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2 四花繚乱
29 クローバー公女オクサリス 4
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オクサリスが母公妃を真っ直ぐ見据えたまま言い放つ。
「――血よりも濃い絆がわたくしとカーミレの間にはあるの。
カーミレに害をなそうとする者は誰であってもわたくしが許さない!」
「‥姫様ッ‥」
いつの間にかカーミレよりも背が高くなっていたオクサリス。
あの小さくて、体が弱くて、いつも不安気に瞳を揺らしていた姫様が、こんなに強く立派になられて私を守ろうと――!
カーミレの頬を幾重にも涙が伝う。
「‥な、何が絆よ?
カーミレは侍女の仕事をしてるだけ!
お金の為にやっているただの仕事を絆だとか笑っちゃうわ‥」
「あなたと話す事は何も無いわ。
今すぐこの部屋を出てお行きなさい。
――命令よ!」
「ッ!偉そうに!
そんな風にしていられるのも今の内よ!
わたくしが皇后になったら、また立場が逆転するんだからッ!」
「「――は??」」
クローバー公妃がカード皇帝の皇后になる?
突然おかしな事を言い出す公妃に、オクサリスもカーミレも揃ってポカンとする。
その様子に気を良くしたのか、公妃は密かな計画をぶちまける!
「わたくしはね、今夜皇帝陛下に抱かれるつもり――夜這いをかけるのよ!
今回のカード宮殿への御招待の話を聞いた時からそうすると決めて来たんだから!
――あら、何をビックリしているの?
本当なら皇帝陛下の妃になるべきはわたくし達の世代なのよ!
20年前、わたくしはお后候補の一人だったんだから!
その時は皇帝陛下に結婚の御意志が無くてお会いする事も叶わなかったけど…
やっと結婚する気になられたのだから、今回のお話はわたくし達の世代に来るのが筋ってものでしょうよ?
皇帝陛下だってあなた達の様なお子様より、大人の魅力タップリの女盛りのわたくしの方がいいと直ぐに分かる――わたくしがこのカラダで教えて差し上げる!
お世継ぎ問題だってあるのだから。
子を産む能力があるかどうかも分からないあなた達より、既に子を産んだ実績のあるわたくしの方が相応しいのよ!
――ふんッ、そんな顔しちゃって…
今さら焦ったって夜這いをやめてあげないわよ!
今夜の為にずっと体の手入れをして最高に仕上げて来たんだから!
アッハハハハァ!
真っ青な顔しちゃってさっきまでの威勢はどうしたのよ!?
え? 後ろ? 何?」
黙って俯き加減で公妃の後ろを指差すオクサリスとカーミレに、公妃は後ろに目をやり――絶句する。
萌黄色の髪に金の瞳。
オクサリスと全く同じ色のその男性はオクサリスの父親、公妃の夫――
クローバー公国君主クローバー公王である。
「――血よりも濃い絆がわたくしとカーミレの間にはあるの。
カーミレに害をなそうとする者は誰であってもわたくしが許さない!」
「‥姫様ッ‥」
いつの間にかカーミレよりも背が高くなっていたオクサリス。
あの小さくて、体が弱くて、いつも不安気に瞳を揺らしていた姫様が、こんなに強く立派になられて私を守ろうと――!
カーミレの頬を幾重にも涙が伝う。
「‥な、何が絆よ?
カーミレは侍女の仕事をしてるだけ!
お金の為にやっているただの仕事を絆だとか笑っちゃうわ‥」
「あなたと話す事は何も無いわ。
今すぐこの部屋を出てお行きなさい。
――命令よ!」
「ッ!偉そうに!
そんな風にしていられるのも今の内よ!
わたくしが皇后になったら、また立場が逆転するんだからッ!」
「「――は??」」
クローバー公妃がカード皇帝の皇后になる?
突然おかしな事を言い出す公妃に、オクサリスもカーミレも揃ってポカンとする。
その様子に気を良くしたのか、公妃は密かな計画をぶちまける!
「わたくしはね、今夜皇帝陛下に抱かれるつもり――夜這いをかけるのよ!
今回のカード宮殿への御招待の話を聞いた時からそうすると決めて来たんだから!
――あら、何をビックリしているの?
本当なら皇帝陛下の妃になるべきはわたくし達の世代なのよ!
20年前、わたくしはお后候補の一人だったんだから!
その時は皇帝陛下に結婚の御意志が無くてお会いする事も叶わなかったけど…
やっと結婚する気になられたのだから、今回のお話はわたくし達の世代に来るのが筋ってものでしょうよ?
皇帝陛下だってあなた達の様なお子様より、大人の魅力タップリの女盛りのわたくしの方がいいと直ぐに分かる――わたくしがこのカラダで教えて差し上げる!
お世継ぎ問題だってあるのだから。
子を産む能力があるかどうかも分からないあなた達より、既に子を産んだ実績のあるわたくしの方が相応しいのよ!
――ふんッ、そんな顔しちゃって…
今さら焦ったって夜這いをやめてあげないわよ!
今夜の為にずっと体の手入れをして最高に仕上げて来たんだから!
アッハハハハァ!
真っ青な顔しちゃってさっきまでの威勢はどうしたのよ!?
え? 後ろ? 何?」
黙って俯き加減で公妃の後ろを指差すオクサリスとカーミレに、公妃は後ろに目をやり――絶句する。
萌黄色の髪に金の瞳。
オクサリスと全く同じ色のその男性はオクサリスの父親、公妃の夫――
クローバー公国君主クローバー公王である。
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