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2 四花繚乱

51 公女たちのペチャクチャタイム 1

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「あら…失礼ですが…意外ですわ」


クローバー公国公女オクサリスが。

新たにソファに加わったスペード公国公女カリステプスをマジマジと見て、不思議そうな声を上げる。


「あら、わたくし?」


『何かしら』という表情のカリステプスに、オクサリスはダイヤ公国公女ダリアとカリステプスに交互に視線を移しながら説明する。


「ええ、いえ…
お二人ともお針子を呼び寄せたと聞いていたものですから、きっとドレスをアレンジされるのだろうなと思っていたのですが――」


ああ、とカリステプスは頷くと、恥ずかしそうに。


「それがね、母の意向でとんでもないセクシードレスにアレンジされてしまって…
とてもわたくしが着こなせる代物ではなかったので、ね」

「セクシードレス…
見てみたかったです」

とダリア。

「スペード公妃殿下の意向…」

とオクサリス。

「わたくしの方はね…お針子さんは良い仕事をしてくれたのだけれど…あぁ、もう聞き及んでいるわよね、わたくしの母の愚行。
母が見事にやらかしてくれたし、わたくしの方でも侍女がやらかして…なのでわたくしは戦線離脱よ。
本当は晩餐会に出席する資格も無いのだけれど、それはそれで失礼だろうと父に言われてのこのこ来たのよ。
謝れる機会を見つけたらとにかく何度でも謝る為にね。
そんな参加理由だからお洒落するのも違うでしょ?」

「え…ダイヤ公妃が?
そう言えばお姿がありませんね。
一体何を…」


何も知らない様子でフワキョトな表情を向けるオクサリスに、ダリアは(うわ~~~可愛い…これで男子はやられちゃうワケか)などと納得しながら説明する。


「御存知無かったのね、え~と、どうせすぐにバレる事だからぶっちゃけるけど、皇帝陛下を性的に襲う目的でプライベートスペースに侵入したのよ。
『だってあの尊いお姿が、あの低音イケボが~~~』って言いながら馬車に押し込められて現在強制退去中。
『永久帝都追放』をくらったから、とにかく帝都を出なきゃって事でまだ爆走中だと思うわ」

「えッ‥‥‥
まぁ…わたくしの母は何て運がいいのかしら…
わたくしの母も夜這いを計画しておりましたのよ…」

「「えぇっ」」


どこかぼんやりした感じでぶっちゃけるオクサリスにダリアとカリステプスは声を揃えて驚く。


「‥でもわたくしと言い争う中でその計画をぶちまけてしまって、それを父に聞かれて今は『東の城』の1室に監禁中ですの。
軟禁ではなく監禁ですのよ…両手両足を拘束した…そうでもしないとやらかすに決まっているから仕方ないのですわ…でも、『永久帝都追放』をくらった方がこちらとしては安心かも…」


随分と母親に対して手厳しいオクサリスにちょっと引きながら、カリステプスもぶっちゃける。


「…何と言うか…
実はわたくしの母も似たようなもので…そこまでは白状してませんが最終手段として夜這いは考えていたと思います…先ずは晩餐会にセクシードレスで出席して反応を見て、誘われなければ自分から行ったはずです。
とにかく皇帝陛下にのぼせ上ってしまって――まぁ、何とか父の説得で今は『北の城』に引きこもってます…軟禁状態ですわね――あら、となると…」

「3公国の公妃が欠席という事になりますわね!」


ダリアが続きを引き取る。


「では、公妃として出席されるのはまだいらしていないハート公妃殿下のみ…」


シィ……ン


沈黙を破り、カリステプスが口を開く。
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