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06 暫定アイドルとは
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私立橘高校が設定する『アイドル』とは。
生徒会が主導する特別な部活動である。
その意義は、女子がいない男子校での虚無過ぎる学校生活に彩を与える事。
生徒達は『アイドル』が存在する事で女子がいない空虚感を紛らし落ち着ける。
『アイドル』を推し、応援する事で明るく健康的に欲求不満を解消できる。
――というもの。
その活動内容は。
まず『アイドル』を選出する。
選出された『アイドル』は校内でのみ『アイドル』として存在する。
憧れの目を向けて来る生徒達を『ファン』と認識し、『アイドル』として笑顔を返し、手を振り応える。
「――そんなところですかね、理事長」
「そんなところだね。
『暫定』の説明は…」
「ああ、はい。
ユウト君、実はアイドルの立場は暫定的なものなんだ。
アイドルの選出は年に一回、年度末の新入生が決まる時期に行われるんだ。
その時点でのアイドルを含めた1~2学年全員&新入生の中から一人だけ選ばれる。
結局、毎年新入生の中から新アイドルが選出されるから基本アイドルは一年で活動終了となる」
「へ?
どういう事ですか?
そう言えば僕、選出されたんですか?」
「「もちろん!」」
「え!?
い、いつの間に!?」
「試験を受けにここに来た時だよ!
校門をくぐってから校舎内に入るまでの姿を見て判断するんだ。
判断するのは1~2学年の各クラスからの代表者が2名ずつ。
僕も選考員として君を選んだよ!
3年は卒業して去るから選考員になれないし、教師もダメ。
今年は選考員26名が厳正なる審査をして何と全員一致で君が選出されたってワケ」
「ふふ、全員一致は我が校始まって以来の快挙だよ。
ユウト君は間違いなく伝説のアイドルになるだろうね」
「ウェ‥‥あ、いえ、それで、一年で解放されるんですね?」
「ああ、今までどんなに人気を集めたアイドルでも皆一年で終了したって。
2年目に突入出来たアイドルは一人もいないそうだよ。
やっぱり、新鮮な新入生に目移りしてしまうんだよな、ハハ」
「じゃあまとめると、アイドルの立場は暫定で、実際は1年で終了する。
活動内容は笑顔で手を振る事だけ。
――でいいんでしょうか?」
「あ!写真撮影も!」
「写真ですか?
僕、写真は嫌い…苦手なんですけど」
ユウトは写真アレルギーとは言わないまでも写真にいい想い出が無い。
出来れば自分の姿を静止画や動画に残したくない。
「資金集めの為に必要なんだよね」
桧木はそう言って制服のポケットから小さなデジカメを取り出す。
『橘高校アイドル部』とシールが貼られている。
「アイドルを個人のスマホで撮影する事は禁止なんだ。
キリが無いし、過去には個人的にアイドルの画像を売り買いする輩も現れて――
アイドルと組んでヌード画像を高額で売買したりして問題になったそう」
「ヌードッ!?」
ユウトは青褪める。
ソレ、需要あるの!?
「大丈夫、君の事は生徒会アイドル部が全力で守るからね。
ただ、スマホでの撮影を禁止する代わりにアイドル部発信で君の画像を提供する必要がある。
誰だって推しの画像は欲しいだろう?
撮った画像はネット上に載せるけど、橘高生しか見れないから安心して。
橘高生はアップされた画像を閲覧して、気に入った画像を購入出来るんだ。
静止画が1点200円、動画は長さに拘わらず1点600円」
「高ッ!!」
生徒会が主導する特別な部活動である。
その意義は、女子がいない男子校での虚無過ぎる学校生活に彩を与える事。
生徒達は『アイドル』が存在する事で女子がいない空虚感を紛らし落ち着ける。
『アイドル』を推し、応援する事で明るく健康的に欲求不満を解消できる。
――というもの。
その活動内容は。
まず『アイドル』を選出する。
選出された『アイドル』は校内でのみ『アイドル』として存在する。
憧れの目を向けて来る生徒達を『ファン』と認識し、『アイドル』として笑顔を返し、手を振り応える。
「――そんなところですかね、理事長」
「そんなところだね。
『暫定』の説明は…」
「ああ、はい。
ユウト君、実はアイドルの立場は暫定的なものなんだ。
アイドルの選出は年に一回、年度末の新入生が決まる時期に行われるんだ。
その時点でのアイドルを含めた1~2学年全員&新入生の中から一人だけ選ばれる。
結局、毎年新入生の中から新アイドルが選出されるから基本アイドルは一年で活動終了となる」
「へ?
どういう事ですか?
そう言えば僕、選出されたんですか?」
「「もちろん!」」
「え!?
い、いつの間に!?」
「試験を受けにここに来た時だよ!
校門をくぐってから校舎内に入るまでの姿を見て判断するんだ。
判断するのは1~2学年の各クラスからの代表者が2名ずつ。
僕も選考員として君を選んだよ!
3年は卒業して去るから選考員になれないし、教師もダメ。
今年は選考員26名が厳正なる審査をして何と全員一致で君が選出されたってワケ」
「ふふ、全員一致は我が校始まって以来の快挙だよ。
ユウト君は間違いなく伝説のアイドルになるだろうね」
「ウェ‥‥あ、いえ、それで、一年で解放されるんですね?」
「ああ、今までどんなに人気を集めたアイドルでも皆一年で終了したって。
2年目に突入出来たアイドルは一人もいないそうだよ。
やっぱり、新鮮な新入生に目移りしてしまうんだよな、ハハ」
「じゃあまとめると、アイドルの立場は暫定で、実際は1年で終了する。
活動内容は笑顔で手を振る事だけ。
――でいいんでしょうか?」
「あ!写真撮影も!」
「写真ですか?
僕、写真は嫌い…苦手なんですけど」
ユウトは写真アレルギーとは言わないまでも写真にいい想い出が無い。
出来れば自分の姿を静止画や動画に残したくない。
「資金集めの為に必要なんだよね」
桧木はそう言って制服のポケットから小さなデジカメを取り出す。
『橘高校アイドル部』とシールが貼られている。
「アイドルを個人のスマホで撮影する事は禁止なんだ。
キリが無いし、過去には個人的にアイドルの画像を売り買いする輩も現れて――
アイドルと組んでヌード画像を高額で売買したりして問題になったそう」
「ヌードッ!?」
ユウトは青褪める。
ソレ、需要あるの!?
「大丈夫、君の事は生徒会アイドル部が全力で守るからね。
ただ、スマホでの撮影を禁止する代わりにアイドル部発信で君の画像を提供する必要がある。
誰だって推しの画像は欲しいだろう?
撮った画像はネット上に載せるけど、橘高生しか見れないから安心して。
橘高生はアップされた画像を閲覧して、気に入った画像を購入出来るんだ。
静止画が1点200円、動画は長さに拘わらず1点600円」
「高ッ!!」
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