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5.旦那様に”その気”無し。
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「何なんですか!? 旦那様は意気地なしですか!? ヘタレだったんですか!?」
リークのクールキャラは完全崩壊です。
私の為に、ほっぺを真っ赤にしてプンプンしてくれてます。 カワイイ・・・
チラリと時計を見れば既に午後の2時・・・リークが「奥様が目覚めた知らせを聞いて、旦那様が帰られました! きっと、すぐにお見舞いにいらっしゃいますよ!」と興奮気味に伝えてくれてから既に1時間が経とうとしています。
「白馬に乗って、飛ぶように帰って来られた時は、さすがに旦那様だと感心致しましたのに・・・一体何をされているのでしょう・・・」
「リーク、いいのよ、旦那様はきっと、別の用事で帰られたのね。 期待する方が図々しいというもの・・・この3年間の態度を思えば、いつ離縁されても文句言えない私ですもの・・」
「そんな・・! それは、確かに、今までの奥様なら・・でも、今は違います! 違うという事を、旦那様にも知ってほしいのです!」
「ありがとう、リーク・・・ねぇ、私は、8年間、お城の様な所で何の勉強もせずにボーっと過ごし、その後5年間、何の勉強もせずに森の中でボーっと育ち、ここへ来てからの3年間も何も勉強せずボーっと引き籠っていた。 あまりにも世間知らずだわ。 だから教えて。 私、どうするべきかしら? 3年間も美味しいただ飯を頂いた御恩を、どう返せるかしら?」
「た、ただ飯って・・・奥様なのですから!」
「そもそもソレが謎でしょ? 3年前、私は借金を抱えた没落貴族の娘・・旦那様とは初対面だった・・・っていうか、実は私、ずっと俯いていたから、旦那様の顔も知らないのよね。」
「ええっ!? 旦那様の、あの、尊いお顔を、見ていらっしゃらないのですか!?」
「見てないわ・・・(・・・“尊い”って・・どういう意味かしら?)」
リークが固まってしまってますが、私も必死・・・ 言葉を続けます。
「世間知らずの私でも、貴族が政略結婚するものだという事ぐらいは知っています。それか、大恋愛の末に・・という2パターン。 私は、そのどちらでもありません。 旦那様は一体、何を考え私を“妻”とされたのでしょう? 旦那様のお気持ちが分からない以上、どう恩返しをするべきか、まるでわからないのです・・」
「はい・・・確かに、旦那様の行動は謎でございますね。 我々使用人は、最初の頃は、旦那様が奥様に一目惚れしたのだろうと噂しておりました。 でも、それにしては、その後何もアプローチされる御様子が無いので、一体、どういう事だろうと・・・それで、きっと旦那様は、奥様が成人されるのをお待ちなんだろう、と結論付けておりました。」
あぁ・・そうそう、そのメイド達の噂話を真に受けて、私は1週間前に脱出未遂事件を起こしたのでした。
16歳の成人を迎えてしまったら、今まで“子供だから”と免除されていた夜のアレを要求されるかも・・その前に逃げなければ! と。 旦那様の事を悪人視していた私には、逃げる事しか考えられなかったのです。
何とも滑稽な話です。 旦那様には“その気”など微塵も無かったのに。
だって、もし旦那様に“その気”があれば、16才など待たずにいつでも出来た事なのです。 立場的にも、物理的にも。
私が引き籠っていた“奥様の部屋”の続きの部屋が夫婦の寝室で、寝室の続きの向こう側が“旦那様の部屋”なのです。 そして旦那様はいつも夫婦の寝室で睡眠をとられます。 私達は3年間、続きの隣部屋で夜を過ごしていたわけですが、旦那様が“奥様の部屋”のドアをノックした事は1度もありません。
ちなみに、私の様に、若い年齢で結婚する男女は多く、そういった場合は、16歳までは子供扱いで教育などを受け、16才から夫、妻としての務めを果たす、という、正式な法律ではないにしろ、暗黙のルールみたいなものがあり、そして、結局それは表向きで、16歳を前に子持ちになる男女が普通なのです。
「・・旦那様のお考えは謎だけど、一つハッキリしている事があるわ・・」
私はもうリークも行きついているであろう結論を、先へ進むために改めてキチンと言葉にします。
「旦那様は、私に一切関心が無いのですわ!」
リークのクールキャラは完全崩壊です。
私の為に、ほっぺを真っ赤にしてプンプンしてくれてます。 カワイイ・・・
チラリと時計を見れば既に午後の2時・・・リークが「奥様が目覚めた知らせを聞いて、旦那様が帰られました! きっと、すぐにお見舞いにいらっしゃいますよ!」と興奮気味に伝えてくれてから既に1時間が経とうとしています。
「白馬に乗って、飛ぶように帰って来られた時は、さすがに旦那様だと感心致しましたのに・・・一体何をされているのでしょう・・・」
「リーク、いいのよ、旦那様はきっと、別の用事で帰られたのね。 期待する方が図々しいというもの・・・この3年間の態度を思えば、いつ離縁されても文句言えない私ですもの・・」
「そんな・・! それは、確かに、今までの奥様なら・・でも、今は違います! 違うという事を、旦那様にも知ってほしいのです!」
「ありがとう、リーク・・・ねぇ、私は、8年間、お城の様な所で何の勉強もせずにボーっと過ごし、その後5年間、何の勉強もせずに森の中でボーっと育ち、ここへ来てからの3年間も何も勉強せずボーっと引き籠っていた。 あまりにも世間知らずだわ。 だから教えて。 私、どうするべきかしら? 3年間も美味しいただ飯を頂いた御恩を、どう返せるかしら?」
「た、ただ飯って・・・奥様なのですから!」
「そもそもソレが謎でしょ? 3年前、私は借金を抱えた没落貴族の娘・・旦那様とは初対面だった・・・っていうか、実は私、ずっと俯いていたから、旦那様の顔も知らないのよね。」
「ええっ!? 旦那様の、あの、尊いお顔を、見ていらっしゃらないのですか!?」
「見てないわ・・・(・・・“尊い”って・・どういう意味かしら?)」
リークが固まってしまってますが、私も必死・・・ 言葉を続けます。
「世間知らずの私でも、貴族が政略結婚するものだという事ぐらいは知っています。それか、大恋愛の末に・・という2パターン。 私は、そのどちらでもありません。 旦那様は一体、何を考え私を“妻”とされたのでしょう? 旦那様のお気持ちが分からない以上、どう恩返しをするべきか、まるでわからないのです・・」
「はい・・・確かに、旦那様の行動は謎でございますね。 我々使用人は、最初の頃は、旦那様が奥様に一目惚れしたのだろうと噂しておりました。 でも、それにしては、その後何もアプローチされる御様子が無いので、一体、どういう事だろうと・・・それで、きっと旦那様は、奥様が成人されるのをお待ちなんだろう、と結論付けておりました。」
あぁ・・そうそう、そのメイド達の噂話を真に受けて、私は1週間前に脱出未遂事件を起こしたのでした。
16歳の成人を迎えてしまったら、今まで“子供だから”と免除されていた夜のアレを要求されるかも・・その前に逃げなければ! と。 旦那様の事を悪人視していた私には、逃げる事しか考えられなかったのです。
何とも滑稽な話です。 旦那様には“その気”など微塵も無かったのに。
だって、もし旦那様に“その気”があれば、16才など待たずにいつでも出来た事なのです。 立場的にも、物理的にも。
私が引き籠っていた“奥様の部屋”の続きの部屋が夫婦の寝室で、寝室の続きの向こう側が“旦那様の部屋”なのです。 そして旦那様はいつも夫婦の寝室で睡眠をとられます。 私達は3年間、続きの隣部屋で夜を過ごしていたわけですが、旦那様が“奥様の部屋”のドアをノックした事は1度もありません。
ちなみに、私の様に、若い年齢で結婚する男女は多く、そういった場合は、16歳までは子供扱いで教育などを受け、16才から夫、妻としての務めを果たす、という、正式な法律ではないにしろ、暗黙のルールみたいなものがあり、そして、結局それは表向きで、16歳を前に子持ちになる男女が普通なのです。
「・・旦那様のお考えは謎だけど、一つハッキリしている事があるわ・・」
私はもうリークも行きついているであろう結論を、先へ進むために改めてキチンと言葉にします。
「旦那様は、私に一切関心が無いのですわ!」
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