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第二章
01 私が見える?
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僕は、アル。
三年前に僕の体中につけられた大量の傷。
もう一生治らないんだろうと諦めていました。
でも、僕の前世様、デネブ様、シリウス様が協力して治して下さることに!
嬉しいです!
嬉しいです‥‥けど!
【あ~~、ちょっと待って。
アルが脱ぎたくないって騒いでる。
3年前、傷を見たデネブが酷くショックを受けたのがトラウマらしい。
デネブとシリウスには絶対傷を見せたくないって】
「3年前は‥‥
私は確かにショックを受けた。
だが、それは‥‥」
「汚いとか、気持ち悪いとか言われるならいいんです。
でもデネブ様は僕の痛みを想ってくれて‥‥
それで傷ついてしまって‥‥
きっとシリウス様もそうでしょう?
僕は僕の傷のせいでお二方が傷つくの、嫌なんです!」
【――― だってさ。
私は服の上からでもアルの体にこびりついている黒い魔力を読み解ける。
読み解いた魔力は傷‥‥体から浮かび上がってくるからデネブがそれを消滅させるのに問題は無い。
デネブが魔力をシリウスに渡すのも、傷が見えなくても問題ない。
でもシリウスは、実際、傷が見えた方が治癒魔法かけやすいよね?】
‥‥あ‥‥そうか‥‥そうだよね‥‥傷の状態によって治癒魔法を変化させるんだから、傷が見えなきゃだよね‥‥うぅ‥‥
「いや、出来るだけアルに負担が無いようにしたい。
アルが嫌なら、服は着たままの方がいいだろう。
ただ、傷の場所だけでも分かるといいのだが‥‥」
【よく言った、シリウス。
大丈夫、私が指差しながら黒い魔力を読み解く。
私が指差す場所を治癒していってほしい】
「「指差す?
どうやって‥‥はッ!?」」
【‥‥よっと‥‥うん、
デネブ、シリウス、私が見える?】
「あれ? え? ちょっと待って?
今、僕喋ってないのに、前世様の声が‥‥」
三年前に僕の体中につけられた大量の傷。
もう一生治らないんだろうと諦めていました。
でも、僕の前世様、デネブ様、シリウス様が協力して治して下さることに!
嬉しいです!
嬉しいです‥‥けど!
【あ~~、ちょっと待って。
アルが脱ぎたくないって騒いでる。
3年前、傷を見たデネブが酷くショックを受けたのがトラウマらしい。
デネブとシリウスには絶対傷を見せたくないって】
「3年前は‥‥
私は確かにショックを受けた。
だが、それは‥‥」
「汚いとか、気持ち悪いとか言われるならいいんです。
でもデネブ様は僕の痛みを想ってくれて‥‥
それで傷ついてしまって‥‥
きっとシリウス様もそうでしょう?
僕は僕の傷のせいでお二方が傷つくの、嫌なんです!」
【――― だってさ。
私は服の上からでもアルの体にこびりついている黒い魔力を読み解ける。
読み解いた魔力は傷‥‥体から浮かび上がってくるからデネブがそれを消滅させるのに問題は無い。
デネブが魔力をシリウスに渡すのも、傷が見えなくても問題ない。
でもシリウスは、実際、傷が見えた方が治癒魔法かけやすいよね?】
‥‥あ‥‥そうか‥‥そうだよね‥‥傷の状態によって治癒魔法を変化させるんだから、傷が見えなきゃだよね‥‥うぅ‥‥
「いや、出来るだけアルに負担が無いようにしたい。
アルが嫌なら、服は着たままの方がいいだろう。
ただ、傷の場所だけでも分かるといいのだが‥‥」
【よく言った、シリウス。
大丈夫、私が指差しながら黒い魔力を読み解く。
私が指差す場所を治癒していってほしい】
「「指差す?
どうやって‥‥はッ!?」」
【‥‥よっと‥‥うん、
デネブ、シリウス、私が見える?】
「あれ? え? ちょっと待って?
今、僕喋ってないのに、前世様の声が‥‥」
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