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2 四花繚乱
47 晩餐会直前騒動 4
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「20年前?――はぁ…
お母様が頑張るべきだったのは20年前で今ではないわ。
20年前皇后の座を諦めてスペード公王と結婚したのに何故今さらやる気になっているのよ?」
もうメンクサになって来たカリステプスは奥の部屋でドレスを着替えながらどうでもいい質問をする。
放っておくとまた露出狂ドレスを身につけて晩餐会場に突撃してしまうので父公王が来るまでの時間稼ぎだ。
「20年前は皇帝陛下はまだ皇太子殿下だったから『皇后の座』じゃなくて『皇太子妃の座』よ」
「細か!」
「大事な事よ!
20年前は皇太子殿下にまるでその気が無かったのよ!
ここ、カード宮殿に引きこもって、しかも私達皇太子妃候補がカード宮殿を訪ねる事も禁止して、誰ともお会いにならなかったのよ!
それでもわたくしは努力したわよ!
カード宮殿の門前に毎日通い、最後には門前で馬車に1ヶ月も寝泊まりしてお会いして下さるよう懇願したり、」
「おお恐‥そんな狂気じみた事をするから会って下さらなかった――いえ、恐くてお会いになれなかったんではないの?」
「あら、わたくしだけではないわ!
皇太子妃候補と名が挙がった人は皆やったのよ!
カード宮殿門前に皆馬車で寝泊まりして、わたくしたち目当てに屋台とかお店も現れて『皇太子妃候補村』なんて呼ばれてたんだから!」
「…前からうっすら思っていたけど、お母様世代って恐過ぎるわ。
恋愛に対するパワーが…異常だと思うわ」
「ふん、バカにして」
「そうではないわ…」
(羨ましいという気持ちもあるわ…)
「まぁいいけどね。
世代ねぇ…そう、ダイヤ公妃とクローバー公妃もいたわ、『皇太子妃候補村』に」
「えぇっ!?
あ~~~、何か分かるわ…あの2人、お母様に負けず劣らず派手だったもの!
普通はお母様世代の女性はベールを被って修道女の様な服装でしょう?
そんな恰好をしていたのはハート公妃だけだったもの!」
「派手!?…わたくしは随分抑えたわよ!?
ふふ…元が華やかなもんだから抑えても目立っちゃうのよねぇ…
ダイヤ公妃は相変わらずギラギラしていたわねぇ。
悪い人じゃないんだけど暑苦しいのよね、近くに居ると。
クローバー公妃はね、あの人も相変わらず…病んでる感じだったわねぇ。
『皇太子妃候補村』でも誰とも打ち解けずにずっと独りでいたわよ。
私達はキャンプファイヤーやったりバーベキューやったりして情報交換?したりしたけど――まぁねぇ、ご実家でね、虐待されてたらしいとか…ね」
「ハート公妃は?
4公妃の中であの御方だけが落ち着いていて素敵だと思ったわ!
上品で威厳があって『あれこそ公妃の姿よ!』って思ったもの!
ハート公妃は20年前皇太子妃候補ではなかったの?」
「あの人はね、下位貴族である男爵家の出でね、しかも悪評がね」
「悪評‥嘘でしょ?」
ベールを被っているハート公妃は容姿は分からないけど、そこに居るだけで威厳があり、しかも柔らかな空気も感じさせる不思議で素敵な女性だと感じていたカリステプスは『悪評』というのが信じられない。
「その大きな、美しい、切れ長の、知的でクールな目は節穴なの?」
奥の部屋で着替え中の娘にそう問いを投げ掛ける母。
何も返さない娘に『これだから世間知らずは』と鼻で笑う。
お母様が頑張るべきだったのは20年前で今ではないわ。
20年前皇后の座を諦めてスペード公王と結婚したのに何故今さらやる気になっているのよ?」
もうメンクサになって来たカリステプスは奥の部屋でドレスを着替えながらどうでもいい質問をする。
放っておくとまた露出狂ドレスを身につけて晩餐会場に突撃してしまうので父公王が来るまでの時間稼ぎだ。
「20年前は皇帝陛下はまだ皇太子殿下だったから『皇后の座』じゃなくて『皇太子妃の座』よ」
「細か!」
「大事な事よ!
20年前は皇太子殿下にまるでその気が無かったのよ!
ここ、カード宮殿に引きこもって、しかも私達皇太子妃候補がカード宮殿を訪ねる事も禁止して、誰ともお会いにならなかったのよ!
それでもわたくしは努力したわよ!
カード宮殿の門前に毎日通い、最後には門前で馬車に1ヶ月も寝泊まりしてお会いして下さるよう懇願したり、」
「おお恐‥そんな狂気じみた事をするから会って下さらなかった――いえ、恐くてお会いになれなかったんではないの?」
「あら、わたくしだけではないわ!
皇太子妃候補と名が挙がった人は皆やったのよ!
カード宮殿門前に皆馬車で寝泊まりして、わたくしたち目当てに屋台とかお店も現れて『皇太子妃候補村』なんて呼ばれてたんだから!」
「…前からうっすら思っていたけど、お母様世代って恐過ぎるわ。
恋愛に対するパワーが…異常だと思うわ」
「ふん、バカにして」
「そうではないわ…」
(羨ましいという気持ちもあるわ…)
「まぁいいけどね。
世代ねぇ…そう、ダイヤ公妃とクローバー公妃もいたわ、『皇太子妃候補村』に」
「えぇっ!?
あ~~~、何か分かるわ…あの2人、お母様に負けず劣らず派手だったもの!
普通はお母様世代の女性はベールを被って修道女の様な服装でしょう?
そんな恰好をしていたのはハート公妃だけだったもの!」
「派手!?…わたくしは随分抑えたわよ!?
ふふ…元が華やかなもんだから抑えても目立っちゃうのよねぇ…
ダイヤ公妃は相変わらずギラギラしていたわねぇ。
悪い人じゃないんだけど暑苦しいのよね、近くに居ると。
クローバー公妃はね、あの人も相変わらず…病んでる感じだったわねぇ。
『皇太子妃候補村』でも誰とも打ち解けずにずっと独りでいたわよ。
私達はキャンプファイヤーやったりバーベキューやったりして情報交換?したりしたけど――まぁねぇ、ご実家でね、虐待されてたらしいとか…ね」
「ハート公妃は?
4公妃の中であの御方だけが落ち着いていて素敵だと思ったわ!
上品で威厳があって『あれこそ公妃の姿よ!』って思ったもの!
ハート公妃は20年前皇太子妃候補ではなかったの?」
「あの人はね、下位貴族である男爵家の出でね、しかも悪評がね」
「悪評‥嘘でしょ?」
ベールを被っているハート公妃は容姿は分からないけど、そこに居るだけで威厳があり、しかも柔らかな空気も感じさせる不思議で素敵な女性だと感じていたカリステプスは『悪評』というのが信じられない。
「その大きな、美しい、切れ長の、知的でクールな目は節穴なの?」
奥の部屋で着替え中の娘にそう問いを投げ掛ける母。
何も返さない娘に『これだから世間知らずは』と鼻で笑う。
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