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3話 ブチッブチッ ブチギレ

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 「ふざけんなああああ。さっきから聞いてみればこっちが悪いみたいに抜かしやがって。悪いのはお前たちなんだよ。そっちから婚約破棄?こっちからお前なんか願い下げだよ。バーカ。まじでお前と婚約を結んでいたこの5年間吐き気しかしてこなかった。前から言おうって思っていましたが殿下周りからバカ王子って呼ばれているのはご存じでして?可笑しすぎてお腹が痛いですわ」

感高い声で笑い声を上げる私。

  「「ひぃぃ!」」

  二人の息をのむ声が聞こえた。でも、そんなこと知らない。
バリン。バリン。とバカ王子の部屋にあったセンスのない飾りが割れていく。
一つ二つと部屋のものが減っていく。そして暴言の嵐。

そんな私をチャームズも静観している。この状況になった私を誰も止めることはできないからだ。

  「殿下。さっきたかが子爵令嬢ごときと言ったような?それは子爵家をコケにしてるので?」
  「たかが子爵じゃないか。それをたかがと言って何が悪い」

  精一杯の虚勢をはるバカ王子。煽るのが得意なのだろうか。とことんイライラする。

  「やはりバカだな。バカ王子。どうせマクロン家がどんな役割を果たしているか知らないのでしょう」
  「知るもんか」
  「いいでしょう。もう疲れてきたのでさっさとサインをして消えてください。そこの阿婆擦れ女も」

  冷静になってきた私は毛虫を見るような目で抱き合っている二人を見た。
文句を言いつつもサインをして逃げるように部屋を出ていった。

  レリアナは嬉しさのあまり涙が出てきた。あのバカ王子からやっと解放される。
あいつが私を見い初めたときはどうしようかと思ったけど自分から婚約破棄してくれるなんて。
おまけにこんなにも沢山の慰謝料。
もう結婚しなくてもいいんじゃない。

  「お嬢様。どうしますか?」

  チャームズは冷徹な執事モードに切り替わっていた。
きっと子爵家をコケにされたことについてだろう。

  「あのバカ王子は色々としてくれたからね。わたくしも我慢できなかったのだけど。
お父様の価値がわからないバカはいらないわ。切り捨てましょう」

  レリアナは今までで一番悪い顔をしていたらしい。
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