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デネブ・プロキオン
18 祖父孝行
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「お祖父様、体がショックを受けない様に、ゆっくり治しますよ。
ソファの背もたれに背を預けて、ゆったり力を抜いて下さい」
傷自体は単純な裂傷だ。
程度が酷いだけで、難しさは無い。
必要な魔力量も、私にとっては大したことはない。
――― まるっきり少年の見立て通りだ。
自身は魔力無しという少年‥‥
彼は何者なんだろう‥‥
「‥‥なッ‥‥何という事だ!?
何と言う奇跡ッ!!
王国一の治癒魔法師でも治せなかった余の足が‥‥!
あれ程の傷が跡形も無く消え失せた!
痛みも無い!
おお見よ!
体全体に広がっていた変色も腫れも全て消えている!
元通り‥‥いや、それ以上だ!」
祖父はほぼ全裸になって体中を調べ、歓喜の声を上げる。
「実は明日の切断手術も、成功率は半分以下だと言われていたのだ。
だが切断しなければ確実に死ぬと言われて決断せざるを得なかった。
予の‥‥私の命は消えかけていたのだ。
それをデネブ、愛するお前が救ってくれた!
お前は誰よりも可愛い私の宝孫、そして命の恩人にもなったのだ!!」
良かった‥‥
魔力暴走を起こす度、庇ってくれた祖父。
思いがけず祖父孝行が出来た様だ。
それに、これで私の命乞いが叶わなくても、祖父に少年の行く末を託せるだろう。
祖父の歓喜の声に、隣室で控えていた側近達が何事かと応接室に集まって来る。
祖父の怪我を知っていた彼等は驚き、歓喜の声を上げ、涙している。
そして私を見つめたり、頬を染めたり、キラキラしたりしている。
ん?
髪をまとめていないだけで、私を認識出来ないのか?
私は国のお荷物、処分待ちのプロキオン卿なのだが‥‥
ソファの背もたれに背を預けて、ゆったり力を抜いて下さい」
傷自体は単純な裂傷だ。
程度が酷いだけで、難しさは無い。
必要な魔力量も、私にとっては大したことはない。
――― まるっきり少年の見立て通りだ。
自身は魔力無しという少年‥‥
彼は何者なんだろう‥‥
「‥‥なッ‥‥何という事だ!?
何と言う奇跡ッ!!
王国一の治癒魔法師でも治せなかった余の足が‥‥!
あれ程の傷が跡形も無く消え失せた!
痛みも無い!
おお見よ!
体全体に広がっていた変色も腫れも全て消えている!
元通り‥‥いや、それ以上だ!」
祖父はほぼ全裸になって体中を調べ、歓喜の声を上げる。
「実は明日の切断手術も、成功率は半分以下だと言われていたのだ。
だが切断しなければ確実に死ぬと言われて決断せざるを得なかった。
予の‥‥私の命は消えかけていたのだ。
それをデネブ、愛するお前が救ってくれた!
お前は誰よりも可愛い私の宝孫、そして命の恩人にもなったのだ!!」
良かった‥‥
魔力暴走を起こす度、庇ってくれた祖父。
思いがけず祖父孝行が出来た様だ。
それに、これで私の命乞いが叶わなくても、祖父に少年の行く末を託せるだろう。
祖父の歓喜の声に、隣室で控えていた側近達が何事かと応接室に集まって来る。
祖父の怪我を知っていた彼等は驚き、歓喜の声を上げ、涙している。
そして私を見つめたり、頬を染めたり、キラキラしたりしている。
ん?
髪をまとめていないだけで、私を認識出来ないのか?
私は国のお荷物、処分待ちのプロキオン卿なのだが‥‥
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