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シリウス・エリダヌス
07 廃王子様はご機嫌斜め
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最近は、王都中心街に近い屋敷にいる事が多い。
エリダヌス領に関わる書類関係で王宮文官からの呼び出しが増えている。
こんな事は初めてで、何かしらの意図を感じるが‥‥
というか、王宮に居ると王からお茶だのお散歩だの乗馬だの何だの誘いが来る。
もちろん相手にせず、用事が済んだらサッサと帰る事にしている。
私はヒマではない。
大体、20年も昔に捨てた息子に何の用があるのか‥‥
私の方には何の用も無い。
不快だ。
まとわりついて来るな。
もう、不便にはなるが、王都の西の端、西の屋敷へ移動しようかと思っている。
やたら増えて騒がしい来訪者達も、辺鄙な西の屋敷までは来れないだろう。
私も迂闊だった。
私が元気いっぱいになった事が広く知られてしまった。
その噂を確かめに何やかやと理由を付けて貴族たちがやって来る。
私がお茶会だのパーティーだのの誘いに一切応じないからか‥‥
今まで私など存在しないものとして、完全無視していた貴族たち。
娘だの親戚の娘だの妹だの何やかの娘だのを連れてやって来る。
ふざけるな。
門前払いだ。
さらに、魔力がある事までバレ始めている。
出来れば一生隠し通そうと思っていたのだが‥‥
北宮の王妃のせいだ。
何だあのクソは。
ちょいちょい刺客を送って来る。
送られてくる刺客もどんどんレベルアップしてくる。
とうとう魔法を使わないと蹴散らせなくなった。
使えば知られることになる。
‥‥ん?
そのせいか?
最近王がやたら私に接触しようとして来るのは。
魔力無し故に捨てた子供に実は魔力があった‥‥
だから?
だから何だと言うのだ。
今更何も変わらない、変えようがない、
変えてはいけないのだ。
1才の時、王太子は決定した。
その決定を変えてはいけない。
廃王子は廃王子のまま、臣下であり続ける。
まぁどうしてもと言うなら、私なんかより煌煌しい人がいる。
プロキオン公爵、デネブ・プロキオン殿。
一度も会った事は無い異母兄弟だ。
エリダヌス領に関わる書類関係で王宮文官からの呼び出しが増えている。
こんな事は初めてで、何かしらの意図を感じるが‥‥
というか、王宮に居ると王からお茶だのお散歩だの乗馬だの何だの誘いが来る。
もちろん相手にせず、用事が済んだらサッサと帰る事にしている。
私はヒマではない。
大体、20年も昔に捨てた息子に何の用があるのか‥‥
私の方には何の用も無い。
不快だ。
まとわりついて来るな。
もう、不便にはなるが、王都の西の端、西の屋敷へ移動しようかと思っている。
やたら増えて騒がしい来訪者達も、辺鄙な西の屋敷までは来れないだろう。
私も迂闊だった。
私が元気いっぱいになった事が広く知られてしまった。
その噂を確かめに何やかやと理由を付けて貴族たちがやって来る。
私がお茶会だのパーティーだのの誘いに一切応じないからか‥‥
今まで私など存在しないものとして、完全無視していた貴族たち。
娘だの親戚の娘だの妹だの何やかの娘だのを連れてやって来る。
ふざけるな。
門前払いだ。
さらに、魔力がある事までバレ始めている。
出来れば一生隠し通そうと思っていたのだが‥‥
北宮の王妃のせいだ。
何だあのクソは。
ちょいちょい刺客を送って来る。
送られてくる刺客もどんどんレベルアップしてくる。
とうとう魔法を使わないと蹴散らせなくなった。
使えば知られることになる。
‥‥ん?
そのせいか?
最近王がやたら私に接触しようとして来るのは。
魔力無し故に捨てた子供に実は魔力があった‥‥
だから?
だから何だと言うのだ。
今更何も変わらない、変えようがない、
変えてはいけないのだ。
1才の時、王太子は決定した。
その決定を変えてはいけない。
廃王子は廃王子のまま、臣下であり続ける。
まぁどうしてもと言うなら、私なんかより煌煌しい人がいる。
プロキオン公爵、デネブ・プロキオン殿。
一度も会った事は無い異母兄弟だ。
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