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第一章
28 未知の生物
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「これは一体‥‥?」
「伯爵様? どうなさったんですか?」
「翼竜の足の爪が何か粘着物のようなもので覆われている様だ‥‥
どこかで付着したのか、爪から分泌したのか‥‥
こんなの、初めて見る‥‥」
伯爵様は翼竜の足爪を凝視しながらそう仰います。
え?
見た事ないの?
何で?
「それは、爪から分泌されるガードですよ。
翼竜自身の為じゃなく、自分の爪から周りを守る為の。
翼竜は、優しいんです。」
そう説明すると、伯爵様が眼を見開いてこっちを見ています。
「キ、君ッ!? イツ、ソコ、ドウ、」
ドキ。
出た!
カタコト・ギャップ!
可愛くてドキドキするンで、やめて下さいっ
「君、いっ‥‥いつ、どうやって、翼竜の背に乗ったんだ!?」
伯爵様‥‥
顔面蒼白になっています‥‥
だ、大丈夫ですか!?
「自分で乗ったというより、この子が乗せてくれたんです。
鼻でヒョイとすくわれて、ポンと背中に。
くっ‥‥このモフモフ感‥‥堪りませんっ
こんなに柔らかな羽毛に覆われているなんて‥‥
僕、ここに住みたいくらいです‥‥この子‥‥
あ、この子の名前は何て言うんですか?」
「え‥‥名前‥‥ああ、『ベガ』だ。
いや、信じられない‥‥鼻で?
頭部が近付いた、という事か?
何故、喰われなかったんだ!?
あ、名前は一応付けただけで、ソレは自分の名前を認識していない‥‥」
「カワイイ名前だね!
カワイイ君にピッタリだよ。
ね、ベガ?」
≪キュン!≫
「返事した―――ッッッ!!」
「うわ、ビックリした!
伯爵様?
どうされたのです?
急に大声出したりして‥‥?」
伯爵様の様子が変です。
まるで未知の生物を見る眼で僕を見ています。
自身から漏れ出す魔力により、赤い髪を逆立て、光に包まれながら。
――― どう見ても、伯爵様の方が未知の生物ですよ?
バーーーン!!
「アルッ!!」
「はっ!! デネブ様!!」
すっか忘してた!!
「ムッ!? 結界を張ったのに、何故ここへ来れるのだ!?」
伯爵様がビックリしています。
‥‥何か無表情が懐かしいです。
「少し時間がかかったが、あんな結界など‥‥
いや、かなり強固な結界だったか‥‥
変だな、逆に何故私はこんな短時間で破れたのだ??」
う~~~ん‥‥
やっぱりそうか‥‥
デネブ様の困惑っぷり‥‥
伯爵様のビックリっぷり。
やっぱり伯爵様もデネブ様も視えていないんですね?
魔力無しにしか視えないのかもですね。
「お二方の魔力が完全に同一だから、ですよ。」
「「 !? 」」
「言ってる意味が‥‥
そもそも魔力に違いなどあるのか‥‥!?」
伯爵様が剣呑な表情で仰います。
そ、そこからですか‥‥?
「いや、まず、何でここに翼竜がいるんだ!?
アル、ソレは危険な生物なんだぞ!
何で背中に乗っているんだ!?」
デネブ様が信じられないという表情で仰います。
いや、そっちか~~い!
≪キュアーーーッ!!≫
突然、ベガがデネブ様を威嚇します!
眼は爛々と燃える様な赤に戻っています!
小さな稲妻のようなものが口からチョロチョロ出ています!
「「 !! 」」
「マズい!!
ああなってしまっては、私の命令でも聞く耳を持たない!」
伯爵様が焦った様に叫びます!
あッ、焦った声、超セクスィ~~~!
「伯爵様? どうなさったんですか?」
「翼竜の足の爪が何か粘着物のようなもので覆われている様だ‥‥
どこかで付着したのか、爪から分泌したのか‥‥
こんなの、初めて見る‥‥」
伯爵様は翼竜の足爪を凝視しながらそう仰います。
え?
見た事ないの?
何で?
「それは、爪から分泌されるガードですよ。
翼竜自身の為じゃなく、自分の爪から周りを守る為の。
翼竜は、優しいんです。」
そう説明すると、伯爵様が眼を見開いてこっちを見ています。
「キ、君ッ!? イツ、ソコ、ドウ、」
ドキ。
出た!
カタコト・ギャップ!
可愛くてドキドキするンで、やめて下さいっ
「君、いっ‥‥いつ、どうやって、翼竜の背に乗ったんだ!?」
伯爵様‥‥
顔面蒼白になっています‥‥
だ、大丈夫ですか!?
「自分で乗ったというより、この子が乗せてくれたんです。
鼻でヒョイとすくわれて、ポンと背中に。
くっ‥‥このモフモフ感‥‥堪りませんっ
こんなに柔らかな羽毛に覆われているなんて‥‥
僕、ここに住みたいくらいです‥‥この子‥‥
あ、この子の名前は何て言うんですか?」
「え‥‥名前‥‥ああ、『ベガ』だ。
いや、信じられない‥‥鼻で?
頭部が近付いた、という事か?
何故、喰われなかったんだ!?
あ、名前は一応付けただけで、ソレは自分の名前を認識していない‥‥」
「カワイイ名前だね!
カワイイ君にピッタリだよ。
ね、ベガ?」
≪キュン!≫
「返事した―――ッッッ!!」
「うわ、ビックリした!
伯爵様?
どうされたのです?
急に大声出したりして‥‥?」
伯爵様の様子が変です。
まるで未知の生物を見る眼で僕を見ています。
自身から漏れ出す魔力により、赤い髪を逆立て、光に包まれながら。
――― どう見ても、伯爵様の方が未知の生物ですよ?
バーーーン!!
「アルッ!!」
「はっ!! デネブ様!!」
すっか忘してた!!
「ムッ!? 結界を張ったのに、何故ここへ来れるのだ!?」
伯爵様がビックリしています。
‥‥何か無表情が懐かしいです。
「少し時間がかかったが、あんな結界など‥‥
いや、かなり強固な結界だったか‥‥
変だな、逆に何故私はこんな短時間で破れたのだ??」
う~~~ん‥‥
やっぱりそうか‥‥
デネブ様の困惑っぷり‥‥
伯爵様のビックリっぷり。
やっぱり伯爵様もデネブ様も視えていないんですね?
魔力無しにしか視えないのかもですね。
「お二方の魔力が完全に同一だから、ですよ。」
「「 !? 」」
「言ってる意味が‥‥
そもそも魔力に違いなどあるのか‥‥!?」
伯爵様が剣呑な表情で仰います。
そ、そこからですか‥‥?
「いや、まず、何でここに翼竜がいるんだ!?
アル、ソレは危険な生物なんだぞ!
何で背中に乗っているんだ!?」
デネブ様が信じられないという表情で仰います。
いや、そっちか~~い!
≪キュアーーーッ!!≫
突然、ベガがデネブ様を威嚇します!
眼は爛々と燃える様な赤に戻っています!
小さな稲妻のようなものが口からチョロチョロ出ています!
「「 !! 」」
「マズい!!
ああなってしまっては、私の命令でも聞く耳を持たない!」
伯爵様が焦った様に叫びます!
あッ、焦った声、超セクスィ~~~!
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