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85 悶々
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ナイトの大きくて美しい手はドアノブを掴んでいた僕の手首から腕に滑りグッと掴んで‥
痛い、と思ったら――
「‥ッ!?」
僕はいつの間にか廊下の壁に押さえつけられてる!?
コ‥コレって壁ドン‥
廊下の照明を背にしているナイトの表情は暗くてよく見えない。
「――フィカスの方が1回多かったから‥」
(え‥)
「‥ッッ!?!」
唇‥‥
ナイトの唇が僕の唇に
押し付ける様に
ナッ‥ナイト!?
状況がまるで理解出来ない――
何コレ
何してんのナイト
頭おかしくなった!?
押し付けられていたナイトの唇が離れようとして――
もう一度僕の唇を求める。
ただ押し付けていたさっきとは違って
深く――
激しくッ‥‥!
「‥ァッ‥ン‥ナイ‥
ッッ‥」
僕は無意識に抵抗したんだろうか…
いつの間にか両手首を壁に押さえつけられてる…
ナイトが求めるままに唇を開いて欲しがるままに受け入れてるのに――
ナイト…分かってる?
ここに青い液体は無い
だからコレは――
この行為は――
『キス』
――だよ?
家族や友達とするのじゃない、
大人の、
恋人の――
狂おしいキス――
「‥クッ‥ダメだッ」
≪グイッ≫
「‥ッ‥」
≪バタン!≫
「‥ハァッ、ハァッ、
ハァッ、‥‥え‥?」
また一瞬で――
今度は部屋の中に入れられた!?
「ごめん!ユウト…
俺は変だ…ッ!」
閉められたドアの向こうからナイトの吐き出すような声が聞こえて来る。
ドアを開けようとするがドアノブが動かない?
え…押さえてる!?
ナイト何やってんの?
「‥ナイト?
コレどういう状況?」
「あ‥危ないから!
俺何するか分からないから――ドアが要る!
このドアで、俺からユウトを守ってる!」
「イヤ全然分からない
――変だよ?ナイト」
「そうだ、変なんだ!
いつもはこうなっても何とか抑えるのに――
今日はどうしてもダメで――
フィカスに口の中を掻き回されていたユウトの姿が消えなくて――」
「ちょちょ‥ッ違ッ!
僕はフィカスさんに赤い液体を飲ませてもらってただけ‥」
「フィカスはどんどんエスカレートして時間も長くなっていって‥」
「!!」
(‥そんな気がしてたけど、やっぱりそうだった!?)
「ユウトはまるでフィカスのものの様にフィカスにされるがままで――」
「‥えッ‥ち、違‥」
「許せなかった――
ユウトは俺の‥ハッ」
「‥ナイト?」
「お、おかしいんだ!
俺はッ‥
で、でも、大丈夫‥
明日になれば元に戻る
――だから、ユウト‥
俺を怖がらないでくれ
――嫌わないでくれ」
「‥‥!!
ナイト、よく聞いて。
僕ナイトが好きだよ」
「‥ッッ!!」
「好きだよ‥大好き‥
知ってると思った」
って言ってもナイトは『恋愛の好き』とは捉えないんだろうな…
僕もよく分からないし
ただ、大好きで一緒に居たい。
家族愛なのか友愛なのか恋愛なのか自分でも分からないけど。
僕はナイトが――フィカスさんも――二人が大好きで大切で一緒に居たくて――この想いに名前を付ける必要が――区別する必要ってあるのかな‥‥
―――ん?
静かじゃない?
ドアノブ…動く。
≪カチャ‥キィッ≫
――!!!
無人!――無人!?
いつから!?
ちょ…
僕、空気に『大好き』って言ったの?
独り言!?
は、恥ずいッ!
ナイトのバカッ
部屋に戻るなら戻るって一言‥
~~~~ッあぁもうッ
ぼ、
僕の『大好き』を返せぇ~~~!!
心の中でヘッポコに叫びながらすごすごと部屋のドアを閉める。
ふと見た鏡の中の自分の唇が真っ赤に艶めいているのを見て。
カッと全身熱くなる。
「ッ、ね、寝よう!
きっと残り少ない高校生活、遅刻したくないもんね!」
自分を落ち着かせるように声に出し、寝支度を整えてベッドに入る。
――数時間後――
僕はベッドの上でガバッと半身を起こして。
再び心の中で叫ぶ!
寝れるかぁ~~ッ!!
…もうすぐ朝である。
痛い、と思ったら――
「‥ッ!?」
僕はいつの間にか廊下の壁に押さえつけられてる!?
コ‥コレって壁ドン‥
廊下の照明を背にしているナイトの表情は暗くてよく見えない。
「――フィカスの方が1回多かったから‥」
(え‥)
「‥ッッ!?!」
唇‥‥
ナイトの唇が僕の唇に
押し付ける様に
ナッ‥ナイト!?
状況がまるで理解出来ない――
何コレ
何してんのナイト
頭おかしくなった!?
押し付けられていたナイトの唇が離れようとして――
もう一度僕の唇を求める。
ただ押し付けていたさっきとは違って
深く――
激しくッ‥‥!
「‥ァッ‥ン‥ナイ‥
ッッ‥」
僕は無意識に抵抗したんだろうか…
いつの間にか両手首を壁に押さえつけられてる…
ナイトが求めるままに唇を開いて欲しがるままに受け入れてるのに――
ナイト…分かってる?
ここに青い液体は無い
だからコレは――
この行為は――
『キス』
――だよ?
家族や友達とするのじゃない、
大人の、
恋人の――
狂おしいキス――
「‥クッ‥ダメだッ」
≪グイッ≫
「‥ッ‥」
≪バタン!≫
「‥ハァッ、ハァッ、
ハァッ、‥‥え‥?」
また一瞬で――
今度は部屋の中に入れられた!?
「ごめん!ユウト…
俺は変だ…ッ!」
閉められたドアの向こうからナイトの吐き出すような声が聞こえて来る。
ドアを開けようとするがドアノブが動かない?
え…押さえてる!?
ナイト何やってんの?
「‥ナイト?
コレどういう状況?」
「あ‥危ないから!
俺何するか分からないから――ドアが要る!
このドアで、俺からユウトを守ってる!」
「イヤ全然分からない
――変だよ?ナイト」
「そうだ、変なんだ!
いつもはこうなっても何とか抑えるのに――
今日はどうしてもダメで――
フィカスに口の中を掻き回されていたユウトの姿が消えなくて――」
「ちょちょ‥ッ違ッ!
僕はフィカスさんに赤い液体を飲ませてもらってただけ‥」
「フィカスはどんどんエスカレートして時間も長くなっていって‥」
「!!」
(‥そんな気がしてたけど、やっぱりそうだった!?)
「ユウトはまるでフィカスのものの様にフィカスにされるがままで――」
「‥えッ‥ち、違‥」
「許せなかった――
ユウトは俺の‥ハッ」
「‥ナイト?」
「お、おかしいんだ!
俺はッ‥
で、でも、大丈夫‥
明日になれば元に戻る
――だから、ユウト‥
俺を怖がらないでくれ
――嫌わないでくれ」
「‥‥!!
ナイト、よく聞いて。
僕ナイトが好きだよ」
「‥ッッ!!」
「好きだよ‥大好き‥
知ってると思った」
って言ってもナイトは『恋愛の好き』とは捉えないんだろうな…
僕もよく分からないし
ただ、大好きで一緒に居たい。
家族愛なのか友愛なのか恋愛なのか自分でも分からないけど。
僕はナイトが――フィカスさんも――二人が大好きで大切で一緒に居たくて――この想いに名前を付ける必要が――区別する必要ってあるのかな‥‥
―――ん?
静かじゃない?
ドアノブ…動く。
≪カチャ‥キィッ≫
――!!!
無人!――無人!?
いつから!?
ちょ…
僕、空気に『大好き』って言ったの?
独り言!?
は、恥ずいッ!
ナイトのバカッ
部屋に戻るなら戻るって一言‥
~~~~ッあぁもうッ
ぼ、
僕の『大好き』を返せぇ~~~!!
心の中でヘッポコに叫びながらすごすごと部屋のドアを閉める。
ふと見た鏡の中の自分の唇が真っ赤に艶めいているのを見て。
カッと全身熱くなる。
「ッ、ね、寝よう!
きっと残り少ない高校生活、遅刻したくないもんね!」
自分を落ち着かせるように声に出し、寝支度を整えてベッドに入る。
――数時間後――
僕はベッドの上でガバッと半身を起こして。
再び心の中で叫ぶ!
寝れるかぁ~~ッ!!
…もうすぐ朝である。
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