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重い未来
淵からはじまる
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≪重い未来≫
宙を飛ぶラトスの身体が見えた。
貪食の夢魔の一撃で、吹き飛ばされたのだ。
フィノアはあわてた。
対処できるのは、自分しかいないと分かっていたからだ。
ふるえる手で、大樹の杖を振る。
魔法を使い過ぎたせいか、身体に力が入らない。まるで、身体の中が空洞になったかのようだった。それでも何とか、杖を振りつづける。すると、杖の宝石が赤く光りだし、宙を飛ぶラトスの身体を光がつつんだ。
ラトスの意識は、すでに無いようだった。無抵抗に光に包まれて、がくがくと身体をゆらしている。やがて彼の身体は、光りから生まれた枝葉につつまれはじめた。フィノアがさらに杖を振ると、枝から数本の蔓が伸びはじめた。蔓は黒い石畳に達すると、適度に根を張った。いくつかの蔓によって枝葉は支えられ、ラトスの身体は落下を免れた。
そこまで確認すると、フィノアはがくりと膝を突いた。
杖を握る手に、力が入らない。意識を保っていられるのは、背中にセウラザの腕が回っていたからだった。彼は、フィノアが気を失っても支えられるよう、手を添えていた。それがかえって、少女の意識を保たせていた。
「皆、無事ですね」
フィノアが言うと、セウラザは静かにうなずいた。
「そのようだ。少し、休むといい」
「そう、したいですね」
小さく笑うと、フィノアは辺りを見回した。
貪食の夢魔の巨躯は、黒い塵におおわれはじめていた。三つの頭を失った瞬間、糸が切れたように、その場で倒れたのだ。動いている時は、強大で恐ろしかったが、石畳に突っ伏している姿は、無残なものだった。
三つ目の頭を撃ったメリーの姿が、舞いあがる黒い塵の中に見えた。
彼女は銀色の細剣を鞘に納めると、ラトスの名を叫びながら辺りを見回しはじめた。
「メリー! 向こう側にいるわ!」
フィノアはメリーに向かって大声で言うと、ラトスの身体を支えている枝葉を指差した。
メリーは少女の声に気付き、頭を下げる。ひるがえり、枝葉に向かって走りだした。ラトスの身体を支えている枝葉は、高い位置に蔓で支えられていた。フィノアは仕方なく、ふるえる手で小さく杖を振った。すると、枝葉はゆっくりと石畳に下りた。
「もう、これで、空っぽです」
「十分だ」
セウラザが言うと、フィノアは目を閉じた。
夢の世界で意識を失うと、どうなるのだろう。妙なことを一瞬考えて、少女の意識は溶けた。
身体がゆれている。
なぜゆれているのか。おぼろげな意識の中で、ラトスは首をかしげた。
すぐ近くで、誰かの声がする。
声は、幾重もの壁にはばまれているように聞き取れない。そばで話しかけられているように感じるのに不思議なものだと、ラトスは思った。
だが聞き取ろうという気持ちは、湧かなかった。自身の心も、幾重もの壁の中に閉じこめられているようだった。
どうして、こうしているのだろう。おぼろげな意識の中で、ラトスは再度首をかしげた。
なにをしていたのか、なにをするのか、なにも分からなかった。分かろうという気持ちも、湧かなかった。
「死んだのか」
そう思って、口を動かしてみた。
自身の声は、聞こえなかった。本当に口が動いたのかも分からない。
「奇妙なものだ」
もう一度口を動かしてみたが、やはり、声は聞こえなかった。
死の直前は、このようなものなのだろうか。なにも聞こえず、なにも分からず、どうでも良くなるものなのだろうか。それとも、死んだから、このようになったのだろうか。
奇妙な思いをいだきながら、ラトスはおぼろげな意識の中をただよった。すると、大きく身体がゆれた。ゆれたのだが、意識も大きくゆれて、途切れそうになった。間を置いて、また身体が大きくゆれた。なぜゆれるのだと、ラトスはわずかに苛立った。
「……! ……!」
すぐ近くで、誰かの声がする。
声は、幾重もの壁に阻まれているように聞き取れない。声に合わせて、身体がゆれているようだった。苛立つ原因は、この声なのか。
「……! ……!」
聞き取れない声は、鳴りやまない。
誰の声だろうか。ようやくラトスは、向けられる声に興味を持った。声は、ふたつあるようだった。ひとつは大きな声で、女性の声だった。もうひとつは、子供のような声に聞こえる。
「……ス? ……ん、……たね」
子供のような声が、静かに言った。
「……ん! ……う……か!?」
女性の声が、けたたましくひびいた。
ふたつの声は自分の名を呼んでいるのだと、ラトスは気付いた。静かにしてほしいと思ったが、声はだせなかった。身体も動かない。目は開いているのか、閉じているのか分からなかった。
ふたつの声はしばらくそばで鳴っていたが、そのうちに静かになった。子供の声が、女性の声を制したようだ。目が見えないので表情は読み取れなかったが、女性の声は泣いているようだった。
『聞こえるかい?』
子供の声が、はっきりと聞こえた。
声は、耳から入ってきたものではなく、頭に直接ひびいたかのようだった。ラトスは子供の声に向かって、心の中でうなずいてみせた。
『そのまま。意識を保っておくんだ。今眠ると、持っていかれてしまうからね』
子供の声はそう言うと、ラトスの意識の外へ出ていった。
持っていかれるとは何だろうか。おぼろげな意識の中で、ラトスはあれこれと考えた。特に思い当たることはなかった。だが、しばらくこのまま考えていようと、ラトスは思った。意味は分からなかったが、考えていれば意識は保っていられる。
静かになった。
声も聞こえず、身体もゆれなかった。なにも感じなかったが、誰かがすぐそばにいるのだけは分かった。全身の感覚は、まったく無い。だが、妙な温かさが伝わってきた。
「奇妙なものだ」
ラトスは、口を動かしてみる。声は、聞こえなかった。
かすかに、身体が熱くなった。そばにいる誰かが自身の身体にふれたのだと、ラトスは察した。そばにいる者に、自分の声がとどいたのだろうか。
「俺は、生きているか」
そばにいる者に向かって、ラトスは口を動かした。
すると身体のどこかが、もう一度熱くなった。
「お前も、生きているか」
「……い……よ」
ラトスの声に、傍にいる女性の声が返事した。
聞き取れなかったが、また身体のどこかが熱くなった。生きているのだな。ラトスは心の中でうなずく。その心の中に、何かがゆらめいていた。黒い靄と、金色の靄が見える。
ふたつの靄は、互いににらみあっているようだった。
ラトスは、意識の中にゆらめくふたつの靄をじっと見ていた。靄はにらみあったまま、まったく動かない。時々、ふたつの靄は、ラトスを見ているようだった。
お前たちも生きているのか。
ラトスが声をかけようとすると、靄は風に散らされるかのようにして、消えた。
ふたつの靄が消えた心の内を、ラトスはじっと眺めていた。
まだ、心の内のどこかに、靄がいるのが分かる。探そうとしたが、奇妙に意識が縛られて、動けなかった。ラトスはただじっと、その場で静かにする他なかった。
しばらくすると、そばにいる女性の声が聞こえた。
声は、今までより少し聞き取れそうだったが、やはり何を言っているかは分からなかった。
「……スさ……。……ね」
女性が静かな声で言うと、ラトスの身体が大きくゆれた。
なんだと思っているうちに、身体が少しずつ温かくなる。同時に締め付けられるような痛みも感じた。痛みは、身体の中心から脈打つように強くなり、全身に広がっていった。手足の先、頭の天辺まで痛みが走ると、ラトスの意識はじわりと覚めはじめた。
宙を飛ぶラトスの身体が見えた。
貪食の夢魔の一撃で、吹き飛ばされたのだ。
フィノアはあわてた。
対処できるのは、自分しかいないと分かっていたからだ。
ふるえる手で、大樹の杖を振る。
魔法を使い過ぎたせいか、身体に力が入らない。まるで、身体の中が空洞になったかのようだった。それでも何とか、杖を振りつづける。すると、杖の宝石が赤く光りだし、宙を飛ぶラトスの身体を光がつつんだ。
ラトスの意識は、すでに無いようだった。無抵抗に光に包まれて、がくがくと身体をゆらしている。やがて彼の身体は、光りから生まれた枝葉につつまれはじめた。フィノアがさらに杖を振ると、枝から数本の蔓が伸びはじめた。蔓は黒い石畳に達すると、適度に根を張った。いくつかの蔓によって枝葉は支えられ、ラトスの身体は落下を免れた。
そこまで確認すると、フィノアはがくりと膝を突いた。
杖を握る手に、力が入らない。意識を保っていられるのは、背中にセウラザの腕が回っていたからだった。彼は、フィノアが気を失っても支えられるよう、手を添えていた。それがかえって、少女の意識を保たせていた。
「皆、無事ですね」
フィノアが言うと、セウラザは静かにうなずいた。
「そのようだ。少し、休むといい」
「そう、したいですね」
小さく笑うと、フィノアは辺りを見回した。
貪食の夢魔の巨躯は、黒い塵におおわれはじめていた。三つの頭を失った瞬間、糸が切れたように、その場で倒れたのだ。動いている時は、強大で恐ろしかったが、石畳に突っ伏している姿は、無残なものだった。
三つ目の頭を撃ったメリーの姿が、舞いあがる黒い塵の中に見えた。
彼女は銀色の細剣を鞘に納めると、ラトスの名を叫びながら辺りを見回しはじめた。
「メリー! 向こう側にいるわ!」
フィノアはメリーに向かって大声で言うと、ラトスの身体を支えている枝葉を指差した。
メリーは少女の声に気付き、頭を下げる。ひるがえり、枝葉に向かって走りだした。ラトスの身体を支えている枝葉は、高い位置に蔓で支えられていた。フィノアは仕方なく、ふるえる手で小さく杖を振った。すると、枝葉はゆっくりと石畳に下りた。
「もう、これで、空っぽです」
「十分だ」
セウラザが言うと、フィノアは目を閉じた。
夢の世界で意識を失うと、どうなるのだろう。妙なことを一瞬考えて、少女の意識は溶けた。
身体がゆれている。
なぜゆれているのか。おぼろげな意識の中で、ラトスは首をかしげた。
すぐ近くで、誰かの声がする。
声は、幾重もの壁にはばまれているように聞き取れない。そばで話しかけられているように感じるのに不思議なものだと、ラトスは思った。
だが聞き取ろうという気持ちは、湧かなかった。自身の心も、幾重もの壁の中に閉じこめられているようだった。
どうして、こうしているのだろう。おぼろげな意識の中で、ラトスは再度首をかしげた。
なにをしていたのか、なにをするのか、なにも分からなかった。分かろうという気持ちも、湧かなかった。
「死んだのか」
そう思って、口を動かしてみた。
自身の声は、聞こえなかった。本当に口が動いたのかも分からない。
「奇妙なものだ」
もう一度口を動かしてみたが、やはり、声は聞こえなかった。
死の直前は、このようなものなのだろうか。なにも聞こえず、なにも分からず、どうでも良くなるものなのだろうか。それとも、死んだから、このようになったのだろうか。
奇妙な思いをいだきながら、ラトスはおぼろげな意識の中をただよった。すると、大きく身体がゆれた。ゆれたのだが、意識も大きくゆれて、途切れそうになった。間を置いて、また身体が大きくゆれた。なぜゆれるのだと、ラトスはわずかに苛立った。
「……! ……!」
すぐ近くで、誰かの声がする。
声は、幾重もの壁に阻まれているように聞き取れない。声に合わせて、身体がゆれているようだった。苛立つ原因は、この声なのか。
「……! ……!」
聞き取れない声は、鳴りやまない。
誰の声だろうか。ようやくラトスは、向けられる声に興味を持った。声は、ふたつあるようだった。ひとつは大きな声で、女性の声だった。もうひとつは、子供のような声に聞こえる。
「……ス? ……ん、……たね」
子供のような声が、静かに言った。
「……ん! ……う……か!?」
女性の声が、けたたましくひびいた。
ふたつの声は自分の名を呼んでいるのだと、ラトスは気付いた。静かにしてほしいと思ったが、声はだせなかった。身体も動かない。目は開いているのか、閉じているのか分からなかった。
ふたつの声はしばらくそばで鳴っていたが、そのうちに静かになった。子供の声が、女性の声を制したようだ。目が見えないので表情は読み取れなかったが、女性の声は泣いているようだった。
『聞こえるかい?』
子供の声が、はっきりと聞こえた。
声は、耳から入ってきたものではなく、頭に直接ひびいたかのようだった。ラトスは子供の声に向かって、心の中でうなずいてみせた。
『そのまま。意識を保っておくんだ。今眠ると、持っていかれてしまうからね』
子供の声はそう言うと、ラトスの意識の外へ出ていった。
持っていかれるとは何だろうか。おぼろげな意識の中で、ラトスはあれこれと考えた。特に思い当たることはなかった。だが、しばらくこのまま考えていようと、ラトスは思った。意味は分からなかったが、考えていれば意識は保っていられる。
静かになった。
声も聞こえず、身体もゆれなかった。なにも感じなかったが、誰かがすぐそばにいるのだけは分かった。全身の感覚は、まったく無い。だが、妙な温かさが伝わってきた。
「奇妙なものだ」
ラトスは、口を動かしてみる。声は、聞こえなかった。
かすかに、身体が熱くなった。そばにいる誰かが自身の身体にふれたのだと、ラトスは察した。そばにいる者に、自分の声がとどいたのだろうか。
「俺は、生きているか」
そばにいる者に向かって、ラトスは口を動かした。
すると身体のどこかが、もう一度熱くなった。
「お前も、生きているか」
「……い……よ」
ラトスの声に、傍にいる女性の声が返事した。
聞き取れなかったが、また身体のどこかが熱くなった。生きているのだな。ラトスは心の中でうなずく。その心の中に、何かがゆらめいていた。黒い靄と、金色の靄が見える。
ふたつの靄は、互いににらみあっているようだった。
ラトスは、意識の中にゆらめくふたつの靄をじっと見ていた。靄はにらみあったまま、まったく動かない。時々、ふたつの靄は、ラトスを見ているようだった。
お前たちも生きているのか。
ラトスが声をかけようとすると、靄は風に散らされるかのようにして、消えた。
ふたつの靄が消えた心の内を、ラトスはじっと眺めていた。
まだ、心の内のどこかに、靄がいるのが分かる。探そうとしたが、奇妙に意識が縛られて、動けなかった。ラトスはただじっと、その場で静かにする他なかった。
しばらくすると、そばにいる女性の声が聞こえた。
声は、今までより少し聞き取れそうだったが、やはり何を言っているかは分からなかった。
「……スさ……。……ね」
女性が静かな声で言うと、ラトスの身体が大きくゆれた。
なんだと思っているうちに、身体が少しずつ温かくなる。同時に締め付けられるような痛みも感じた。痛みは、身体の中心から脈打つように強くなり、全身に広がっていった。手足の先、頭の天辺まで痛みが走ると、ラトスの意識はじわりと覚めはじめた。
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