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第二章

14 自滅していくクレア

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「この体を与えてやったのよ!
何回?
30回はしたわよね?」



カロンにではなく、土下座中の魔玉管理者に向かって吐き捨てる様に言うクレア。



「クレア様から誘って来たんじゃないですか!
俺には妻がいるからって断ったのに、無理矢理俺の手をドレスの中に‥‥
俺だって男だから、そんな風にされちゃぁ‥‥
何回もしたのだって、クレア様が俺の体を気に入ったって言って‥‥」

「あの時はね!
あの時はまだリン様と恋人同士になる前だったから、アタシだって溜まってたのよ!」

「耳が腐る様な話はもう結構!
先ほど君は銀の魔玉を公爵令嬢に渡そうとしていたな?
銀の魔玉はスタード公爵家の財産だ。
君が勝手に誰かに渡していいものではない!」

「ですがッ!
クレア様に命令されたら、平民の使用人である俺に断われるわけないではないですか!」

「国によって魔力関連危険物取扱者として認定されている者は、身分の別なく高位貴族の要求を撥ねつける事が出来るはずだ!」

「そりゃあ表向きはそうでも、実際には無理な話です!
クビになっちまったら、生きていけません!
『貴族に忖度できない者』として、次の就職先だって望めません!
第一、こんなに楽な職場、失いたくありませんから!」

「楽な――ね。
ステラ様が去った後も楽な職場だと思っているのか?」

「「「‥ハッ!」」」



カロンの指摘に、魔玉管理者全員が顔を青くする。



「あぁもうッ!
邪魔してんじゃないわよッ!
アンタなんか殺してやるッ!
ウォオオオッ!」



奇声を上げると同時にカロンに向けて攻撃魔法を放つクレア!


ヴァンッ!



「ギィャアァァッ!」



瞬時にカロンが纏ったバリアに自分が放った攻撃魔法が撥ね返されてマトモにくらい、床をのたうち回って苦しむクレア。



「す‥‥すごい!
瞬時にバリアを張れるなんて!」

「バリアの強さもだ!
大きな魔力量と高い技術が無ければ出来ない事だ!」

「カロン様がこれ程の実力者だったとは‥‥!」



魔力に詳しい魔玉管理者たちは、目の前で起きた一瞬の勝負から、何故か今まで一切アピールして来なかったが、実はカロンが相当の実力者である事に気付く。



「フッ、私など‥‥
ステラ様がどれ程の魔力量と制御能力をお持ちか‥‥」

「ハァ、ハァ、ッ、
チクショウッ!
あの赤い魔力さえあればアンタなんかミンチにしてやるのに!」

「クレア‥‥
いい加減にしろ!
お前はどこまで醜い女なのだ!」

「ッッ!?」



突然聞こえた愛しい男の声に、クレアは総毛立つ。
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