと部屋を出て行ってしまったらどうしよう・・そんな不安を感じ始めていたベナは、嬉しそうに説明をします。
「掃除!? 奥様が!? しかも、あんな高い天井の!? ・・リークは、何をやっているんだ!?」
「あら、リークは何も悪くないわよ? 私、彼女には感謝しかないわ! 今だって、私の為に、女子会に行ってくれてるのよ!」
・・・リークを知っているのね・・・ギネオア伯爵の執事なら当然なのかしら・・・そんな風に思いながら、ベナは心にともる嫌な感じに戸惑いを覚えます。
「女子会? それはアイツの趣味・・」
「あら・・・彼女の事良く知っているのね・・・え? “アイツ”って呼ぶような、親しい仲? 何か、特別?」
ベナはキラリと目を光らせると、キヤギネを覗き込み、畳みかける様に質問します。 嘘をついたって、無駄よ、絶対、見破るから! という意気込みです。
「・・あぁ、リークは私の妹です。」
ベナの勢いに押されながらもキヤギネが微笑を浮かべながら答えます。
眼を剥いて、ほっぺを真っ赤にして一生懸命質問して来る美少女を“可愛い”と思ってしまうのは仕方ありません。
「血のつながった?」 その答えでは安心できないベナはさらに訊きます。
「? はい、両親とも同じ、血を分けた兄妹です・・」
「そう、良かった・・!」
キヤギネの答えにやっと安心したベナが、ニッコリ笑ってそう言うと・・・
ベナとキヤギネは、同時に思うのです。
(( “良かった”? え? 何が?? ))
「ぁ、は、は~~い! どうぞぉ!」
「!?」
ドアをノックしたのはキヤギネ。
どこかくぐもった声で応対したのはベナ。
当然リークが応対するものと思っていたキヤギネは、奥様に何かあったのかと、“奥様の部屋”の扉を開けます。 チャッ!
「!!???」 部屋には奥様の姿が無い・・あ、いた! いました!
あり得ない所――天井付近に、ベナは椅子などを積み上げて、いるのです。
ちなみにお屋敷は各部屋広々とした造りで天井も高く、3階の部屋の天井は、一般的な日本家屋を基準にするともう1階分上――4階の天井の高さ――ぐらいの位置にあり、つまりベナはかなり高い場所にいるのです。
「えっ!? はっ!! あ、あの、これは・・あっっっ!?」
ベナはベナで、リークが帰って来たものとばかり思っていたので、突然入室して来た長身の、見目麗しい男性、キヤギネの姿に驚き、バランス良く乗っていた椅子から足を滑らせてしまい・・
「ひぃあぁあぁあぁあぁあぁ~~~~~っっっ・・・」・・当然、落下します。
「奥様ッ!?」
「・・!!!」
間一髪、キヤギネが見事にベナを抱きとめました!
「奥様・・・お怪我は?」
「・・・あ・・・」
キヤギネにお姫様抱っこで抱きかかえられたまま、ベナは思い出します。
「あ、あなたこそだわ! 怪我は!? 私、凄い勢いで落ちたのだもの、それを受け止めてくれたあなたには、とんでもない衝撃だったはず!」
「あぁ、いえ。 奥様はとても軽いので、これぐらい何でもありません・・」
「違うわ! 1週間前、ここのバルコニーから落ちた時! 私が地面に落ちる前に、あなたがこうして受け止めてくれたのね・・・そうよね、だから無傷なんだわ・・でも、その、私が受けるはずだった衝撃をあなたが被ってしまったのね・・ごめんなさい、今、分かったの・・あぁ、怪我は?」
「あー、いえ。 奥様をお助けしたのは、私ではなく、」
「・・・嘘は駄目よ? 悪い子ね・・私、思い出したの・・同じ感じ、そう、こうだった・・・同じ匂い、同じ声、同じあなただったわ・・!」
「・・・・・・」
キヤギネは、そっとベナを降ろすと、この少女に嘘は通用しないようだと観念して答えます。
「・・大丈夫です。 当日は、少し腕が痛みましたが、翌日には消えました。 本当に軽すぎですよ? 奥様。 あぁ、申し遅れました。 私は、キヤギネと申します。 旦那様――ギネオア伯爵様の執事を務めております。 今後、奥様と接する事はほとんど無いと思いますが、どうぞよろしくお願い致します。」
「・・あら、ふふっ、これきりなのですか? 寂しい事を・・・」
予防線を張られているのかしら?と、ベナはそんな風に思いながら、ベナを降ろした後、長めに距離を取ったキヤギネに問答無用でトトトと走り寄り、むんずとその腕を掴むと・・
「・・はぁぁっ!! やっぱり、カッチコチに腫れてるじゃないの! 早く、早くお医者様に診てもらわないとっ!!」 と叫びます。 スゴイ表情です。
「えぇ!? あ、いえ! 筋肉ですよ! コレは、フツーに、フツーの!」
照明はどの方角からどの程度来ているか、どの角度が一番自分を魅力的に見せるのか――そんな事に余念のない“貴婦人”ばかりを見て来たキヤギネには、せっかくの美しい顔を容赦なく歪ませ訴えて来る美少女が、あまりにも新鮮に映ります。
「・・嘘よ! こんなに腫れて・・・痛いでしょう? おバカさんね・・私を助けようなんてしなくていいのに・・・」
「あなたの事は絶対助ける!」
キヤギネは本人も驚くほどきっぱりと、間髪入れずに答えます。
「「 ・・・・・・ 」」
二人はしばらく言葉が出ません。
見つめ合ったまま、時が止まってしまったようです。
キヤギネがふと視線を逸らせると、ベナの瞳が切なげに揺れます。
「・・我が主人、ギネオア伯爵様の大切な奥方様ですので・・失礼ながら、手をお離し下さい。 本当に、何も怪我などしておりませんので・・」
「・・・! あぁ、ごめんなさい、あの・・助けてくれて、ありがとう。 今も、1週間前も・・。 本当に、命の恩人だわ・・そう・・あなたの声だったのね・・・あ、あの、・・もしや前世の記憶なんて・・前世の私を知ってるとか・・」
こわごわ訊いてみるベナですが、?顔のキヤギネに気付くと、
「あ、いいえ! 何でもありません! 何でも・・ちょ、ちょっとまだ混乱してて・・変な事言って、ごめんなさい・・・」
などと言って誤魔化します。
どこかヒリヒリする空気を打ち消す様に、キヤギネが軽い口調で訊ねます。
「いえ。・・一体、何をされていたのです? 落ちるのが目的ではないですよね?」
「お掃除よ! ホラ、あそこ! 天井のあのシミを取ろうと・・・あら? 無いわ? あぁ~~、やっぱり、光の加減だったのね・・ 「・・かなぁ?」とは思ったんだけど、気になっちゃって・・・」
この人が、フイッと部屋を出て行ってしまったらどうしよう・・そんな不安を感じ始めていたベナは、嬉しそうに説明をします。
「掃除!? 奥様が!? しかも、あんな高い天井の!? ・・リークは、何をやっているんだ!?」
「あら、リークは何も悪くないわよ? 私、彼女には感謝しかないわ! 今だって、私の為に、女子会に行ってくれてるのよ!」
・・・リークを知っているのね・・・ギネオア伯爵の執事なら当然なのかしら・・・そんな風に思いながら、ベナは心にともる嫌な感じに戸惑いを覚えます。
「女子会? それはアイツの趣味・・」
「あら・・・彼女の事良く知っているのね・・・え? “アイツ”って呼ぶような、親しい仲? 何か、特別?」
ベナはキラリと目を光らせると、キヤギネを覗き込み、畳みかける様に質問します。 嘘をついたって、無駄よ、絶対、見破るから! という意気込みです。
「・・あぁ、リークは私の妹です。」
ベナの勢いに押されながらもキヤギネが微笑を浮かべながら答えます。
眼を剥いて、ほっぺを真っ赤にして一生懸命質問して来る美少女を“可愛い”と思ってしまうのは仕方ありません。
「血のつながった?」 その答えでは安心できないベナはさらに訊きます。
「? はい、両親とも同じ、血を分けた兄妹です・・」
「そう、良かった・・!」
キヤギネの答えにやっと安心したベナが、ニッコリ笑ってそう言うと・・・
ベナとキヤギネは、同時に思うのです。
(( “良かった”? え? 何が?? ))
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