上 下
18 / 217
第一章

18 襲撃

しおりを挟む
『バリ~~~ン!』
けたたましい音と共に窓ガラスが粉々に砕け散り、
3人の魔法使いが応接室に乱入する!
意外な場所からの突然の乱入に、応接室内はパニック状態に!


――― という筋書きだったんですよね?

お生憎様、愚か者たちよ。
まず、窓ガラスを割らせはしない。
応接室の窓ガラスは淡い色ガラスを組み合わせて花々を描き出した芸術作品。
見ているだけで心が豊かになる、素晴らしい窓ガラスなのだ。
デネブ様、それを割ろうという不届き者達、やっちゃって下さい!


「ウオッ!?」
「ウエッ!?」
「ウヒィッ!?」

窓ガラスをぶち破ろうと、隣の建物の屋根から思いっきりジャンプした悪党3人。
デネブ様が張ったバリアにはじかれ、落ちて行きます。
それを、一見優しそうにも見える笑顔を湛えたデネブ様が追って行きます。

窓からヒラリと飛び降り追いかけるさまは‥‥‥
くぅッ、メチャメチャ、カッコイイ!!

悪党どもよ‥‥‥
ザ・外柔内剛、デネブ様は恐いですよ。
意外と再起不能にされると思います。
ご愁傷様です‥‥‥

‥‥あれ? ドアから来るはずの2人が来ない?
窓からの3人と同時にこの部屋へ突撃する予定じゃなかったのかな?
窓からとドアからで挟み撃ちにする気なのかと思っていたんだけど‥‥
不思議に思い、意識をドア、その先へと集中させると‥‥

‥‥はっ‥‥!!
さっきまで受付カウンターにいたはずのベテルとギウスが‥‥‥
悪党2人と一緒にいる!?

ドルチェは入り口から事務所へ入ると、右手に受付カウンター。
正面に階段があり、階段を上るとすぐに第一応接室となっています。
悪党2人は階段の途中にいて…
ベテルとギウスは階段の上り口にいる様なのです。

「あぁ‥‥!」

僕を抑えている伯爵様の手をすり抜け、ドア方向へ駆け出します。
あの、バカ双子!!
いつも言っているのに!
有事には自分の身を守る事を第一に行動するようにって!
なのにあの2人は今、多分、侵入者を止めようとしている!
馬鹿ッ!
恐がりなクセにッ!


「‥‥アルッ!?」

背後から聞こえる伯爵様の声に懇願します。

「助けて下さいっ!!
ベテルとギウスが危ないっ!!」

同時にドアをバンッと開けると ―――
やはり階段の中頃に侵入者2人が!
階段の上り口にベテルとギウスが!


あぁ‥‥ッ

今、まさに‥‥

ベテルとギウスに向けて

ナゼか頭部から血を流した侵入者達が

超強力な ――― 死に至る程の攻撃魔法を



ブワチィッッ


「「ギャアァァァァァ――――ッッッ」」


強力魔法が放たれた衝撃で、僕は床に倒れ込みます。


あぁ、ベテル! ギウス!

どうした!?

大丈夫なのかッ!?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

薬師は語る、その・・・

香野ジャスミン
BL
微かに香る薬草の匂い、息が乱れ、体の奥が熱くなる。人は死が近づくとこのようになるのだと、頭のどこかで理解しそのまま、身体の力は抜け、もう、なにもできなくなっていました。 目を閉じ、かすかに聞こえる兄の声、母の声、 そして多くの民の怒号。 最後に映るものが美しいものであったなら、最後に聞こえるものが、心を動かす音ならば・・・ 私の人生は幸せだったのかもしれません。※「ムーンライトノベルズ」で公開中

回顧

papiko
BL
若き天才∶宰相閣下 (第一王子の親友)    ×  監禁されていた第一王子 (自己犠牲という名のスキル持ち) その日は、唐突に訪れた。王国ルーチェントローズの王子三人が実の父親である国王に対して謀反を起こしたのだ。 国王を探して、開かずの間の北の最奥の部屋にいたのは―――――――― そこから思い出される記憶たち。 ※完結済み ※番外編でR18予定 【登場人物】 宰相   ∶ハルトノエル  元第一王子∶イノフィエミス 第一王子 ∶リノスフェル 第二王子 ∶アリスロメオ 第三王子 ∶ロルフヘイズ

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?

出戻り聖女はもう泣かない

たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。 男だけど元聖女。 一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。 「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」 出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。 ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。 表紙絵:CK2さま

ブレスレットが運んできたもの

mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。 そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。 血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。 これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。 俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。 そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?

帝国皇子のお婿さんになりました

クリム
BL
 帝国の皇太子エリファス・ロータスとの婚姻を神殿で誓った瞬間、ハルシオン・アスターは自分の前世を思い出す。普通の日本人主婦だったことを。  そして『白い結婚』だったはずの婚姻後、皇太子の寝室に呼ばれることになり、ハルシオンはひた隠しにして来た事実に直面する。王族の姫が19歳まで独身を貫いたこと、その真実が暴かれると、出自の小王国は滅ぼされかねない。 「それなら皇太子殿下に一服盛りますかね、主様」 「そうだね、クーちゃん。ついでに血袋で寝台を汚してなんちゃって既成事実を」 「では、盛って服を乱して、血を……主様、これ……いや、まさかやる気ですか?」 「うん、クーちゃん」 「クーちゃんではありません、クー・チャンです。あ、主様、やめてください!」  これは隣国の帝国皇太子に嫁いだ小王国の『姫君』のお話。

完結 若い愛人がいる?それは良かったです。

音爽(ネソウ)
恋愛
妻が余命宣告を受けた、愛人を抱える夫は小躍りするのだが……

十年目の離婚

杉本凪咲
恋愛
結婚十年目。 夫は離婚を切り出しました。 愛人と、その子供と、一緒に暮らしたいからと。

処理中です...