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風が呼び
風の声からはじまる
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「とにかく、出口を探そう」
ラトスはそう言って壁を調べようと歩き出した。
瞬間、ささやくような声が、ラトスの耳元をとおり過ぎた。
誰だと、ラトスはふり返った。しかし、少しはなれたところにメリーがいるだけだった。他には誰もいない。
メリーの声とは違ったはずだがと、ラトスは首をかしげた。直後、風のようなささやき声が、石室全体にひびきはじめた。
「何だ!?」
ラトスは大声をあげた。
メリーと一緒になって辺りを見回したが、人の姿は見えない。
二人が辺りを見回しているうちに、ささやき声以外の声も聞こえだした。
怒声や歌声。泣き声や笑い声。四方から聞こえてくる。
すべての風のような声は、言葉としては聞き取れないほど早口だった。
しばらくすると、風のような怒声と歌声だけが大きくなっていった。石室全体にひびきわたり、自分の声も聞こえなくなっていく。
メリーが両耳を押えながら、何か叫んでいる。
もちろん、風のような怒声と歌声にさえぎられて、彼女の叫び声は聞こえない。
ラトスも耳を押えて、彼女のほうを向きながら首を横にふった。
どうしようもない。とにかく、静かになるまで我慢するしかない。空気をふるわせるような怒声と歌声に、二人は耳を強く押さえながらうずくまった。
やがて、風のような歌声だけが、二人の周りに集まりだした。身体の周りを這うように、歌声が走っている。メリーはそれが不快なようだった。耳を押えるのをあきらめて、衣服を両手でパタパタとはたきはじめている。ラトスも手のひらで取り払おうとしてみた。しかし、その手の周りも歌声が這いまわりはじめ、かえって不快感が増すだけだった。
不快感に彼があきらめかけたころ、風のような怒声と歌声は徐々に静まりはじめた。同時に風のような笑い声や泣き声、ささやき声も消えていく。徐々にメリーの叫び声が聞こえてくるようになった。
「怖い! 怖い! 怖い! 怖い!」
「何だったんだ。今のは」
「怖い! 怖い! 怖い! 何です!? 本当に!」
「……メリーさん。分かったから。ちょっと落ち着いてくれないか」
「これ、落ち着けます!?」
ラトスが感じる以上に不快だったのだろう。メリーは泣いているのか怒っているのか分からない顔でしばらく叫んでいた。
「ちょっと待て」
先ほどの風のような声より、メリーの声のほうがうるさいのではと思いはじめてきたころ、ラトスは石室内に異変を感じて、声を上げた。
「あそこにある、白い何か。あれは、さっきもあったか?」
ラトスは、石室の壁に向かって指差した。
メリーは落ち着かなそうにしながらも、ラトスが指差すほうに目を向けた。そこには、白い柱のような物があった。石室の中心にある、光る杭とは違う。光ってはいないし、人の三倍はあろう高さの柱だった。
風のような声がひびきはじめる前に見回したときは、柱などなかった。何もない壁が、四方を取り囲んでいるだけだったはずだ。
「たぶん、無かったですね……」
「そうだよな。良かった。俺はもう、頭がどうかしてきてる気がするんだ。もう全部、幻覚なんじゃないかと」
「ですね。まったく、同意です」
メリーは何度もうなずきながら、白い柱のようなものを見ていた。
本当に幻覚でも見ているのだろうか。実のところ、まだ森の中にいるのではないか。
まだ、あの沼のほとりで倒れていて、夢を見ているだけなのではないか。もしくは、あの沼にすらたどり着いておらず、どこかで変な薬を飲まされてしまったのかもしれない。その薬を飲んだことすらも忘れて、意識が混濁しているだけではないのか。どちらも突飛なことだが、今の状況よりは現実的に違いなかった。
ラトスは考えをめぐらせながら、自分の顔をさわったり、手や腕を軽くつねったりしてみた。
「夢じゃないですよね」
メリーが声をこぼした。ラトスは、自分の心が読まれたのかと思った。
驚きながら彼女のほうを見てみたが、彼女もラトスと同じように顔をなでたり、身体をさすったりしていた。同じことを考えていたのかもしれない。
「……そうだな」
ラトスは自分の腕を軽くはたきながら、石室の中央にある光る杭と、新たに現れた白い柱を見た。これが夢や幻覚ならば、むしろ安心するかもしれない。しかしやはり、夢や幻覚を見ているわけではないようだった。
ラトスは、改めてよくよく辺りを見回してみた。石室内の壁際には、もうひとつ別の白い柱があらわれていた。それは、二人からだいぶはなれたところにあったために、今まで気付かなかったようだった。新しく見つけた柱は、最初に見つけた柱と同じ形で、高さは少し低かった。
ラトスは新しく見つけた柱を指差すと、メリーも驚いた顔をしてうなずいた。
「さっきの風みたいなのと、関係があるだろうか?」
「え。……う、うーん。どうでしょう」
「とにかく、ここからは早く抜け出したい。王女もいないようだしな」
「そうですね。早く脱出しないと」
メリーは思い出したかのように目を大きく開けて、姿勢を正してみせた。
突然不思議なことがおこりすぎて混乱しているが、王女を捜しにここまで来たのだ。二人は手分けして、白い柱以外のものもあるかどうか探してみた。しかし、王女は当然いないし、変わったものも新たに見つかることはなかった。
「とにかく、あの白い柱を調べてみよう」
にがい顔をしながらラトスは言った。非現実的なもの以外、何も見つけられなかったからだ。
ラトスは、ふたつの白い柱を比べて、少し高さがあるほうの白い柱を指差した。それを見て、メリーは無言で何度もうなずいた。走り寄り、ラトスのすぐ後ろに付く。
近付いてみると、その柱は圧倒的な存在感だった。
高さは、遠目から見たよりも高かった。人の四倍はあるだろうか。幅は、両手を広げたくらいはある。
表面は、磨かれたようになめらかだった。材質は、石とも金属とも分からない。見たことがないものだった。なぜこんなものが突然あらわれたのか分からないほどに、立派で巨大な柱だった。
ラトスは、じっくりながめながら慎重に調べた。ふと隣を見ると、メリーがためらいもなくさわったり、小突いたりしていた。
「綺麗ですねー!」
「……そうだな」
ラトスは少し呆れたが、今は彼女くらいの短絡さが必要なのかもしれないと思うのだった。
ラトスはそう言って壁を調べようと歩き出した。
瞬間、ささやくような声が、ラトスの耳元をとおり過ぎた。
誰だと、ラトスはふり返った。しかし、少しはなれたところにメリーがいるだけだった。他には誰もいない。
メリーの声とは違ったはずだがと、ラトスは首をかしげた。直後、風のようなささやき声が、石室全体にひびきはじめた。
「何だ!?」
ラトスは大声をあげた。
メリーと一緒になって辺りを見回したが、人の姿は見えない。
二人が辺りを見回しているうちに、ささやき声以外の声も聞こえだした。
怒声や歌声。泣き声や笑い声。四方から聞こえてくる。
すべての風のような声は、言葉としては聞き取れないほど早口だった。
しばらくすると、風のような怒声と歌声だけが大きくなっていった。石室全体にひびきわたり、自分の声も聞こえなくなっていく。
メリーが両耳を押えながら、何か叫んでいる。
もちろん、風のような怒声と歌声にさえぎられて、彼女の叫び声は聞こえない。
ラトスも耳を押えて、彼女のほうを向きながら首を横にふった。
どうしようもない。とにかく、静かになるまで我慢するしかない。空気をふるわせるような怒声と歌声に、二人は耳を強く押さえながらうずくまった。
やがて、風のような歌声だけが、二人の周りに集まりだした。身体の周りを這うように、歌声が走っている。メリーはそれが不快なようだった。耳を押えるのをあきらめて、衣服を両手でパタパタとはたきはじめている。ラトスも手のひらで取り払おうとしてみた。しかし、その手の周りも歌声が這いまわりはじめ、かえって不快感が増すだけだった。
不快感に彼があきらめかけたころ、風のような怒声と歌声は徐々に静まりはじめた。同時に風のような笑い声や泣き声、ささやき声も消えていく。徐々にメリーの叫び声が聞こえてくるようになった。
「怖い! 怖い! 怖い! 怖い!」
「何だったんだ。今のは」
「怖い! 怖い! 怖い! 何です!? 本当に!」
「……メリーさん。分かったから。ちょっと落ち着いてくれないか」
「これ、落ち着けます!?」
ラトスが感じる以上に不快だったのだろう。メリーは泣いているのか怒っているのか分からない顔でしばらく叫んでいた。
「ちょっと待て」
先ほどの風のような声より、メリーの声のほうがうるさいのではと思いはじめてきたころ、ラトスは石室内に異変を感じて、声を上げた。
「あそこにある、白い何か。あれは、さっきもあったか?」
ラトスは、石室の壁に向かって指差した。
メリーは落ち着かなそうにしながらも、ラトスが指差すほうに目を向けた。そこには、白い柱のような物があった。石室の中心にある、光る杭とは違う。光ってはいないし、人の三倍はあろう高さの柱だった。
風のような声がひびきはじめる前に見回したときは、柱などなかった。何もない壁が、四方を取り囲んでいるだけだったはずだ。
「たぶん、無かったですね……」
「そうだよな。良かった。俺はもう、頭がどうかしてきてる気がするんだ。もう全部、幻覚なんじゃないかと」
「ですね。まったく、同意です」
メリーは何度もうなずきながら、白い柱のようなものを見ていた。
本当に幻覚でも見ているのだろうか。実のところ、まだ森の中にいるのではないか。
まだ、あの沼のほとりで倒れていて、夢を見ているだけなのではないか。もしくは、あの沼にすらたどり着いておらず、どこかで変な薬を飲まされてしまったのかもしれない。その薬を飲んだことすらも忘れて、意識が混濁しているだけではないのか。どちらも突飛なことだが、今の状況よりは現実的に違いなかった。
ラトスは考えをめぐらせながら、自分の顔をさわったり、手や腕を軽くつねったりしてみた。
「夢じゃないですよね」
メリーが声をこぼした。ラトスは、自分の心が読まれたのかと思った。
驚きながら彼女のほうを見てみたが、彼女もラトスと同じように顔をなでたり、身体をさすったりしていた。同じことを考えていたのかもしれない。
「……そうだな」
ラトスは自分の腕を軽くはたきながら、石室の中央にある光る杭と、新たに現れた白い柱を見た。これが夢や幻覚ならば、むしろ安心するかもしれない。しかしやはり、夢や幻覚を見ているわけではないようだった。
ラトスは、改めてよくよく辺りを見回してみた。石室内の壁際には、もうひとつ別の白い柱があらわれていた。それは、二人からだいぶはなれたところにあったために、今まで気付かなかったようだった。新しく見つけた柱は、最初に見つけた柱と同じ形で、高さは少し低かった。
ラトスは新しく見つけた柱を指差すと、メリーも驚いた顔をしてうなずいた。
「さっきの風みたいなのと、関係があるだろうか?」
「え。……う、うーん。どうでしょう」
「とにかく、ここからは早く抜け出したい。王女もいないようだしな」
「そうですね。早く脱出しないと」
メリーは思い出したかのように目を大きく開けて、姿勢を正してみせた。
突然不思議なことがおこりすぎて混乱しているが、王女を捜しにここまで来たのだ。二人は手分けして、白い柱以外のものもあるかどうか探してみた。しかし、王女は当然いないし、変わったものも新たに見つかることはなかった。
「とにかく、あの白い柱を調べてみよう」
にがい顔をしながらラトスは言った。非現実的なもの以外、何も見つけられなかったからだ。
ラトスは、ふたつの白い柱を比べて、少し高さがあるほうの白い柱を指差した。それを見て、メリーは無言で何度もうなずいた。走り寄り、ラトスのすぐ後ろに付く。
近付いてみると、その柱は圧倒的な存在感だった。
高さは、遠目から見たよりも高かった。人の四倍はあるだろうか。幅は、両手を広げたくらいはある。
表面は、磨かれたようになめらかだった。材質は、石とも金属とも分からない。見たことがないものだった。なぜこんなものが突然あらわれたのか分からないほどに、立派で巨大な柱だった。
ラトスは、じっくりながめながら慎重に調べた。ふと隣を見ると、メリーがためらいもなくさわったり、小突いたりしていた。
「綺麗ですねー!」
「……そうだな」
ラトスは少し呆れたが、今は彼女くらいの短絡さが必要なのかもしれないと思うのだった。
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