15 / 45
2日目(火) まったりお話会inまりも3
しおりを挟む
外の景色を眺めていると、近くから「お待たせしました」と温かいコーヒーとフレンチトーストが渡されてきた。「どうぞ、ごゆっくりしてください」と夕佳さんは微笑んでから、また厨房へと入っていった。私はまず、何も入れずに飲んでみた。
…………ちょっと苦いかな……
私はちょっぴり舌を出し、少し渋い顔をしてみせた。私はミルクとガムシロップを入れた。そして、よくかき混ぜて、飲んだ。
……んん! ちょうどいい感じのほろ苦さ……!!
さっきの表情から一転して、ぱあっと明るい顔をしてみせた。続いて、フレンチトーストも食べてみた。ふわふわしていて美味しい。
フレンチトーストを全て食べ終わり、コーヒーがまだ余っているくらいのところで、仕事に取りかかることにした。……仕事と言っても、小説を書くことだが。私はバッグからノートパソコンを取り出し、アプリを開いて、早速書くことにした。私が集中モードに入って、何も言わなくなったせいか、誰も話しかけなくなった。喫茶店の中は、キーボードを打つ、カタ、カタという音と古時計の針が動く、チッ、チッという音だけが響いていた。
ふぅ……今は何時かなぁ?
私は腕時計を確認した。十二時ちょうどだ。
そう言えば、今気づいたが、あれから私以外のお客さんを見ていなかった。あの時もそうだった。私と彗くん二人っきりだった。なんでだろう と思っていると、不意に近くから声がした。
「仕事頑張ってるね」
「ひゃっ……! って……彗くんかぁ」
そこには微笑んで後ろに腕組みをしている彗くんの姿があった。この微笑みでも本当に太陽のようにきらきらと輝いて見えた。私は「何とか頑張ってるよ」と微笑み返した。
「あ、そう言えば、瀬良ちゃんは小説家になれた?」
「えっ……!覚えててくれたの……!?てっきり忘れてるかと思ったけど…… 今は、小説を書いているんだけど、なかなかいいのが書けなくてね……」
「へぇ……!小説書いてるんだ……!凄いね……!きっとそのまま書き続けていけば、必ずいい作品が生まれるんじゃないかな」
と言った後に「瀬良ちゃんの小説読んでみたいな」と少し目線を上げて言った。それからまた私の方に目線を向け、「頑張って」と明るい笑顔でガッツポーズをした。私は「うん!頑張るよ」とガッツポーズを返した。そして、彗くんが食器を片付けている時に私はこんな提案をした。
午後から四人でお話会をしませんか? ―と。
私は彗くんの表情を窺った。彗くんは少し驚いたように眉を上げていたが、すぐにまた微笑んで「いいね。じゃあ、ちょっと待っててね」と食器を乗せたお盆を持ち、厨房へ入っていった。
やった! これでお話会が出来そう……!これで夕佳さんや零さんの情報を聞けそう……!そして、彗くんにも新たな発見があるかも……!
と私は内心、ワクワクしながらも、その嬉しさで顔がニヤつかないよう、我慢した。
いやぁ、楽しみだなぁ。まりもでお話会。
私は心を躍らせながら、彗くんが来るのを待った。
…………ちょっと苦いかな……
私はちょっぴり舌を出し、少し渋い顔をしてみせた。私はミルクとガムシロップを入れた。そして、よくかき混ぜて、飲んだ。
……んん! ちょうどいい感じのほろ苦さ……!!
さっきの表情から一転して、ぱあっと明るい顔をしてみせた。続いて、フレンチトーストも食べてみた。ふわふわしていて美味しい。
フレンチトーストを全て食べ終わり、コーヒーがまだ余っているくらいのところで、仕事に取りかかることにした。……仕事と言っても、小説を書くことだが。私はバッグからノートパソコンを取り出し、アプリを開いて、早速書くことにした。私が集中モードに入って、何も言わなくなったせいか、誰も話しかけなくなった。喫茶店の中は、キーボードを打つ、カタ、カタという音と古時計の針が動く、チッ、チッという音だけが響いていた。
ふぅ……今は何時かなぁ?
私は腕時計を確認した。十二時ちょうどだ。
そう言えば、今気づいたが、あれから私以外のお客さんを見ていなかった。あの時もそうだった。私と彗くん二人っきりだった。なんでだろう と思っていると、不意に近くから声がした。
「仕事頑張ってるね」
「ひゃっ……! って……彗くんかぁ」
そこには微笑んで後ろに腕組みをしている彗くんの姿があった。この微笑みでも本当に太陽のようにきらきらと輝いて見えた。私は「何とか頑張ってるよ」と微笑み返した。
「あ、そう言えば、瀬良ちゃんは小説家になれた?」
「えっ……!覚えててくれたの……!?てっきり忘れてるかと思ったけど…… 今は、小説を書いているんだけど、なかなかいいのが書けなくてね……」
「へぇ……!小説書いてるんだ……!凄いね……!きっとそのまま書き続けていけば、必ずいい作品が生まれるんじゃないかな」
と言った後に「瀬良ちゃんの小説読んでみたいな」と少し目線を上げて言った。それからまた私の方に目線を向け、「頑張って」と明るい笑顔でガッツポーズをした。私は「うん!頑張るよ」とガッツポーズを返した。そして、彗くんが食器を片付けている時に私はこんな提案をした。
午後から四人でお話会をしませんか? ―と。
私は彗くんの表情を窺った。彗くんは少し驚いたように眉を上げていたが、すぐにまた微笑んで「いいね。じゃあ、ちょっと待っててね」と食器を乗せたお盆を持ち、厨房へ入っていった。
やった! これでお話会が出来そう……!これで夕佳さんや零さんの情報を聞けそう……!そして、彗くんにも新たな発見があるかも……!
と私は内心、ワクワクしながらも、その嬉しさで顔がニヤつかないよう、我慢した。
いやぁ、楽しみだなぁ。まりもでお話会。
私は心を躍らせながら、彗くんが来るのを待った。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
あなたが望んだ、ただそれだけ
cyaru
恋愛
いつものように王城に妃教育に行ったカーメリアは王太子が侯爵令嬢と茶会をしているのを目にする。日に日に大きくなる次の教育が始まらない事に対する焦り。
国王夫妻に呼ばれ両親と共に登城すると婚約の解消を言い渡される。
カーメリアの両親はそれまでの所業が腹に据えかねていた事もあり、領地も売り払い夫人の実家のある隣国へ移住を決めた。
王太子イデオットの悪意なき本音はカーメリアの心を粉々に打ち砕いてしまった。
失意から寝込みがちになったカーメリアに追い打ちをかけるように見舞いに来た王太子イデオットとエンヴィー侯爵令嬢は更に悪意のない本音をカーメリアに浴びせた。
公爵はイデオットの態度に激昂し、処刑を覚悟で2人を叩きだしてしまった。
逃げるように移り住んだリアーノ国で静かに静養をしていたが、そこに1人の男性が現れた。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※胸糞展開ありますが、クールダウンお願いします。
心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。イラっとしたら現実に戻ってください。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
公爵令嬢は嫁き遅れていらっしゃる
夏菜しの
恋愛
十七歳の時、生涯初めての恋をした。
燃え上がるような想いに胸を焦がされ、彼だけを見つめて、彼だけを追った。
しかし意中の相手は、別の女を選びわたしに振り向く事は無かった。
あれから六回目の夜会シーズンが始まろうとしている。
気になる男性も居ないまま、気づけば、崖っぷち。
コンコン。
今日もお父様がお見合い写真を手にやってくる。
さてと、どうしようかしら?
※姉妹作品の『攻略対象ですがルートに入ってきませんでした』の別の話になります。
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
あの子を好きな旦那様
はるきりょう
恋愛
「クレアが好きなんだ」
目の前の男がそう言うのをただ、黙って聞いていた。目の奥に、熱い何かがあるようで、真剣な想いであることはすぐにわかった。きっと、嬉しかったはずだ。その名前が、自分の名前だったら。そう思いながらローラ・グレイは小さく頷く。
※小説家になろうサイト様に掲載してあります。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【完結】愛に裏切られた私と、愛を諦めなかった元夫
紫崎 藍華
恋愛
政略結婚だったにも関わらず、スティーヴンはイルマに浮気し、妻のミシェルを捨てた。
スティーヴンは政略結婚の重要性を理解できていなかった。
そのような男の愛が許されるはずないのだが、彼は愛を貫いた。
捨てられたミシェルも貴族という立場に翻弄されつつも、一つの答えを見出した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる