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第二章

01 メイド服の女神、降臨?

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「‥‥フゥ。
‥‥ん?」



スタード公爵令息ディングの執事カロン・マ・レッツェルは公爵邸の森の先にある裏門付近までステラに呼び出され、木に寄りかかって待っていた。

婚約解消が早くも承認され、接近禁止の魔法契約まで結んだ後退室したステラ嬢。

あれから1時間近く経つ。

きっと出て行く準備に人手を貸してほしいという依頼だと思うが、だったら何故こんな場所に呼び出すのだろうか?


(思慮深いステラ様の事だ。
何かお考えがあっての事だろう。
それにしても‥‥)


泥髪もドレスもディング様からの命令だとは聞いて知っていたが‥‥

あのドレスは一体‥‥

ステラ様が外した肘から下の部分は、かなり重量のある作り物の手だった。

『重いドレス』とステラ様は仰っていたが‥‥



「まさかあの像の様な足も‥‥いや、全身が肉襦袢付きの言わば着ぐるみか?
だとしたら総重量はどれ程になる?
6年前からだと聞いているから、6年間も身体的苦痛を強要し続けたという事か。
10才から6年間‥‥
身体の成長を大きく阻害している事だろう。
精神的にもどれ程辛かった事か‥‥
クソッ、何て酷い事をッ!
ディング様は罪に問われるべきだ!
‥‥それにしてもあのメイド、やはりこちらに向かって来ている様だ。
遠目にもかなりの美しさだと分かる。
公爵邸にあんな美貌のメイド、いたか?」



弾む様に歩いて来る美貌のメイドは、近付けば近付くほどその美しさがとんでもないレベルだという事が分かって来る。


――女神だ――


そうカロンが結論付けた時、その女神が微笑みながら口を開く。



「お忙しいところお呼びだてして申し訳ございません。
ここを出る前にどうしてもお伝えしなければならない事がありまして‥‥」



ポカンとするカロン。

女神が人間の言葉をしゃべったからではない。

この声‥‥
耳触りの好い、
ずっと聞いていたい、
私の好きな声‥‥
まさか!?



「え、ステラ様!?
いやまさかそんな‥‥
でもその声は間違いなく‥‥
ステラ様なのですねッ!?」
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