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第二章

24 ディングの日記

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
女神だ!
私は今日、6才の女神に会った!
シグナルレッドの髪、
ゴールドの瞳‥‥
名前はステラ!
ステラ・カ・リアン!
伯爵令嬢だ!
と言っても、ティスリー王国の隣国のルチェ王国の伯爵令嬢。
旅行中に、彼女と運命の出会いをしたのだ!
ティスリーに連れて帰りたいが、私もまだ12才の子供。
父上にそれはムリだと一蹴されてしまった。
だが、まだ全然心が歪んでいない美幼女‥‥
諦めきれない!
父上に頼み込み、婚約を結ぶのに成功した!
可愛いステラ、遠恋になってしまうが、あと4年経てば私は成人となる。
そうしたら君を迎えに行くから、それまで性格を歪ませずに待っていてくれ!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



私、スタード公爵令息ディングの12才の時のある日の日記だ。

やはりステラは美幼女だったのだな‥‥

字が乱れている。

12才の私は相当興奮して書いた様だ。



私は今、6年前スタード公爵邸に何が起こったのか知る為に、自分で書き溜めた日記を調査している。

6年前の日記から調べればいいのだが、ステラの事が気になって、ステラとの出会いから読み始めてしまった。

10年前の、ステラとの出会いから‥‥


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
7才のステラは、何だかボーっとした子になってしまっていた。
6才のステラは恥ずかしがり屋だったけど明るく聡明で、見ていて飽きないくらい表情が豊かだったのだが‥‥
ステラの母親によると、魔力の完全封印をしたとの事だが。
私は魔力に詳しくないので帰国後カロンに聞いてみたら、カロンは顔をしかめて、
『それは酷い。
愛情のある親なら絶対子供にしない事です。
しかも7才――
一般に、10歳以下の子供に魔力の完全封印をすれば、
90%が死亡、
10%が廃人になるとされています。
ボーっとしていても普通に生活できるなら奇跡ですよ!』
と言ったのだが‥‥
要するに、魔力ゼロという事だろう?
スタード公爵家は他家と違い魔力を重視しない。
何も問題無い。
そう言ったら、カロンは
『いやそこじゃなくて
‥‥いえ、いいです』
と、複雑な顔をしていた。
おかしなヤツだ。
バカなのかな?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



私が13才、ステラが7才のある日の日記だが‥‥

すっかり忘れていたがステラは元々は魔力があったのだな?

魔力ゼロという事しか頭に無かったから、ステラが魔玉に魔力を補充しているというカロンの報告を『間違い』だと思って来た。

つまりステラは封印が解けて、魔力を使えるようになっていたという事か‥‥?


‥‥ハッ!


そうだ、あの時の違和感は‥‥!
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