白の世界

*花*

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1話 とある夢

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まただ。 この夢。 白い世界にいる一人の女性と俺。 その他は何も無い。その女性は、 白い髪で、白いワンピースが特徴的だ。 でも、姿はぼんやりとしか見えない。それでも俺は、後ろ姿を見ているだけでも美しいと感じた。 だが、あの人の言っていた意味が分からないままだった。
「貴方の色で私を染めて―・・・」
とても透き通った声だった。
俺が「なんだよそれ」とか「どういう事だよ」とか言っても、何も答えない。顔すら見せてくれない。それだけ言い残して、女性はどこかへ歩いていってしまう。俺が「待てよ!」って言ってもその人は待たず、白の中へと消えていってしまう。そこで俺の夢は終わり。 いつもこれがオチ。そして、朝を迎える―。
「また今日も見たなぁ…あの夢」
俺は、ぼんやりと目を開けながらぽつりと呟いた。 季節は春。 日差しが暖かくて、眩しい。
「あっ、今日学校だわ。 ぼんやりしてられねー」
俺は、まだ少し重い瞼を擦りながら、居間へ降りていった。
「あら、夢羽。今日は起きるの遅かったわね」
「ん、まぁ」
「今日も学校なんだから、早く支度して遅れないように行きなさいね」
「はーい」
俺は、手軽に朝食を済ませ、支度をした。
「じゃ、行ってきます」
「行ってらっしゃい。 気を付けるのよー」
「うん」
そして俺は、家を出た。近所の家の犬がワンワンと元気よく吠えていた。子供が何か話している声も聞こえてくる。俺は、そんな日常的な音を聞きながら、いつもの2人と会う。
「東雲ー! おはようなのじゃー!」
「お。ふわ、おはよう」
如月きさらぎふわ。髪は、少し茶色がかった感じの 2つの団子結び。 いつも元気で活発的な性格。口調が特徴的で、語尾に「じゃ」と付けていることが多い。 俺と同じ高校で、高校1年のA組。「俊足の女王様」とか言われるほど足が速いらしい。
「元気か?」
「おう。俺は、元気だぜ。 ふわは?」
「わしも元気じゃ!」
と笑いながらふわは言った。笑顔が眩しい。太陽みたいだ。
俺とふわは、世間話をしながらあいつの家へ向かった。
「・・・なぁ、ふわ。遊起きてると思うか?」
「ううん。思わないのじゃ」
「だよなー・・・」
紫ノ宮しのみや ゆう。髪は、黒でショート。頼りがいのある優しい性格。俺と同じ高校で、高校3年のB組。こいつはとにかくモテる。女子なんて朝からこいつを見ると「キャー♡」「ワー♡」とか甲高い声上げてる。正直引くくらい…ちなみに俺と遊は幼なじみで、仲がいい。
「あ、そう言えば。 ふわ、まだこいつの事好きなの?」
俺は、ニヤニヤしながらふわに遊の写真を見せた。ふわは、少し前から遊に片思いしていた。
「なっ・・・/// 東雲っ・・・」
ふわは、写真を見る度にみるみると顔をタコのように赤く染めていった。
「そいつなんか、嫌いじゃ・・・」
「えぇ~? またまたぁ~」
「う、うるさいのじゃ!わしの気持ちも知らんくせに・・・このぅ・・・」
ふわは、頬をぷくーと膨らまし、俺をべしべし叩いてきた。
「ちょ、痛い、痛い」
「痛くないくせにぃー!!」
「君たち、人の家の前で何やってるのかな?」
「「あ」」
遊は、俺らの方を見てニッコリと笑いながら言った。ふわの顔もタコからだんだんと青ざめていった。こいつ、怒るとやばいくらい怖い。遊は、冷たい瞳でナイフを刺すかのようにこう言った。
「はぁー・・・ 全く君たちは何をしているのか・・・ 朝からわー、きゃー、わー、きゃー五月蝿いわ」
「ごめん・・・」
「ごめんなさいなのじゃ・・・」
「ま、いいんだけどさっ」
遊は、急にパッと明るい笑顔になった。
いつもこんな小芝居を見られて、おまけに「やっぱり、演劇部向いてるよな!」とか言われる。なんかこう… もっと深く感情を入れなきゃいけないと思うけど。俺は、演劇部ではないから分からないが、でも、確かに怖いくらいに、機械みたいに感情、表情がころころ変わる。多重人格とも思うような奴だ。
そんな人達の間に挟まれて、俺。
東雲しののめ 夢羽ゆめは。髪は、黒だが前髪の一部が白色。少し長いから結んでいる。
性格は、マイペースとかのんびり屋とかって言われてる。高校3年のB組。中1の時は、髪のことでいじめられたこともあった。そんな中、助けてくれたのは、遊だった。今でもあのことは忘れられなかった。あの真剣な瞳で傷まみれだけど、勇ましい勇者のような姿を。
「なぁ、俺さ、髪切った方がいいと思うかな」
「わしは、その髪型でいいの思うのじゃ! バッサリ切ったら慣れないしのぅ…」
「遊は…?」
「ふわと同意見」
「そっか」
朝は、この3人で学校に登校している。
髪のいじめがあった事を知っているのは、ふわと遊と「夢月」だけだった。
如月きさらぎ 夢月むげつ
俺が、好きだった人。返事は、もう貰えないだろう。幼なじみで、ふわの姉。
ふわとは対象的な性格で、物静かでしっかり者。白く、長い髪が特徴的だった。
夢月は、「この髪は生まれつきなの」っておしとやかに微笑みながら言っていた。あの笑顔は、忘れられないほど美しかった。
「― おーい、夢羽ー。さっきからボーッとしてるぞー 大丈夫かー?」
「ん?あぁ、ごめん。ちょいと考え事してて」
「東雲~ また夢月の事考えてたじゃろ~」
「はぁ?何言って…」
「顔が赤いのじゃ! 図星だったんじゃろ~」
「あ!本当じゃん!夢羽、タコみたい」
「確かになのじゃ!」
この2人にとっては、俺がいじられキャラになってる。夢月がいたときは、それを見て、母親のような目で笑いながら見ていた。夢月は、交通事故で亡くなった。だから、あの時の返事はもう貰えない。俺は、ずっと傍で泣くことしか出来なかった。1日中、夢月の手を握って。生きていることを願って―。
「ターコ、ターコ」
「お、おい、からかうのはやめろ…」
「さっきまで散々わしのことをタコ、タコ言ってたくせに!! 自分のときだけ…」
「そーだ、そーだ」
毎朝こんな感じで登校している。学校までは、あっという間に着く。こいつらといるときは、楽しすぎて時間を忘れてさせてくれるくらいだった。

学校の門まで着いた。桜葉さくらば高校。俺達が通っている高校で、人数はあまり多くはない。俺達が歩いていると、「ねぇ… あれって、遊くんじゃない…?」
「くんじゃない、遊様よ…!!」
あぁ、今日も聞こえてきた。前を歩いていた女子達がこちらを見て、ヒソヒソと話していた。俺は、遠目でその女子達を見ていた。
「えっ…!? 遊様…!?」
「遊様ー!!♡」 「こっち見てー!♡」
その話を聞きつけた女子達もつられてこちらを見てくる。それがだんだんと広がっていき、とうとう遊の周りを囲まれてしまった。業界のハリウッドスターでも通っているかのように、女子の黄色い声が聞こえてくる。俺とふわは、毎回同じような顔をしているだろう。
「今日もなのじゃ…」
「あぁ… 毎回、毎回… 遊は、疲れないのだろうか…」
俺は、遊をチラッと横目で見た。遊は、爽やかな笑顔で周りの女子達に、「おはよう」と言い、手をひらひらと振っていた。
「キャァァァー!!!♡」「ワァァァァー!!!♡」
女子達の歓声は、増すばかり。俺とふわは、ぽかんと口をあけたまま、遊と女子達を見ていた。そして1人の女子が自分の腕時計を見て、ハッとした顔で「あ!そろそろチャイムが鳴る時間だー!!」と大声で言った。他のの女子達も一斉に時計を見て「あ!!」と声を上げていた。
「急がなきゃ!!」「遊くーん! また後でねー!!」「クラスでねー!」と口々に言ったあと、女子達は走りながらこの場を去って行った。台風のような歓声が通り過ぎたあと、俺と遊とふわは、3人疲れたような顔を見合わせ、遊が「行こうか…」と疲れ切った笑顔で言った。

遊がドアを開けると、凄まじく光る女子の目がちらほらと見えた。
「遊くーん!!」「わぁぁ! きゃぁぁぁ!」
遊は、ふぅと軽くため息をつき、さっきの笑顔で「おはよう」と言った。女子の歓声も上がる、上がる。台風再来。ここのクラスは、男子よりも女子の方が多い。とりあえず俺は、自分の席に着いた。準備を済ませ、チャイムが鳴る3分くらいの間、本を読んだ。小さい頃から本を読むことが好きだった。読んでいるうちに、それぞれの本の世界に入り込めるような感じがするからだ。ちらりと時計を見た。「もう少しでチャイムが鳴るかな…」本に栞を挟み、俺は窓の外を眺めた。俺は、1番後ろの席の左側だ。今日もいい天気だな~ と思いながら、横目で隣の席を見た。そこには、ぼろぼろに疲れ果てた遊の姿があった。机に頬をつけ、ぐったりしていた。
「朝から疲れた… なんで周りの女子達は、俺に近づいてくるんだか」
「とりあえずお疲れ。それは、遊がイケメンだからじゃないの?」と俺は、頬杖をつき、外をぼーっと眺めながら言った。
「そうなのかぁ…? お前が女だったらどう思うんだよ」
「さぁ…? 俺、女じゃないから分かんないわ。とりあえず姿勢正しなよ。先生来るよ」そんなことを適当に呟き、俺は、姿勢を正し、先生が来るのを待った。

ガラガラ…
「皆さん、おはようございます」
「おはようございます」
俺達のクラスの担任の先生、佐藤さとうれい先生が入ってきた。おしとやかで優しく、清楚な先生だ。
「では、HRを始めましょう」
「はい」

HRも終わり、午前中の授業は、瞬く間に終わった。意識がどこかに飛んでいたせいか、それとも居眠りしていたのかよく分からないが、授業の内容は、毎回しっかりノートに書いている。他の生徒が居眠りしていたら、先生に怒られるが、俺は、別に怒られない。だから、ちゃんと授業に集中してるのかな。それとも見つかっていないのか。どうなんだろう。
―俺は、そんなことを遊とふわに話した。
今は、昼食の時間。俺と遊とふわは、いつも屋上で食べている。沢山の人がいる訳でもないし、景色の見晴らしもいいからいつもここで食べている。俺は、家から持ってきたサンドイッチとパックのコーヒー牛乳を食べながら、訳もなく、午前中の授業について話した。2人から最初に返ってきた反応は、「は?」だった。
「夢羽… お前、本の読みすぎなんじゃねーの…?」遊は、目を薄めてそう言った。
「わしは、かたつむりのようにゆっくーりと進んでいる気がするのじゃが」ふわは、口を尖らせながら言った。
「やっぱりそう思うよなぁー…」俺は、コーヒー牛乳をストローで吸いながら答えた。
「夢羽、今日も放課後、図書館に行くのか?」
「うん。てか、俺部活入ってないし、それに毎日行ってる」
「東雲は、なんで図書館に行ってるのじゃ? 普通に学校にも図書室あるから、そこで本とか読めばいいんじゃないのか?」
「俺は… あの図書館の方がいい」
俺達の高校のすぐそばに、大きな時計が目立つ、古ぼけた図書館があった。木でできていて、大きい。時計の針はちょうど12時で止まっているままだ。中は、がらんとしていて、室内の隅々に蜘蛛の巣がかかっている。係の人も居ないし、客も来ない。俺だけが行っている場所だ。
「ふ~ん、今日の話といい、東雲も変なやつじゃなぁ~」
「変なやつで結構だよ」
俺達は、昼食を終え、自分の教室へと戻った。

午後の授業は、やっぱり眠くなる。いっつもそうだ。午前の調子はどこへ行ったんだ。俺は、睡魔と闘いながら授業を受けた。

なんだかんだで放課後になり、遊は、美術部に、ふわは、陸上部へとそれぞれ行った。部活に行く前に遊は俺に「じゃあな」と言った。俺は「頑張って」と手を振りながら言った。遊は「おう」と笑顔で言いい、他の部員達と一緒に歩いていった。俺は、1人で学校を出た。外は薄暗かった。グラウンドの方を見るとふわが準備運動をしてるところだった。ふわは、ちらっと俺の方を見た。俺に気付き、笑顔で大きく手を振っていた。俺もふわの方を見て、手を振り返した。そして、1人であの古ぼけた図書館へと向かった。道中は静かだった。遊とふわがいないせいか、妙に1秒、1秒時間が過ぎるのが遅く感じた。

俺が歩いていると大きな時計が目立つ図書館が見えてきた。俺は、そこまで走っていった。近くで見ると、屋根には烏が止まっていて、俺を迎えるかのようにカァカァ鳴いていた。俺は、烏にこいこいと手を招くと、烏は、バサッと音を立て、俺の頭に着地した。「おー、毎回俺の頭に乗るの辞めないかー?」
烏丸からすまる。俺がいつも図書館行くときには屋根の上に止まっている。いつもかもしれないが。
それがいつの間にか懐いて… 最終的に俺のペットのようなものになった。名前は、俺が適当に付けた名前だが、今は愛着が湧いている。俺は、烏丸を頭から離し、抱えて持つようにして、図書館のドアを開けた。

ギィィィイという鈍い音を立て、ドアは開いた。やはり中は電気がついていないので、暗い。俺は、バッグから懐中電灯を取り出し、何か面白い本はないかと探した。歩く度に床は微かにギシギシと音を立てた。それも当然。結構昔から出来ていた建物だ。親から聞いた情報だが。すると、烏丸が何かを発見したように「カァ」と鳴いて、俺の手から離れていった。「なんだ、なんだ」俺は、烏丸に懐中電灯の光をあて、追いかけた。そして烏丸は、とある本棚の前に止まり「カァ!」と鳴いた。俺は、鳴いた方に歩いていき、その本棚の前に着いた。俺は、目の前の本に手をかけた。そして、題名を見て、ハッとした。「白の…世界…?」烏丸は、「カァ」と鳴き、俺の頭の上に飛び乗ってきた。本の表紙には何も書いておらず、背表紙だけに題名が書かれていた。著者名は、薄れていてよく見えなかった。俺は、いつも見るあの夢を思い出した。「あれと何か関係があるのか…? そんなことないか」と独り言のように呟いた。でも気になったのでその本を借りることにした。

図書館を出ると、外は少し雨が降っていた。烏丸は、俺の頭を飛び立ち、また屋根の上に飛んで行った。俺は、烏丸に「じゃあな」と言って、傘を開き、家に向かって歩きだした。少し歩いたところで俺は、借りた本を再び見た。表紙の色など煤けた感じの白色で、厚い本だ。ページをパラパラとめくってみると、ところどころ折れていたり、破けていたりしていた。俺がワクワクしているせいか、いつもよりも歩く速さが少し速い気が自分でもした。

そして家に着き、すぐさま2階の自分の部屋に行き、さっき借りた本を読もうとした。いつもは宿題優先だが、今日は、本を読みたい気持ちの方が強かった。そして俺は、期待しながらページをめくった。だが、「…あれ?」文字が煤けていてよく読めない。「さっきめくった時もそうだったか…?」どのページをめくっても、何が書いてあるのか分からなかった。ただ、はっきりと書かれていた文があった。それも、1番最初のページに。



「…は?」俺は、どこかで聞いたことがあるような響きの言葉だと思い、今までのことを懸命に思い出した。それほど突っかかる言葉なのか、今までにないくらい必死だった。「あ」俺が思い当たったのは、そう、あの白い世界に佇む女性のことだった。あの女性が1番最初に夢の中で放った言葉。「…まさか… 俺の夢のことが書かれているのか…?」いや、でも分からない。ただ単に言葉が被ってしまっただけかもしれないし。そもそも、俺の夢じゃない確率の方が高いだろう。「いや、これだけでは断定出来ないしなー…」俺は、伸びをしながら言った。とりあえず、本を机の中にしまい、勉強に取り掛かることにした。今は、この夢もそろそろ途切れるだろう、この本も内容がよく分からないから、すぐに返そうかとしていた。でも、後に分かることになる。この夢は、まだ始まったばかりだということを―…
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