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第二章

11 メイド達の狂乱 その4

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ここは王都の西のはずれに建つエリダヌス伯爵の西の屋敷。

旦那様の意向で屋敷は機能重視のシンプルな造り。

華美な装飾などは一切無いのだけれど‥‥



美しい三人が連れ立って歩く姿は周りの景色までも変えてしまう‥‥

眩しッ‥!

あぁッ、まばゆいわ、ここはどこ?

お三方が放つ美のオーラのキラキラが空間を満たし浄化していく‥‥

あのお三方の周りだけまるでお伽話の天上界の荘厳な宮殿のよう‥‥



そして三人にお茶を出したゆるフワ系メイドの信じられない証言。


「精霊王子様がグイグイ来た、ですってぇ!?」

「微笑んで手を握ってくれた、ですってぇ!?」

「まさか、あんた夢でも見たんじゃないの!?」

「『アル様』っていうのよ‥‥名前で呼んでと言われたわ‥‥」



メラッ‥‥‥



メイド達の、嫉妬心に火がともる。


「で、でも、彼は美しいけど、恋の相手としてはどうかしら?
恋愛対象としてなら、旦那様や黒髪の貴公子様‥‥」

「ところがね、彼、黙っていれば性別不明の美神の様だけど‥‥
ちゃんと男の子なの‥‥しかもかなり慣れてる‥‥
私だって丸っきり初心うぶってわけじゃないもの‥‥
フフッ‥‥分かるわ‥‥はァ~~‥蕩けたァ‥‥」



ギギギ、ギャップだとぉッ!?



メラメラメラ~~~~ッ


メイド達の、嫉妬の炎が燃え上がる!
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