イザナギノミコト死すべし

第四話

「トドロキ、アンタがあやしい」
ルマがトドロキを強く糾弾した。
「なんで」
「顔がゴツいから」
「アホか～っ、顔で犯人かどうか決まったら刑事は苦労せんわい」
トドロキが今度はルマにやり返した。
「たしかに」
「なんだよ」
「いや、そうかもしれないなと思って」
「その程度のことを再認識するな！」
トドロキが顔を真っ赤にさせて怒った。
「きっと、ヨシはボクの身代わりになって
殺されたんだ」
ハルが全身を震わせながら、頭を抱えた。
「だから、だから」
ピシッという乾いた音がした。
「ハル！ホントに怒るよ」
さやかが仁王立ちしている。
ハルに平手打ちをしたのだ。
「自分を何さまだと思っているの？！神さまだとでも思っているの？！」
さやかが呼吸を荒げた。
ハルはホホに手をあてがって、必死で涙を
こらえている。
「自爆ってことはねぇよな」
「ヨシ？」
「他に誰がいんだよ」
「まさか」
ルマが手を振った。
「どうして、そういいきれんだよ」
トドロキが、そういうと、
「アタシがそうだっつたら、世の中すべて
がそうなるんだよ！！！」
全員がドン引きした。