上 下
13 / 45

2日目(火) まったりお話会inまりも

しおりを挟む
ピーピーピー、ピーピーピー。
私の部屋に鳴り響くデジタル時計のアラーム音。私は寝ぼけた目をこすり、アラームを止めた。アラームを止めると静かな空間が出来た。私は立ち上がって、カーテンをシャッと開けた。

「うぅ……眩しいぃ……」

私は渋々と顔をしかめた。今日もいい天気で何よりだ。外からは小鳥のさえずる声が聞こえてきた。今の時間は午前七時。
 
「朝ご飯食べなきゃ……」

と思い、ゆっくりと階段を下っていった。


居間のテーブルには朝食が準備されていた。父は先に食べていた。私のことを見て、一旦箸をとめた。父は「おう、瀬良。おはよう。ほら、朝食食べな」と言ってから、また箸を進めた。今日も昨日と同じような朝食だった。私は父の前に座り、朝食を摂ることにした。今日も最初に味噌汁を飲んだ。うん、美味しい。やっぱり母は料理上手だ。私はうんうんと頷いた。

あ、そう言えば昨日、全然お話出来なかったなぁ。彗くんや夕佳さん、零さんとも。一日中家にいるのもつまらないしなぁ…… よし、今日は喫茶店に行って、仕事をすることにしよう。

私は朝食を食べ終わってから、台所へ行き、母に「今日も出かけてくるね」と伝えた。母は嫌な顔一つもせずに、「そうなのね。くれぐれも遅くならないようにね。気をつけて行ってらっしゃい」と私の方を見て、言った。

今日もあの猫、きっといるよね。昨日の言葉が伝わっていれば、いてくれている。

と私はいることを願った。それから私は母に「洗い物手伝うよ」と言った。母は嬉しそうな笑顔で「ありがとう」と言った。
今頃もう遅いがはっとしたことがあった。
私はそれについて聞くことにした。

「ねぇ、お母さん。そう言えば、仕事行かなくていいの?」
「私とお父さんも明日まで休みを取っておいてるよ」
「あ、そうなんだ。じゃ、明日家族でどっか出かける? 温泉とかデパートとか。車あるし、ナビ使っていけば大丈夫だよ」
「そう? じゃ、明日はお出かけしましょうか」
「うん、分かった。じゃあ、私計画立てておくね」
「分かった。後でお父さんにも伝えておくわね」

と二人で話している内に洗い物は、すっかりなくなっていた。喉が渇いたので、私はお茶を一杯飲んでから、出かける準備を始めようと、自分の部屋へ行った。

「よし、今日もこのポンチョを着ていこう」

私が子供の頃に着ていたポンチョと同じものを、今の私のサイズに合うものを母がまた編んでくれた。毎日、出かける時はこのポンチョを着ていく。昨日も着ていった。
私は服装などの身だしなみをチェックし、忘れ物がないことを確認してから部屋を出た。


そして、階段を下り、居間に顔を出し「いってきます」と言った。母も父も「いってらっしゃい」と言ってくれた。玄関へ行き、スニーカーの靴紐をしっかり結んでから、家を出た。

よし、じゃあ行くか。

私は今日もあの公園へ行き、猫に会うことを楽しみにしながら、眩しい太陽の下、歩いて行くことにした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

今、夫と私の浮気相手の二人に侵されている

ヘロディア
恋愛
浮気がバレた主人公。 夫の提案で、主人公、夫、浮気相手の三人で面会することとなる。 そこで主人公は男同士の自分の取り合いを目の当たりにし、最後に男たちが選んだのは、先に主人公を絶頂に導いたものの勝ち、という道だった。 主人公は絶望的な状況で喘ぎ始め…

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

東野君の特別

藤谷 郁
恋愛
大学受験のため名古屋の叔母宅を訪れた佐奈(さな)は、ご近所の喫茶店『東野珈琲店』で、爽やかで優しい東野(あずまの)君に出会う。 「春になったらまたおいで。キャンパスを案内する」 約束してくれた彼は、佐奈の志望するA大の学生だった。初めてづくしの大学生活に戸惑いながらも、少しずつ成長していく佐奈。 大好きな東野君に導かれて…… ※過去作を全年齢向けに改稿済 ※エブリスタさまにも投稿します

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

亡くなった王太子妃

沙耶
恋愛
王妃の茶会で毒を盛られてしまった王太子妃。 侍女の証言、王太子妃の親友、溺愛していた妹。 王太子妃を愛していた王太子が、全てを気付いた時にはもう遅かった。 なぜなら彼女は死んでしまったのだから。

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

処理中です...