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第一章

27 『俺の』何?

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「ステラ様~~~」
「どこですか~~」
「ステラ様~~~」


幾つかのランプの灯りと、ステラを捜す声が遠くから響いて来る。

だが、近付いて来る気配は無く、むしろ離れて行く。



「君の捜索隊だな。
‥‥それにしても、遅いな。
1時間以上姿が見えなかったはずだ。
もっと早くに捜し始めるべきだろう。
それに的外れな場所を捜している。
一体何をやっているんだ‥‥」

「捜すつもりは無かったんだと思う。
多分ディング様が訪ねて来て、やっと『いない』となって捜し始めたのかな。
私を蹴り落としたのはクレア様だけど、手伝ったメイド二人が巧みに捜索隊を誘導してこっちに来ない様にしているみたい」

「‥‥なッ!?
君は蹴り落とされたのか!?
あぁ、あのオゾマシイ笑い声‥‥
君を殺して喜んでいたというのか!?
‥‥許‥せないッ!」



白クマの体が発光し始める。

怒りで魔力が膨らんでいる!?



「ダメだよ、白クマさん!
クレア様はここの公爵家の御令嬢だから、何か攻撃したりしたら白クマさんが酷い目に遭わされちゃう!
私は魔力が使える様になったからもう大丈夫。
今後はクレア様が何かしようとしても対処できる。
だけど‥‥ありがとう白クマさん!
私の為に怒ってくれるなんて嬉しい‥‥」

「あ、当たり前だろう!
ステラは俺の‥‥」

「‥‥『俺の』!?」

「‥え‥‥あ、いや、
え~~~と‥‥」



瞳をキラキラさせて白クマの言葉を待つステラに、白クマは頭の中が真っ白になってしまい、何というつもりだったのか分からなくなってしまう。



「ほ、ほら、
早く戻れ!
今日は疲れたろう。
一度死んだりして」

「‥‥むぅ‥‥」



おかしな会話だけど、そんな事に気付かないほど、ステラはガッカリしている。



「分かりました、
行きます!
(少しでも長く一緒にいたいって思ってるの、私だけなのね)」

「あ、お、送る!」

「大丈夫。
ホントに迷ったわけじゃないもの。
‥‥それより白クマさん、人間の言葉話せたの?」



今更だけど、ステラはスルーしていた不思議について聞いてみる。



「‥‥あぁ、なぁ。
呪いの一部が解けたんだろうな。
ステラに『戻れ』と伝えたくて。
魔力だって封印されて全然使えなくなっていたのに‥‥」

「‥‥そうなの?
‥‥呪い、完全に解けないの?
‥‥辛いね」

「‥‥辛かった。
もう辛くない」



そう言って、白クマは真っ直ぐステラを見つめる。

ロイヤルパープルの瞳の美しさに、ステラの心臓はドキリと跳ね上がる。
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