34 / 68
第二章 ナミュール城主編
第9話 出陣
しおりを挟む
ティアネスから手紙の返事が来た。ナシュレイが率いる4万の兵がヘルブラントを発ったという。明日にはここに到着することだろう。
この一年間の集大成を見ておくことにする。昼食を終えた俺は訓練場へ向かう。
訓練場を訪れると、相変わらずナルディアが旗を持って指揮をしている。前と違うのは、キキョウも旗を持っていること、兵の動きが大違いであるという2点だ。見違えるほどに兵の動くが変わっていた。俺が見ていることにナルディアが気づいた。
「ジーク、どうしたのじゃ?」
「明後日、出撃することになった」
それを聞いたナルディアとキキョウはサッと旗を振る。すると、動いていた兵たちが中央に集まり整列していた。
「お見事」
俺は拍手で喝采の意を示す。ナルディアとキキョウがふふんと得意げにしている。
「師匠と私が訓練したんだから当たり前でしょー?」
「そうだな。キキョウもよく頑張った」
キキョウの頭をなでる。
「えへへ」
そんなキキョウの姿を見てナルディアが頬を膨らませていた。どうやら拗ねているようだ。
「ナルディアも、ほら」
ナルディアの頭をわしゃわしゃする。
「むぅ、おぬし・・・ちょっと乱暴ではないか?」
口ではそう言っているが、とても嬉しそうだ。ナルディアは兵士に見られていると気づきハッとする。そして兵士の方に身体を向ける。
「おぬしら、ジークからの言葉じゃ。ありがたく聞くがよい」
あまりの落差に俺は笑いが隠せない。とはいえ、それを見せては大将失格だ。気を引き締めて兵士の方を見る。
「明後日、ハルバード城とアンドラス城を取り戻すために出撃する。その前に大事なことを伝えようと思う。馬上槍を習得した者は火焔隊に、そうでない者は黄焔隊に分ける。火焔隊の隊長はキキョウに任せ、黄焔隊はナルディアに任せる。それぞれ赤色と黄色の防具を着用するように!働きによっては褒美も増やそう。存分に力を奮ってくれ!」
「「「おーーー!」」」
兵たちの士気は十分高い。今回の遠征は上手くいきそうだ。
ーーーーー
翌日、ナシュレイ率いる兵が到着した。
「ジーク殿下、ご無沙汰しております」
「久しぶりだなナシュレイ、元気そうで何よりだ。だが・・・どうして殿下と?」
久々に会ったナシュレイと近況を報告する。でも今までと違って殿下と俺を呼ぶのは違和感があった。
「姫様とご結婚なされ、ジーク様は王族となられました。そのため殿下とお呼びしております。また、国王陛下よりそれがしをご指名くださったと聞きました。誠に光栄に存じます」
ナシュレイが殿下と呼ぶ理由は至ってシンプルであった。自覚はなかったが、俺も王族になったのだ。殿下と呼ばれるのも当然である。
「いやいや、こちらこそよろしく頼む。俺もナシュレイなら何かと頼みやすいからさ」
「もったいないお言葉です。それはそうと、ここまでに立派な街道ができておりました。これも殿下のお力によるものです。恐れ入りました」
へえ、街道ができたのか。城に籠っていてすっかり忘れていた。俺の提案した政策も着実に実行されているということだろう。我が事のように嬉しい気分になる。
「そうだナシュレイ、ナルディアたちが鍛え上げた兵を見てくれないか」
「おお、それはぜひ拝見させていただきたい」
俺はナシュレイを連れて訓練場にやってくる。今日もナルディアとキキョウが訓練をしている。
「ナルディア、キキョウ、ナシュレイが来たぞ」
「姫様、キキョウ将軍、ご無沙汰しております」
キキョウは将軍と言われて目に見えて嬉しそうだ。どうよ?と言わんばかりの視線をちらちら向けてくる。挨拶しろというジェスチャーを送り返すことにした。俺はキキョウに役職を付けてなかったが、確かに対外的には将軍である。
「ナシュレイさんこんにちは!」
「ナシュレイか、アインタール城の守備、ご苦労様であった」
ナシュレイは恐れ入りますと頭を下げる。なんかキキョウの挨拶が浮いているような気もするが、仕方ないと言うことにしよう。
「ナルディア、キキョウ、訓練の成果を見せてやってほしい」
俺の言葉に従って、ナルディアとキキョウは旗を動かし兵を操る。
「おお、なんと見事な!」
今日は実際に戦いで着用する防具をつけての訓練だ。赤色と黄色の兜や鎧をつけた兵士が統一された動きをする。やはり、色の効果は絶大である。数が多いとそれだけで威圧感が凄いのだから。結果として、火焔隊に所属することになったのは4,500人、残りの5,500人は黄焔隊である。火焔隊の兵数は予想より少し足りないが、その働きを期待せずにはいられない。
夕方、ミシェルから手紙が送られてきた。マクナイトがツイハーク王国の将軍になったこと、それに怒ったサミュエル連邦が20万の兵で攻め寄せてきたという内容である。
「ハンゾウ」
ハンゾウがどこからともなく現れる。すっかり忍者らしくなってきた。
「ツイハーク王国に向かったサミュエル軍がどうなったか偵察してきてくれ」
「承知いたしました」
ハンゾウがいなくなるのを見届けてミシェルへの返事を書く。シャルナーク王国は明日出撃するという内容だ。また、ツイハーク王国がどうにもならなくなったら、ここへ逃げてくる選択肢もあると付け加えている。
翌日、俺を総大将とした5万の兵がナミュール城を出立した。ナシュレイの言うように、街道が完成していた。これにより、行軍期間の短縮が可能となった。目指すはアンドラス城である。
ーーーーー
所変わってツイハーク王国のエストリル城。マクナイトの亡命後、しばらく時間をおいて元帥ソレル自ら20万の兵で攻め寄せてきた。
エストリル城に20万が向かっていると聞いて、王都ツイハークは騒然とする。
「20万とは・・・我が国の総兵力の2倍ではないか!」
セオドールは焦燥を隠せない。
「セオドール、焦っても仕方ありません」
宰相の動揺をアスタリア女王はたしなめる。
「そうよセオドール、姉さんの言うとおりだわ」
ミシェルもアスタリア女王と同じ意見である。
「しかし・・・」
「まあまあ、私に任せなさいって」
セオドールと対照的にミシェルはどこか楽観的だ。
「マクナイトー」
ミシェルがマクナイトを呼ぶと、待っていましたとばかりにマクナイトが入ってくる。
「ただいま参上しました」
マクナイトは挨拶をする。
「マクナイト将軍、よくぞおいでくださいました」
アスタリア女王の言葉に続けてミシェルが具体的な内容を煮詰めていく。
「兵はどれくらい欲しい?」
「2万で十分です」
マクナイトは端的に答える。マクナイトとミシェル以外の者は、一様に驚きの声をあげる。サミュエル軍は20万もの兵を率いていることから、2万はわずか10分の1である。
「さすがマクナイトね」
ミシェルの賛辞にマクナイトは当然だという態度で返す。
「ソレルに大軍をまとめる才能はない。それにサミュエル軍がどの程度の強さかは俺がよくわかっている」
サミュエル連邦に所属していたマクナイトはサミュエル軍の練度、命令体系を十分に把握している。ましてや今回の総大将は元帥ソレルである。お互いに勝手知ったる関係だ。
「だ、そうよ姉さん」
「わかりました。それではマクナイトさん、2万の兵を与えます」
アスタリア女王はマクナイトの提案を受け入れる。
「ありがとうございます」
「ミシェルには後詰めとして2万を与えます」
こうしてツイハーク王国の陣容は決定した。各地の守備兵を最小限残して、戦いに投入できるすべての兵力を投入している。事実上の危急存亡の事態である。
「わかったわ。エストリル城に入るわね」
「二人とも、どうかこの国をよろしくお願いいたします」
マクナイトは頭を深々と下げ、ミシェルはニコッと微笑む。
サミュエル軍20万対ツイハーク軍4万。実に5倍もの兵力差で開戦の時を迎えようとしていた。
この一年間の集大成を見ておくことにする。昼食を終えた俺は訓練場へ向かう。
訓練場を訪れると、相変わらずナルディアが旗を持って指揮をしている。前と違うのは、キキョウも旗を持っていること、兵の動きが大違いであるという2点だ。見違えるほどに兵の動くが変わっていた。俺が見ていることにナルディアが気づいた。
「ジーク、どうしたのじゃ?」
「明後日、出撃することになった」
それを聞いたナルディアとキキョウはサッと旗を振る。すると、動いていた兵たちが中央に集まり整列していた。
「お見事」
俺は拍手で喝采の意を示す。ナルディアとキキョウがふふんと得意げにしている。
「師匠と私が訓練したんだから当たり前でしょー?」
「そうだな。キキョウもよく頑張った」
キキョウの頭をなでる。
「えへへ」
そんなキキョウの姿を見てナルディアが頬を膨らませていた。どうやら拗ねているようだ。
「ナルディアも、ほら」
ナルディアの頭をわしゃわしゃする。
「むぅ、おぬし・・・ちょっと乱暴ではないか?」
口ではそう言っているが、とても嬉しそうだ。ナルディアは兵士に見られていると気づきハッとする。そして兵士の方に身体を向ける。
「おぬしら、ジークからの言葉じゃ。ありがたく聞くがよい」
あまりの落差に俺は笑いが隠せない。とはいえ、それを見せては大将失格だ。気を引き締めて兵士の方を見る。
「明後日、ハルバード城とアンドラス城を取り戻すために出撃する。その前に大事なことを伝えようと思う。馬上槍を習得した者は火焔隊に、そうでない者は黄焔隊に分ける。火焔隊の隊長はキキョウに任せ、黄焔隊はナルディアに任せる。それぞれ赤色と黄色の防具を着用するように!働きによっては褒美も増やそう。存分に力を奮ってくれ!」
「「「おーーー!」」」
兵たちの士気は十分高い。今回の遠征は上手くいきそうだ。
ーーーーー
翌日、ナシュレイ率いる兵が到着した。
「ジーク殿下、ご無沙汰しております」
「久しぶりだなナシュレイ、元気そうで何よりだ。だが・・・どうして殿下と?」
久々に会ったナシュレイと近況を報告する。でも今までと違って殿下と俺を呼ぶのは違和感があった。
「姫様とご結婚なされ、ジーク様は王族となられました。そのため殿下とお呼びしております。また、国王陛下よりそれがしをご指名くださったと聞きました。誠に光栄に存じます」
ナシュレイが殿下と呼ぶ理由は至ってシンプルであった。自覚はなかったが、俺も王族になったのだ。殿下と呼ばれるのも当然である。
「いやいや、こちらこそよろしく頼む。俺もナシュレイなら何かと頼みやすいからさ」
「もったいないお言葉です。それはそうと、ここまでに立派な街道ができておりました。これも殿下のお力によるものです。恐れ入りました」
へえ、街道ができたのか。城に籠っていてすっかり忘れていた。俺の提案した政策も着実に実行されているということだろう。我が事のように嬉しい気分になる。
「そうだナシュレイ、ナルディアたちが鍛え上げた兵を見てくれないか」
「おお、それはぜひ拝見させていただきたい」
俺はナシュレイを連れて訓練場にやってくる。今日もナルディアとキキョウが訓練をしている。
「ナルディア、キキョウ、ナシュレイが来たぞ」
「姫様、キキョウ将軍、ご無沙汰しております」
キキョウは将軍と言われて目に見えて嬉しそうだ。どうよ?と言わんばかりの視線をちらちら向けてくる。挨拶しろというジェスチャーを送り返すことにした。俺はキキョウに役職を付けてなかったが、確かに対外的には将軍である。
「ナシュレイさんこんにちは!」
「ナシュレイか、アインタール城の守備、ご苦労様であった」
ナシュレイは恐れ入りますと頭を下げる。なんかキキョウの挨拶が浮いているような気もするが、仕方ないと言うことにしよう。
「ナルディア、キキョウ、訓練の成果を見せてやってほしい」
俺の言葉に従って、ナルディアとキキョウは旗を動かし兵を操る。
「おお、なんと見事な!」
今日は実際に戦いで着用する防具をつけての訓練だ。赤色と黄色の兜や鎧をつけた兵士が統一された動きをする。やはり、色の効果は絶大である。数が多いとそれだけで威圧感が凄いのだから。結果として、火焔隊に所属することになったのは4,500人、残りの5,500人は黄焔隊である。火焔隊の兵数は予想より少し足りないが、その働きを期待せずにはいられない。
夕方、ミシェルから手紙が送られてきた。マクナイトがツイハーク王国の将軍になったこと、それに怒ったサミュエル連邦が20万の兵で攻め寄せてきたという内容である。
「ハンゾウ」
ハンゾウがどこからともなく現れる。すっかり忍者らしくなってきた。
「ツイハーク王国に向かったサミュエル軍がどうなったか偵察してきてくれ」
「承知いたしました」
ハンゾウがいなくなるのを見届けてミシェルへの返事を書く。シャルナーク王国は明日出撃するという内容だ。また、ツイハーク王国がどうにもならなくなったら、ここへ逃げてくる選択肢もあると付け加えている。
翌日、俺を総大将とした5万の兵がナミュール城を出立した。ナシュレイの言うように、街道が完成していた。これにより、行軍期間の短縮が可能となった。目指すはアンドラス城である。
ーーーーー
所変わってツイハーク王国のエストリル城。マクナイトの亡命後、しばらく時間をおいて元帥ソレル自ら20万の兵で攻め寄せてきた。
エストリル城に20万が向かっていると聞いて、王都ツイハークは騒然とする。
「20万とは・・・我が国の総兵力の2倍ではないか!」
セオドールは焦燥を隠せない。
「セオドール、焦っても仕方ありません」
宰相の動揺をアスタリア女王はたしなめる。
「そうよセオドール、姉さんの言うとおりだわ」
ミシェルもアスタリア女王と同じ意見である。
「しかし・・・」
「まあまあ、私に任せなさいって」
セオドールと対照的にミシェルはどこか楽観的だ。
「マクナイトー」
ミシェルがマクナイトを呼ぶと、待っていましたとばかりにマクナイトが入ってくる。
「ただいま参上しました」
マクナイトは挨拶をする。
「マクナイト将軍、よくぞおいでくださいました」
アスタリア女王の言葉に続けてミシェルが具体的な内容を煮詰めていく。
「兵はどれくらい欲しい?」
「2万で十分です」
マクナイトは端的に答える。マクナイトとミシェル以外の者は、一様に驚きの声をあげる。サミュエル軍は20万もの兵を率いていることから、2万はわずか10分の1である。
「さすがマクナイトね」
ミシェルの賛辞にマクナイトは当然だという態度で返す。
「ソレルに大軍をまとめる才能はない。それにサミュエル軍がどの程度の強さかは俺がよくわかっている」
サミュエル連邦に所属していたマクナイトはサミュエル軍の練度、命令体系を十分に把握している。ましてや今回の総大将は元帥ソレルである。お互いに勝手知ったる関係だ。
「だ、そうよ姉さん」
「わかりました。それではマクナイトさん、2万の兵を与えます」
アスタリア女王はマクナイトの提案を受け入れる。
「ありがとうございます」
「ミシェルには後詰めとして2万を与えます」
こうしてツイハーク王国の陣容は決定した。各地の守備兵を最小限残して、戦いに投入できるすべての兵力を投入している。事実上の危急存亡の事態である。
「わかったわ。エストリル城に入るわね」
「二人とも、どうかこの国をよろしくお願いいたします」
マクナイトは頭を深々と下げ、ミシェルはニコッと微笑む。
サミュエル軍20万対ツイハーク軍4万。実に5倍もの兵力差で開戦の時を迎えようとしていた。
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
あれ?なんでこうなった?
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、正妃教育をしていたルミアナは、婚約者であった王子の堂々とした浮気の現場を見て、ここが前世でやった乙女ゲームの中であり、そして自分は悪役令嬢という立場にあることを思い出した。
…‥って、最終的に国外追放になるのはまぁいいとして、あの超屑王子が国王になったら、この国終わるよね?ならば、絶対に国外追放されないと!!
そう意気込み、彼女は国外追放後も生きていけるように色々とやって、ついに婚約破棄を迎える・・・・はずだった。
‥‥‥あれ?なんでこうなった?
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる