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2.ばーちゃんの心配事
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「あれん・・・どうして泣くの!?」
あぁ・・・ばーちゃんに心配かけたくないのに・・・
俺、ばーちゃんのストレスになりたくない・・・
「ち、違う違う、きっと夢が懐かしくて・・・うれし涙だよ! ウン。」
どんな夢だったかは思い出せないんだけど、もうそーゆー事にしとこう・・・
「はぁ、え~~と、何時かな・・?」
机の上の壊れて音の出ない目覚まし時計に目をやる。
まだ05:41。
このまま起きてしまうには 早朝過ぎる。
「ばーちゃん、もう少し寝たら?」
たとえ5分でも、寝られるだけ寝るのがばーちゃんだ――けど、チョコンと俺のベッドの端に座る。
目を見開き、思いつめた顔をしている。
ばーちゃんは、まぁまぁ精神的に不安定なところがあるけど、いつもよりヤバいかも。
「あの・・ごめんね、起こしちゃって・・・」
とにかく、先ずは謝る。
「あれん、深海君と、付き合ってるの?」
・・・絶句。
ばーちゃんも寝ぼけてるんだろうか?
「にっ・・・肉体関係は!? もう・・・しちゃって・・・!?」
ばーちゃんが畳みかけてくる。
「何言ってんの? ばーちゃん、俺、男だよ?」
「わかってるけどっ、ねぇ、正直に言・・」
「俺が肉体関係持つなら相手は女の人!
間違っても身長2メートル超のゴリラ・・・いや、男じゃないから!」
「じゃぁ、陸城君や真空君とは・・?」
え、ばーちゃん、シツコイ・・・!
「深海とも陸城とも真空とも誰ともやってません!」
何でこんな当たり前の事を早朝から全力で説明しなければならないのか・・・
目眩を感じる・・・
それでもばーちゃんは安心できないようで まだ聞いてくる。
「3人に・・・恋愛感情は・・・ないのね?」
「無いよ! ばーちゃん、俺、ゲイの人じゃないから!
・・・ホント、どーしちゃったの急に?!」
「だって・・・だって、あれんは誰よりも美人だから!!」
・・・・お・・、おおぅっ・・・!?
ばーちゃんは、ばばバカだったっけ・・・?
凄まじい身内贔屓だ・・・しかも“イケメン”とかじゃなくて“美人”って・・・
それ、女子の為だけのワードじゃ・・・
心配しなくても、俺、恋愛なんて全然ムリ。
相手になってくれる人がいない――という現状をばーちゃんは知らないんだなぁ・・・
中学の頃、学校の廊下を前方から歩いて来た女子に
『ひっ・・・恐・・・』などと怯えられ逃げられ・・・という事が何度か続いた。
たったそれだけで・・・と笑われるかもしれないが、中学男子にとって女子の一言は非常に重い。
特に『かわいいなぁ』と秘かに気になっていた女子に怯えられたとあれば、自分に絶望するのは仕方のない事だと思う。
それに―――
根本的に、俺はそれ程 恋愛に執着がないのだと思う。
中学に入学したての頃は、制服姿の女子が眩しくて可愛くて、ワクワクドキドキしたものだけど、どうやら自分は女子に(男子にもだけど)避けられてるっぽいなーと自覚してからは、
『ああ、ウン、じゃ、しょーがないか・・・』
と、意外とあっさり諦められた。
俺は、多分一生独りなんだろうな。
まぁ、誰にでも向き不向きがあって、俺は恋愛に向いてないだけ。
今はまだ何も無いけど、何か自分に向いてる事見つけて、一般的な“幸せ”とは違う自分なりの幸せを模索しなきゃならんのだろうな・・・あ、ヤバ・・・涙出そう・・・だ、大丈夫・・・、ガンバレ、俺!
俺はそっと目じりの涙を拭う。
さて、とにかくばーちゃんを安心させないと・・!
「え~~と、ばーちゃんは色々勘違いしてると思・・」
かぶせる様にばーちゃんがボソボソ言う。
「私、最近わかったんだよ、色々・・・サラの事・・・」
「・・え・・母さんの事? 何で母さんが出てくるの?」
思いがけなさ過ぎて思考が惑う。
「だから、あれんが・・あれんまでサラの二の舞になっちゃったらって・・・恐くて・・」
ばーちゃんはフルフルと頭を振って
「ううん・・・そんな言い方・・・違うのかも・・・でも・・あの人達のサラへの執着が・・やっぱり異常だった・・サラは友達として感謝してたけど、同じくらい苦しんでいたんだ・・」
母さんが苦しんでた? どういう事だ!?
「・・そ、その話って、母さんの友達だった陸城の母親・瑛子さん、深海の母親・美依子さん、真空の母親・思惟子さんの事?」
俺の母さんと 陸城・深海・真空の母親は高校生からの友達だと聞いている。
「他にも何人かいたわ。 男の子もね。 一緒に勉強したり出掛けたり・・・
ただの仲良しグループで、サラはそのうちの一人だと思ってた――でも実際は、皆サラの親衛隊だった・・・」
「親衛隊!? 母さんて、何かの代表でもやってたの!?」
俺が覚えてる母さんは普通の女の人だった。
人の先頭に立って何かやる感じじゃなかったし、どっちかっていうと自信なさげでボーっとしてる事が多かった・・・
「あの子は普通の女の子だったよ! どこにでもいる、普通の・・・!
ちょっと・・ドジなところはあったけど・・・常に誰かに守ってもらわなきゃならないようではなかった――本当に普通の、普通の子だった!!」
「守る・・・」
その言葉は―――
俺が常日頃 陸城・深海・真空から言われてる言葉。
実際、俺は彼等からかなり守られていると思う・・・
「普通の女の子を同級生が集団で守る・・・異常な事よ・・・当然ひずみが生まれる。
親衛隊内で最初は小競り合いから・・・暴力事件にまで発展して・・・怪我人が出るまでになったらしいのよ。」
「怪我人・・?」
「一番酷い人は、植物状態になった、って・・・」
「!」
・・・母さんがそんな重い過去を背負っていたなんて・・・
「サラにはどうする事もできなかった・・・当り前よ、普通の子だもの!
それでもサラは責任を感じて・・・壊れてしまった。」
壊れてた!? 母さんが!?
「俺は――母さんが壊れてるなんて思ってなかった・・・。
一緒にご飯食べてる時も ピアノを弾きながら歌ってる時も 手をつないで散歩してる時も・・・・“理想の場所”を探してる時も・・・」
「“理想の場所”っ!?」
弾かれた様に反応するばーちゃん。
「えっ・・」
「そ、それって・・・“理想の場所”って・・・み、見つかった・・・の?」
目を見開いてばーちゃんが聞いてくる。
え、動揺ハンパない・・・
「え~と、・・・ん? 何だっけ? あれ?
・・・あ、ご、ごめん・・・何か・・言った瞬間は分かってたんだけど
―――何か急に分かんない・・・???」
「・・・そう・・・」
ばーちゃんがなんとも言えない表情をしてる。
「・・・ごめん、・・・なさい。」
母さんが亡くなる以前の1年ぐらいの間と、亡くなった時周辺の記憶が、俺には無い。
その抜けてる部分の記憶なのかもしれない。
思い出せない夢も、言葉にした途端消えてしまう記憶も・・・
「・・・とにかく・・・ね、深海君達3人を見てると不安になるの。
その内、あれんを巡って争うかも、って」
「ばーちゃん!? それは無いよ! 3人は幼馴染で仲いいし、優しい、いい奴等だし!
何より“俺を巡って争う”とか、絶っっっ対無いから!」
「あれんは、恋を知らないでしょ?」
ド―――――ンンンン!!!!!!
(被弾シマシタ)
「エ・・・知リマセンケド・・・」
そう、俺は高2にもなって未だ初恋すら未経験のヘタレ・・・そんな事もあって恋愛を諦めてるんだけど・・・でも強めの劣等感は 当然あるわけで・・・
言われるのは辛いんだよ? ばーちゃん・・・!
「恋に落ちるとね、時に人は化物にもなるの。 サラの親衛隊は、皆サラの1番になりたがった。 男も女も“友達以上”になりたがった。 その為なら、何だってやる化物になった。」
「・・・化物?」
「サラは私を心配させない為に、私に隠していたから、私も最近知ったの。
あの子、高校卒業と同時に家を出たから、私も気付けなかった・・・
サラは大学生の頃 一部の親衛隊に拉致監禁されて・・・」
「・・・な!?」
「命懸けで助けてくれた人がいたから、乱暴なんかはされず無事救出されたらしいけど、その、助けてくれた人が犯人たちの暴力を受けて植物状態になってしまったって・・・」
ばーちゃんは今までは、母さんの学生時代の話を避けているようだった。
なのに急に とんでもない事を次々と・・・
「ばーちゃん、“最近知った”って・・・何で?
誰かに聞いたの? 母さんの秘密の日記でも見つかった?」
「・・・いずれ話すわ。 先ずはあなたは身辺を整えなきゃ。
彼等とは絶交しなさい。」
「は!? 何言ってんの?! 大切な友達だよ!?」
いきなりの絶交しろ発言に思わず声を荒げる。
俺は3人を一生の友達って思ってるのに・・・!
「あれん、わからない!?
彼等・・・あなたを欲しがってる・・・!
抱きたくってしょうがないのよ!!」
ばーちゃんも喚きたてる。
内容がとんでもない・・・
否定するスキもなくばーちゃんが絶叫する。
「絶交して!! 悲劇の芽を摘んで!!
あれんは、せっかく普通なんだから!
マトモなんだから!!
サラとは違って・・・はっ!」
「!?」
どういう事だ?!
ばーちゃんはいつも母さんの事 普通だって・・・普通の子だって・・・
でも本当はそう思ってなかった?
母さんの、あの症状の事・・・
だけど訊ねることは出来ない・・・
目の前のばーちゃんは俯いて震えてるから・・・
これ以上のストレスは心臓に悪い。
「ばーちゃん、大丈夫、大丈夫だよ・・・」
俺はそっとばーちゃんを抱きしめる。
そんな言葉は無責任で意味がないと解りながら繰り返す。
「全部、大丈夫だからね・・・」
ばーちゃんの震えが治まり、落ち着くまで―――
あぁ・・・ばーちゃんに心配かけたくないのに・・・
俺、ばーちゃんのストレスになりたくない・・・
「ち、違う違う、きっと夢が懐かしくて・・・うれし涙だよ! ウン。」
どんな夢だったかは思い出せないんだけど、もうそーゆー事にしとこう・・・
「はぁ、え~~と、何時かな・・?」
机の上の壊れて音の出ない目覚まし時計に目をやる。
まだ05:41。
このまま起きてしまうには 早朝過ぎる。
「ばーちゃん、もう少し寝たら?」
たとえ5分でも、寝られるだけ寝るのがばーちゃんだ――けど、チョコンと俺のベッドの端に座る。
目を見開き、思いつめた顔をしている。
ばーちゃんは、まぁまぁ精神的に不安定なところがあるけど、いつもよりヤバいかも。
「あの・・ごめんね、起こしちゃって・・・」
とにかく、先ずは謝る。
「あれん、深海君と、付き合ってるの?」
・・・絶句。
ばーちゃんも寝ぼけてるんだろうか?
「にっ・・・肉体関係は!? もう・・・しちゃって・・・!?」
ばーちゃんが畳みかけてくる。
「何言ってんの? ばーちゃん、俺、男だよ?」
「わかってるけどっ、ねぇ、正直に言・・」
「俺が肉体関係持つなら相手は女の人!
間違っても身長2メートル超のゴリラ・・・いや、男じゃないから!」
「じゃぁ、陸城君や真空君とは・・?」
え、ばーちゃん、シツコイ・・・!
「深海とも陸城とも真空とも誰ともやってません!」
何でこんな当たり前の事を早朝から全力で説明しなければならないのか・・・
目眩を感じる・・・
それでもばーちゃんは安心できないようで まだ聞いてくる。
「3人に・・・恋愛感情は・・・ないのね?」
「無いよ! ばーちゃん、俺、ゲイの人じゃないから!
・・・ホント、どーしちゃったの急に?!」
「だって・・・だって、あれんは誰よりも美人だから!!」
・・・・お・・、おおぅっ・・・!?
ばーちゃんは、ばばバカだったっけ・・・?
凄まじい身内贔屓だ・・・しかも“イケメン”とかじゃなくて“美人”って・・・
それ、女子の為だけのワードじゃ・・・
心配しなくても、俺、恋愛なんて全然ムリ。
相手になってくれる人がいない――という現状をばーちゃんは知らないんだなぁ・・・
中学の頃、学校の廊下を前方から歩いて来た女子に
『ひっ・・・恐・・・』などと怯えられ逃げられ・・・という事が何度か続いた。
たったそれだけで・・・と笑われるかもしれないが、中学男子にとって女子の一言は非常に重い。
特に『かわいいなぁ』と秘かに気になっていた女子に怯えられたとあれば、自分に絶望するのは仕方のない事だと思う。
それに―――
根本的に、俺はそれ程 恋愛に執着がないのだと思う。
中学に入学したての頃は、制服姿の女子が眩しくて可愛くて、ワクワクドキドキしたものだけど、どうやら自分は女子に(男子にもだけど)避けられてるっぽいなーと自覚してからは、
『ああ、ウン、じゃ、しょーがないか・・・』
と、意外とあっさり諦められた。
俺は、多分一生独りなんだろうな。
まぁ、誰にでも向き不向きがあって、俺は恋愛に向いてないだけ。
今はまだ何も無いけど、何か自分に向いてる事見つけて、一般的な“幸せ”とは違う自分なりの幸せを模索しなきゃならんのだろうな・・・あ、ヤバ・・・涙出そう・・・だ、大丈夫・・・、ガンバレ、俺!
俺はそっと目じりの涙を拭う。
さて、とにかくばーちゃんを安心させないと・・!
「え~~と、ばーちゃんは色々勘違いしてると思・・」
かぶせる様にばーちゃんがボソボソ言う。
「私、最近わかったんだよ、色々・・・サラの事・・・」
「・・え・・母さんの事? 何で母さんが出てくるの?」
思いがけなさ過ぎて思考が惑う。
「だから、あれんが・・あれんまでサラの二の舞になっちゃったらって・・・恐くて・・」
ばーちゃんはフルフルと頭を振って
「ううん・・・そんな言い方・・・違うのかも・・・でも・・あの人達のサラへの執着が・・やっぱり異常だった・・サラは友達として感謝してたけど、同じくらい苦しんでいたんだ・・」
母さんが苦しんでた? どういう事だ!?
「・・そ、その話って、母さんの友達だった陸城の母親・瑛子さん、深海の母親・美依子さん、真空の母親・思惟子さんの事?」
俺の母さんと 陸城・深海・真空の母親は高校生からの友達だと聞いている。
「他にも何人かいたわ。 男の子もね。 一緒に勉強したり出掛けたり・・・
ただの仲良しグループで、サラはそのうちの一人だと思ってた――でも実際は、皆サラの親衛隊だった・・・」
「親衛隊!? 母さんて、何かの代表でもやってたの!?」
俺が覚えてる母さんは普通の女の人だった。
人の先頭に立って何かやる感じじゃなかったし、どっちかっていうと自信なさげでボーっとしてる事が多かった・・・
「あの子は普通の女の子だったよ! どこにでもいる、普通の・・・!
ちょっと・・ドジなところはあったけど・・・常に誰かに守ってもらわなきゃならないようではなかった――本当に普通の、普通の子だった!!」
「守る・・・」
その言葉は―――
俺が常日頃 陸城・深海・真空から言われてる言葉。
実際、俺は彼等からかなり守られていると思う・・・
「普通の女の子を同級生が集団で守る・・・異常な事よ・・・当然ひずみが生まれる。
親衛隊内で最初は小競り合いから・・・暴力事件にまで発展して・・・怪我人が出るまでになったらしいのよ。」
「怪我人・・?」
「一番酷い人は、植物状態になった、って・・・」
「!」
・・・母さんがそんな重い過去を背負っていたなんて・・・
「サラにはどうする事もできなかった・・・当り前よ、普通の子だもの!
それでもサラは責任を感じて・・・壊れてしまった。」
壊れてた!? 母さんが!?
「俺は――母さんが壊れてるなんて思ってなかった・・・。
一緒にご飯食べてる時も ピアノを弾きながら歌ってる時も 手をつないで散歩してる時も・・・・“理想の場所”を探してる時も・・・」
「“理想の場所”っ!?」
弾かれた様に反応するばーちゃん。
「えっ・・」
「そ、それって・・・“理想の場所”って・・・み、見つかった・・・の?」
目を見開いてばーちゃんが聞いてくる。
え、動揺ハンパない・・・
「え~と、・・・ん? 何だっけ? あれ?
・・・あ、ご、ごめん・・・何か・・言った瞬間は分かってたんだけど
―――何か急に分かんない・・・???」
「・・・そう・・・」
ばーちゃんがなんとも言えない表情をしてる。
「・・・ごめん、・・・なさい。」
母さんが亡くなる以前の1年ぐらいの間と、亡くなった時周辺の記憶が、俺には無い。
その抜けてる部分の記憶なのかもしれない。
思い出せない夢も、言葉にした途端消えてしまう記憶も・・・
「・・・とにかく・・・ね、深海君達3人を見てると不安になるの。
その内、あれんを巡って争うかも、って」
「ばーちゃん!? それは無いよ! 3人は幼馴染で仲いいし、優しい、いい奴等だし!
何より“俺を巡って争う”とか、絶っっっ対無いから!」
「あれんは、恋を知らないでしょ?」
ド―――――ンンンン!!!!!!
(被弾シマシタ)
「エ・・・知リマセンケド・・・」
そう、俺は高2にもなって未だ初恋すら未経験のヘタレ・・・そんな事もあって恋愛を諦めてるんだけど・・・でも強めの劣等感は 当然あるわけで・・・
言われるのは辛いんだよ? ばーちゃん・・・!
「恋に落ちるとね、時に人は化物にもなるの。 サラの親衛隊は、皆サラの1番になりたがった。 男も女も“友達以上”になりたがった。 その為なら、何だってやる化物になった。」
「・・・化物?」
「サラは私を心配させない為に、私に隠していたから、私も最近知ったの。
あの子、高校卒業と同時に家を出たから、私も気付けなかった・・・
サラは大学生の頃 一部の親衛隊に拉致監禁されて・・・」
「・・・な!?」
「命懸けで助けてくれた人がいたから、乱暴なんかはされず無事救出されたらしいけど、その、助けてくれた人が犯人たちの暴力を受けて植物状態になってしまったって・・・」
ばーちゃんは今までは、母さんの学生時代の話を避けているようだった。
なのに急に とんでもない事を次々と・・・
「ばーちゃん、“最近知った”って・・・何で?
誰かに聞いたの? 母さんの秘密の日記でも見つかった?」
「・・・いずれ話すわ。 先ずはあなたは身辺を整えなきゃ。
彼等とは絶交しなさい。」
「は!? 何言ってんの?! 大切な友達だよ!?」
いきなりの絶交しろ発言に思わず声を荒げる。
俺は3人を一生の友達って思ってるのに・・・!
「あれん、わからない!?
彼等・・・あなたを欲しがってる・・・!
抱きたくってしょうがないのよ!!」
ばーちゃんも喚きたてる。
内容がとんでもない・・・
否定するスキもなくばーちゃんが絶叫する。
「絶交して!! 悲劇の芽を摘んで!!
あれんは、せっかく普通なんだから!
マトモなんだから!!
サラとは違って・・・はっ!」
「!?」
どういう事だ?!
ばーちゃんはいつも母さんの事 普通だって・・・普通の子だって・・・
でも本当はそう思ってなかった?
母さんの、あの症状の事・・・
だけど訊ねることは出来ない・・・
目の前のばーちゃんは俯いて震えてるから・・・
これ以上のストレスは心臓に悪い。
「ばーちゃん、大丈夫、大丈夫だよ・・・」
俺はそっとばーちゃんを抱きしめる。
そんな言葉は無責任で意味がないと解りながら繰り返す。
「全部、大丈夫だからね・・・」
ばーちゃんの震えが治まり、落ち着くまで―――
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