28 / 217
第一章
28 未知の生物
しおりを挟む
「これは一体‥‥?」
「伯爵様? どうなさったんですか?」
「翼竜の足の爪が何か粘着物のようなもので覆われている様だ‥‥
どこかで付着したのか、爪から分泌したのか‥‥
こんなの、初めて見る‥‥」
伯爵様は翼竜の足爪を凝視しながらそう仰います。
え?
見た事ないの?
何で?
「それは、爪から分泌されるガードですよ。
翼竜自身の為じゃなく、自分の爪から周りを守る為の。
翼竜は、優しいんです。」
そう説明すると、伯爵様が眼を見開いてこっちを見ています。
「キ、君ッ!? イツ、ソコ、ドウ、」
ドキ。
出た!
カタコト・ギャップ!
可愛くてドキドキするンで、やめて下さいっ
「君、いっ‥‥いつ、どうやって、翼竜の背に乗ったんだ!?」
伯爵様‥‥
顔面蒼白になっています‥‥
だ、大丈夫ですか!?
「自分で乗ったというより、この子が乗せてくれたんです。
鼻でヒョイとすくわれて、ポンと背中に。
くっ‥‥このモフモフ感‥‥堪りませんっ
こんなに柔らかな羽毛に覆われているなんて‥‥
僕、ここに住みたいくらいです‥‥この子‥‥
あ、この子の名前は何て言うんですか?」
「え‥‥名前‥‥ああ、『ベガ』だ。
いや、信じられない‥‥鼻で?
頭部が近付いた、という事か?
何故、喰われなかったんだ!?
あ、名前は一応付けただけで、ソレは自分の名前を認識していない‥‥」
「カワイイ名前だね!
カワイイ君にピッタリだよ。
ね、ベガ?」
≪キュン!≫
「返事した―――ッッッ!!」
「うわ、ビックリした!
伯爵様?
どうされたのです?
急に大声出したりして‥‥?」
伯爵様の様子が変です。
まるで未知の生物を見る眼で僕を見ています。
自身から漏れ出す魔力により、赤い髪を逆立て、光に包まれながら。
――― どう見ても、伯爵様の方が未知の生物ですよ?
バーーーン!!
「アルッ!!」
「はっ!! デネブ様!!」
すっか忘してた!!
「ムッ!? 結界を張ったのに、何故ここへ来れるのだ!?」
伯爵様がビックリしています。
‥‥何か無表情が懐かしいです。
「少し時間がかかったが、あんな結界など‥‥
いや、かなり強固な結界だったか‥‥
変だな、逆に何故私はこんな短時間で破れたのだ??」
う~~~ん‥‥
やっぱりそうか‥‥
デネブ様の困惑っぷり‥‥
伯爵様のビックリっぷり。
やっぱり伯爵様もデネブ様も視えていないんですね?
魔力無しにしか視えないのかもですね。
「お二方の魔力が完全に同一だから、ですよ。」
「「 !? 」」
「言ってる意味が‥‥
そもそも魔力に違いなどあるのか‥‥!?」
伯爵様が剣呑な表情で仰います。
そ、そこからですか‥‥?
「いや、まず、何でここに翼竜がいるんだ!?
アル、ソレは危険な生物なんだぞ!
何で背中に乗っているんだ!?」
デネブ様が信じられないという表情で仰います。
いや、そっちか~~い!
≪キュアーーーッ!!≫
突然、ベガがデネブ様を威嚇します!
眼は爛々と燃える様な赤に戻っています!
小さな稲妻のようなものが口からチョロチョロ出ています!
「「 !! 」」
「マズい!!
ああなってしまっては、私の命令でも聞く耳を持たない!」
伯爵様が焦った様に叫びます!
あッ、焦った声、超セクスィ~~~!
「伯爵様? どうなさったんですか?」
「翼竜の足の爪が何か粘着物のようなもので覆われている様だ‥‥
どこかで付着したのか、爪から分泌したのか‥‥
こんなの、初めて見る‥‥」
伯爵様は翼竜の足爪を凝視しながらそう仰います。
え?
見た事ないの?
何で?
「それは、爪から分泌されるガードですよ。
翼竜自身の為じゃなく、自分の爪から周りを守る為の。
翼竜は、優しいんです。」
そう説明すると、伯爵様が眼を見開いてこっちを見ています。
「キ、君ッ!? イツ、ソコ、ドウ、」
ドキ。
出た!
カタコト・ギャップ!
可愛くてドキドキするンで、やめて下さいっ
「君、いっ‥‥いつ、どうやって、翼竜の背に乗ったんだ!?」
伯爵様‥‥
顔面蒼白になっています‥‥
だ、大丈夫ですか!?
「自分で乗ったというより、この子が乗せてくれたんです。
鼻でヒョイとすくわれて、ポンと背中に。
くっ‥‥このモフモフ感‥‥堪りませんっ
こんなに柔らかな羽毛に覆われているなんて‥‥
僕、ここに住みたいくらいです‥‥この子‥‥
あ、この子の名前は何て言うんですか?」
「え‥‥名前‥‥ああ、『ベガ』だ。
いや、信じられない‥‥鼻で?
頭部が近付いた、という事か?
何故、喰われなかったんだ!?
あ、名前は一応付けただけで、ソレは自分の名前を認識していない‥‥」
「カワイイ名前だね!
カワイイ君にピッタリだよ。
ね、ベガ?」
≪キュン!≫
「返事した―――ッッッ!!」
「うわ、ビックリした!
伯爵様?
どうされたのです?
急に大声出したりして‥‥?」
伯爵様の様子が変です。
まるで未知の生物を見る眼で僕を見ています。
自身から漏れ出す魔力により、赤い髪を逆立て、光に包まれながら。
――― どう見ても、伯爵様の方が未知の生物ですよ?
バーーーン!!
「アルッ!!」
「はっ!! デネブ様!!」
すっか忘してた!!
「ムッ!? 結界を張ったのに、何故ここへ来れるのだ!?」
伯爵様がビックリしています。
‥‥何か無表情が懐かしいです。
「少し時間がかかったが、あんな結界など‥‥
いや、かなり強固な結界だったか‥‥
変だな、逆に何故私はこんな短時間で破れたのだ??」
う~~~ん‥‥
やっぱりそうか‥‥
デネブ様の困惑っぷり‥‥
伯爵様のビックリっぷり。
やっぱり伯爵様もデネブ様も視えていないんですね?
魔力無しにしか視えないのかもですね。
「お二方の魔力が完全に同一だから、ですよ。」
「「 !? 」」
「言ってる意味が‥‥
そもそも魔力に違いなどあるのか‥‥!?」
伯爵様が剣呑な表情で仰います。
そ、そこからですか‥‥?
「いや、まず、何でここに翼竜がいるんだ!?
アル、ソレは危険な生物なんだぞ!
何で背中に乗っているんだ!?」
デネブ様が信じられないという表情で仰います。
いや、そっちか~~い!
≪キュアーーーッ!!≫
突然、ベガがデネブ様を威嚇します!
眼は爛々と燃える様な赤に戻っています!
小さな稲妻のようなものが口からチョロチョロ出ています!
「「 !! 」」
「マズい!!
ああなってしまっては、私の命令でも聞く耳を持たない!」
伯爵様が焦った様に叫びます!
あッ、焦った声、超セクスィ~~~!
1
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
すべてはあなたを守るため
高菜あやめ
BL
【天然超絶美形な王太子×妾のフリした護衛】 Y国の次期国王セレスタン王太子殿下の妾になるため、はるばるX国からやってきたロキ。だが妾とは表向きの姿で、その正体はY国政府の依頼で派遣された『雇われ』護衛だ。戴冠式を一か月後に控え、殿下をあらゆる刺客から守りぬかなくてはならない。しかしこの任務、殿下に素性を知られないことが条件で、そのため武器も取り上げられ、丸腰で護衛をするとか無茶な注文をされる。ロキははたして殿下を守りぬけるのか……愛情深い王太子殿下とポンコツ護衛のほのぼの切ないラブコメディです
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
繋がれた絆はどこまでも
mahiro
BL
生存率の低いベイリー家。
そんな家に生まれたライトは、次期当主はお前であるのだと父親である国王は言った。
ただし、それは公表せず表では双子の弟であるメイソンが次期当主であるのだと公表するのだという。
当主交代となるそのとき、正式にライトが当主であるのだと公表するのだとか。
それまでは国を離れ、当主となるべく教育を受けてくるようにと指示をされ、国を出ることになったライト。
次期当主が発表される数週間前、ライトはお忍びで国を訪れ、屋敷を訪れた。
そこは昔と大きく異なり、明るく温かな空気が流れていた。
その事に疑問を抱きつつも中へ中へと突き進めば、メイソンと従者であるイザヤが突然抱き合ったのだ。
それを見たライトは、ある決意をし……?
【完】三度目の死に戻りで、アーネスト・ストレリッツは生き残りを図る
112
BL
ダジュール王国の第一王子アーネストは既に二度、処刑されては、その三日前に戻るというのを繰り返している。三度目の今回こそ、処刑を免れたいと、見張りの兵士に声をかけると、その兵士も同じように三度目の人生を歩んでいた。
★本編で出てこない世界観
男同士でも結婚でき、子供を産めます。その為、血統が重視されています。
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる