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第一章
1の63 退屈な男、気持ち悪い女
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ザッ‥‥
ハッ‥‥
気付けば、フラットは先程ゴブリンを目撃した庭園に来ていた。
だが、今回そこにいたのは、腰まであるストレートの銀髪に金色の瞳の女性。
もうすっかり陽が落ちて暗い。
庭園のそこここにある篝火に浮かび上がるその姿は神秘的というより不気味だとフラットは思う。
「聖女マーリン殿が、なぜ主宮殿の庭園へ?
同じ宮殿敷地内とは言え神殿は遠い。
気軽に散歩という距離でもなかろう。
(やはりいつ見ても不気味で気持ち悪い女だ。
シレーヌ姫の爪の垢を煎じて飲むといいのだ)」
「これは第二王子フラット殿下。
こちらの庭園には神殿の庭園には無い花があります。
見頃だと耳にしたので散歩がてら見せて頂こうと‥‥
十分堪能しましたのでもう戻りますわ。
失礼致します。
(相変わらず面白味の無い退屈な男‥‥
レイ殿下とは比べることも出来ないわ)」
「先ほど‥‥
先ほど聖女の居た辺りにゴブリンがいた。
聖女は宮殿敷地内でゴブリンを見た事は?」
フラットが『先ほど‥‥』と言った時には聖女は聞こえないふりをして立ち去ろうとしていたが、『‥‥ゴブリンがいた』と続いた瞬間、聖女はその歩を止め、第二王子フラットに振り向いた。
目を見開き、必死の形相をしている。
いつも、思わず『何様のつもりだ?』と聞きたくなるほどクソ澄ましている女が見せる普通の女の表情に、フラットはどこか嫌悪感を感じる。
「ッそのゴブリンはどちらへ!?」
「‥‥‥‥」
「お教えくださいッ!
どちらへ行かれましたかッ!?」
切羽詰まった様子の聖女にフラットはある可能性に気付く。
もしや聖女はそのゴブリンを捜してここまで来たのか?
ハッ‥‥
気付けば、フラットは先程ゴブリンを目撃した庭園に来ていた。
だが、今回そこにいたのは、腰まであるストレートの銀髪に金色の瞳の女性。
もうすっかり陽が落ちて暗い。
庭園のそこここにある篝火に浮かび上がるその姿は神秘的というより不気味だとフラットは思う。
「聖女マーリン殿が、なぜ主宮殿の庭園へ?
同じ宮殿敷地内とは言え神殿は遠い。
気軽に散歩という距離でもなかろう。
(やはりいつ見ても不気味で気持ち悪い女だ。
シレーヌ姫の爪の垢を煎じて飲むといいのだ)」
「これは第二王子フラット殿下。
こちらの庭園には神殿の庭園には無い花があります。
見頃だと耳にしたので散歩がてら見せて頂こうと‥‥
十分堪能しましたのでもう戻りますわ。
失礼致します。
(相変わらず面白味の無い退屈な男‥‥
レイ殿下とは比べることも出来ないわ)」
「先ほど‥‥
先ほど聖女の居た辺りにゴブリンがいた。
聖女は宮殿敷地内でゴブリンを見た事は?」
フラットが『先ほど‥‥』と言った時には聖女は聞こえないふりをして立ち去ろうとしていたが、『‥‥ゴブリンがいた』と続いた瞬間、聖女はその歩を止め、第二王子フラットに振り向いた。
目を見開き、必死の形相をしている。
いつも、思わず『何様のつもりだ?』と聞きたくなるほどクソ澄ましている女が見せる普通の女の表情に、フラットはどこか嫌悪感を感じる。
「ッそのゴブリンはどちらへ!?」
「‥‥‥‥」
「お教えくださいッ!
どちらへ行かれましたかッ!?」
切羽詰まった様子の聖女にフラットはある可能性に気付く。
もしや聖女はそのゴブリンを捜してここまで来たのか?
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