9 / 92
森の底
焚火からはじまる
しおりを挟む
「そういえば」
二人の荷袋を木にしばりつけ終えるのを見計らって、メリーは口を開いた。
ラトスの顔色をうかがうように、のぞき込んでくる。
「ラトスさんは、行商人、なのですか?」
「行商人だって? まさか」
「旅慣れてるみたいなので、そうなのかと」
森を歩く速度は、まあ少し速かったかもしれないなとラトスは思った。しかしすぐに、頭を横にふってみせる。それを見てメリーは、そうなのですかと首をかしげた。不思議そうな顔をする彼女を横目に、ラトスはロープを取りだす。荷袋を縛り付けた木とは別の、少しはなれたところにある手頃な木を選び、その間にロープをはりはじめた。
「俺はラングシーブだ」
「ラングシーブ……。それって盗賊の?」
メリーはラトスの言葉に驚いて、上体を少し後ろへひかせた。ラトスから目線をはずし、瞳を左右に泳がせはじめる。王族、貴族の一般常識に漏れず、メリーもラングシーブを犯罪者の集団だと思っているようだった。
「すべて否定はしないが」
彼女の様子を見て、ラトスは無表情に応えた。
こういうときは感情的に否定しても誤解を増長させるだけだ。ラトスは、二本の木の間にはったロープに布をかぶせ、両端をしばって固定し、少し考えるそぶりをして見せた。
「そうだな。盗賊ギリギリのことをすることは、あるかもしれない」
「ギリギリ、ですか?」
「ああ。ギリギリだ」
ラトスは困った表情を作ると、自分のほうを向いたメリーに手招きしてみせる。びくりと肩をふるわせた彼女に、簡易的に作った布のシェルターを手のひらで指してみせた。
メリーは小さくうなずき、ほっとしたように肩を落とす。シェルターのそばにそっと座り、ラトスを見上げた。いつの間にか彼女の顔からは、悔しそうな表情がきれいに消えていた。釈然としない気持ちがわずかにこみ上げたが、ラトスは困った顔を作ったままその気持ちを飲み込んだ。
盗賊ではないという説明は、今までにいたるところで、何度もしてきた。何度も説明していると、言い訳をしているような気持ちになる。だが誤解をしている者は後を絶たないのだ。これもまた必要なことだと自分に言い聞かせ、ラトスはメリーから少し距離を取って座った。
そして、至るところで何度もしてきた話をメリーに話しはじめた。
メリーは良くも悪くも純粋だった。
聞けば、歳は十九だという。
まだ若いうえ、貴族としてせまい世界を生きてきたのだろう。思考や知識にかたよりがあるのは仕方のないことかもしれなかった。メリーは、最初は訝し気にラトスの話を聞いていたが、次第に興味を持ったらしい。あれやこれやと質問してくる彼女の表情は、少し面白いものがあった。
「商売人という感じですね」
ラングシーブが契約以外で得た副収入は、依頼主が後からどんなに欲しがっても、自分の懐に入れてから売る。という話をしたところで、メリーは困った顔をしながらそう言った。そうだなとラトスも困った顔をして見せると、彼女は小さく笑った。
仕える主がいて、主にたいして忠誠を尽くす人間にとっては、商人の駆け引きのような話は別の世界のようなのだろう。いつの間にか、メリーの目から軽蔑のような色は消えていた。
やがて深まる夜の森に、焚火の明かりが温かくこぼれだす。
森が夜の静けさを取りもどすのは、しばらく時がかかった。
その夜。
ラトスは夢を見た。
それは、妹のシャーニの夢だった。
薄暗いラトスの家の中で、シャーニがじっと、こちらを見ていた。
少女が立っているところより少し奥に、小さな暖炉がある。そこには小さく火が入っていた。
火の爆ぜる音は聞こえないが、少女の後ろ髪が、ときどき強い赤で染まった。
シャーニは、じっとこちらを見て、何か言いたそうにしていた。
恨んでいるのか。
早く復讐をしてほしいのか。
それともラトスも早くこちらに来いと言っているのか。
シャーニの目は暗く、ぼそぼそと何か言っているが、いつも通りそれは聞き取れなかった。
ラトスはそこで、いつも、胸がひどく苦しくなった。
苦しさで膝を突き、妹の顔を下からのぞき込むかたちになる。少女はラトスの顔を見下ろして、まだ何かを言っていた。
少女の頭上で、小さなカンテラがゆらゆらと揺れているのが目に入ったところで、胸の苦しみは最大になるのだった。
呼吸が荒くなって、ラトスは目が覚めた。
身体の下にしいていた枝葉のすれる音がした。彼は何度か地面を手でさわり、周りを見回した。
そこは森の中だった。朝日はまだ昇っていないが、辺りは少し明るくなりはじめていた。
すぐ近くで枝葉のすれる音がして、ラトスは目を向けた。音の鳴った方向には、布で簡易に作られたシェルターがあった。その下で、メリーがもぞもぞと動き、寝ていた。
何度か、またたきをする。ラトスは息苦しさを解消するため、深呼吸をしようとした。
身体の中に、黒い靄がかかっている。
息が、吸いづらい。
妹の夢を見れば、必ず息苦しさにおそわれていた。しかし、夢から覚めて、黒い靄のようなものが身体に渦巻いているのは初めてのことだった。
身体の中も、頭の中も、黒い靄のようなものが渦巻いている。息苦しさに加え、思考力までも消そうとしているようだ。このまま狂気に憑りつかれたなら、楽になるのではないかとさえ思える。
うずくまり、ラトスは夢の内容を思い返した。
もしかすると、黒い靄が余計な考えを消そうとしているのだろうか。心を鋭くさせ、憎しみを忘れるなと、伝えてきているのではないか。
目的を果たせ。
ラトスは頭をかかえて、しばらくそのまま、うずくまった。
メリーの寝息が聞こえる。
風がゆるやかに抜けて、森が静かに鳴っている。
忘れることなど、ない。
ラトスは顔をあげて、森の奥をにらみつけた。
この奥に、占い師の男が言っていた「隠された場所」とやらがあるはずだ。長く、シャーニを待たせなどしない。必ず、確実に、目的を遂げるために、この大きな依頼を達成する。城の人間に、大きな借りを作らせるのだ。
これでいい。
間違っていないだろう?
次第に頭の中の黒い靄が消えていく。はっきりと思考力が鋭くなっていくのをラトスは感じた。胸の苦しみも消えていて、かえって気分がいいほどだった。
ラトスはすっかり消えてしまった焚火跡の炭を、足で踏みつぶした。
その音で、メリーが目を覚ましたらしい。布のシェルターの中から、何度か枝葉のすれる音がした。間を置いて、小さなあくびも聞こえてきた。
二人の荷袋を木にしばりつけ終えるのを見計らって、メリーは口を開いた。
ラトスの顔色をうかがうように、のぞき込んでくる。
「ラトスさんは、行商人、なのですか?」
「行商人だって? まさか」
「旅慣れてるみたいなので、そうなのかと」
森を歩く速度は、まあ少し速かったかもしれないなとラトスは思った。しかしすぐに、頭を横にふってみせる。それを見てメリーは、そうなのですかと首をかしげた。不思議そうな顔をする彼女を横目に、ラトスはロープを取りだす。荷袋を縛り付けた木とは別の、少しはなれたところにある手頃な木を選び、その間にロープをはりはじめた。
「俺はラングシーブだ」
「ラングシーブ……。それって盗賊の?」
メリーはラトスの言葉に驚いて、上体を少し後ろへひかせた。ラトスから目線をはずし、瞳を左右に泳がせはじめる。王族、貴族の一般常識に漏れず、メリーもラングシーブを犯罪者の集団だと思っているようだった。
「すべて否定はしないが」
彼女の様子を見て、ラトスは無表情に応えた。
こういうときは感情的に否定しても誤解を増長させるだけだ。ラトスは、二本の木の間にはったロープに布をかぶせ、両端をしばって固定し、少し考えるそぶりをして見せた。
「そうだな。盗賊ギリギリのことをすることは、あるかもしれない」
「ギリギリ、ですか?」
「ああ。ギリギリだ」
ラトスは困った表情を作ると、自分のほうを向いたメリーに手招きしてみせる。びくりと肩をふるわせた彼女に、簡易的に作った布のシェルターを手のひらで指してみせた。
メリーは小さくうなずき、ほっとしたように肩を落とす。シェルターのそばにそっと座り、ラトスを見上げた。いつの間にか彼女の顔からは、悔しそうな表情がきれいに消えていた。釈然としない気持ちがわずかにこみ上げたが、ラトスは困った顔を作ったままその気持ちを飲み込んだ。
盗賊ではないという説明は、今までにいたるところで、何度もしてきた。何度も説明していると、言い訳をしているような気持ちになる。だが誤解をしている者は後を絶たないのだ。これもまた必要なことだと自分に言い聞かせ、ラトスはメリーから少し距離を取って座った。
そして、至るところで何度もしてきた話をメリーに話しはじめた。
メリーは良くも悪くも純粋だった。
聞けば、歳は十九だという。
まだ若いうえ、貴族としてせまい世界を生きてきたのだろう。思考や知識にかたよりがあるのは仕方のないことかもしれなかった。メリーは、最初は訝し気にラトスの話を聞いていたが、次第に興味を持ったらしい。あれやこれやと質問してくる彼女の表情は、少し面白いものがあった。
「商売人という感じですね」
ラングシーブが契約以外で得た副収入は、依頼主が後からどんなに欲しがっても、自分の懐に入れてから売る。という話をしたところで、メリーは困った顔をしながらそう言った。そうだなとラトスも困った顔をして見せると、彼女は小さく笑った。
仕える主がいて、主にたいして忠誠を尽くす人間にとっては、商人の駆け引きのような話は別の世界のようなのだろう。いつの間にか、メリーの目から軽蔑のような色は消えていた。
やがて深まる夜の森に、焚火の明かりが温かくこぼれだす。
森が夜の静けさを取りもどすのは、しばらく時がかかった。
その夜。
ラトスは夢を見た。
それは、妹のシャーニの夢だった。
薄暗いラトスの家の中で、シャーニがじっと、こちらを見ていた。
少女が立っているところより少し奥に、小さな暖炉がある。そこには小さく火が入っていた。
火の爆ぜる音は聞こえないが、少女の後ろ髪が、ときどき強い赤で染まった。
シャーニは、じっとこちらを見て、何か言いたそうにしていた。
恨んでいるのか。
早く復讐をしてほしいのか。
それともラトスも早くこちらに来いと言っているのか。
シャーニの目は暗く、ぼそぼそと何か言っているが、いつも通りそれは聞き取れなかった。
ラトスはそこで、いつも、胸がひどく苦しくなった。
苦しさで膝を突き、妹の顔を下からのぞき込むかたちになる。少女はラトスの顔を見下ろして、まだ何かを言っていた。
少女の頭上で、小さなカンテラがゆらゆらと揺れているのが目に入ったところで、胸の苦しみは最大になるのだった。
呼吸が荒くなって、ラトスは目が覚めた。
身体の下にしいていた枝葉のすれる音がした。彼は何度か地面を手でさわり、周りを見回した。
そこは森の中だった。朝日はまだ昇っていないが、辺りは少し明るくなりはじめていた。
すぐ近くで枝葉のすれる音がして、ラトスは目を向けた。音の鳴った方向には、布で簡易に作られたシェルターがあった。その下で、メリーがもぞもぞと動き、寝ていた。
何度か、またたきをする。ラトスは息苦しさを解消するため、深呼吸をしようとした。
身体の中に、黒い靄がかかっている。
息が、吸いづらい。
妹の夢を見れば、必ず息苦しさにおそわれていた。しかし、夢から覚めて、黒い靄のようなものが身体に渦巻いているのは初めてのことだった。
身体の中も、頭の中も、黒い靄のようなものが渦巻いている。息苦しさに加え、思考力までも消そうとしているようだ。このまま狂気に憑りつかれたなら、楽になるのではないかとさえ思える。
うずくまり、ラトスは夢の内容を思い返した。
もしかすると、黒い靄が余計な考えを消そうとしているのだろうか。心を鋭くさせ、憎しみを忘れるなと、伝えてきているのではないか。
目的を果たせ。
ラトスは頭をかかえて、しばらくそのまま、うずくまった。
メリーの寝息が聞こえる。
風がゆるやかに抜けて、森が静かに鳴っている。
忘れることなど、ない。
ラトスは顔をあげて、森の奥をにらみつけた。
この奥に、占い師の男が言っていた「隠された場所」とやらがあるはずだ。長く、シャーニを待たせなどしない。必ず、確実に、目的を遂げるために、この大きな依頼を達成する。城の人間に、大きな借りを作らせるのだ。
これでいい。
間違っていないだろう?
次第に頭の中の黒い靄が消えていく。はっきりと思考力が鋭くなっていくのをラトスは感じた。胸の苦しみも消えていて、かえって気分がいいほどだった。
ラトスはすっかり消えてしまった焚火跡の炭を、足で踏みつぶした。
その音で、メリーが目を覚ましたらしい。布のシェルターの中から、何度か枝葉のすれる音がした。間を置いて、小さなあくびも聞こえてきた。
0
あなたにおすすめの小説
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる