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0日目 私の子供の頃の思い出話4
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「どうぞ」
テーブルに差し出されたのは、真っ赤な大きいいちごが乗った、美味しそうなショートケーキだった。わたしはいちごをじっと眺めてから、ショートケーキを一口ほおばった。
「……!!美味しい……!!」
クリームがふわふわしていて、甘さも控えめな感じがした。そして、間に挟まっているカットされたいちごも甘酸っぱくて美味しい。
「それは、よかったよ」
わたしがショートケーキに気をとらわれている間に、いつの間にか男の人はわたしの向かいの席に座って、微笑んで頬杖をしていた。わたしがずっと見つめていると男の人ははっとしたようにわたしのことを見て、こう言った。
「あぁ、驚いちゃうよね。こんな見た時ない人が君の真ん前に座ってて。その前にお店にも勝手に入れちゃったし…… なんか、いろいろとごめんね…… 今言っても信じてもらえないと思うけど、僕は全然悪い人じゃないからね。君のことを何かするって訳でもないよ。」
と落ち着いた声で言ってから、うんうんとさっきと表情を変えずに頷いていた。
……確かにわたしはここに勝手に入ってきちゃったな…… まだこの男の人がいい人なのか悪い人なのか分からないのに、でも、なんでだろう。なんか、悪い人ではないなって思っちゃう。むしろ、安心すると言うか……
わたしは再びショートケーキを食べ進めた。
この大きいいちごは最後に残そう。
そう考えてると男の人は頬杖をやめて、ぴしっとした体勢でわたしに話しかけてきた。
「あぁ、そう言えばまだ僕の名前を言ってなかったね。僕の名前は大空彗。この喫茶店、まりものオーナーなんだ。よろしくね。あ、僕のことは好きに呼んでいいよ。ところで……君の名前はなんて言うの?」
「……玉原瀬良です。よろしくお願いします……」
「へぇ……! 瀬良って言うんだね。いい名前だね~」
と目を輝かせて言った。やはり、笑顔は絶やさなかった。口角を少しあげている。でも、作り笑いという感じもしない。
なんか……ちょっと不思議な人って感じもするけど、明るく、優しそうな感じがするな……やっぱり、いい人なのかも。
「じゃあ、彗くんって呼ばせてもらいます……」
「そんな、かしこまった感じで言わなくてもいいよ。ところで……その上に羽織っているのって、ポンチョだよね……?可愛いね」
「あ、そうで、そうだよ。お母さんに作ってもらったんだ~… 」
はは、とぎこちない笑顔で返した。しかも、言葉もカタコト。やっぱり、まだ慣れない。そりゃそうだよね。相手がわたしよりも年上だしねぇ……
このポンチョはわたしの一番大切なものだった。お母さんがわたしの誕生日の時に編んでくれた手作りのポンチョだった。ココアのような温かい茶色で下の方に白のふわふわした線と白い水玉で囲っている。とても暖かくて気に入っている。
「ねぇ……彗くん。わたしからも何か質問してもいいかな……?」
「うん。いいよ」
彗くんはこくりと頷いてくれた。
テーブルに差し出されたのは、真っ赤な大きいいちごが乗った、美味しそうなショートケーキだった。わたしはいちごをじっと眺めてから、ショートケーキを一口ほおばった。
「……!!美味しい……!!」
クリームがふわふわしていて、甘さも控えめな感じがした。そして、間に挟まっているカットされたいちごも甘酸っぱくて美味しい。
「それは、よかったよ」
わたしがショートケーキに気をとらわれている間に、いつの間にか男の人はわたしの向かいの席に座って、微笑んで頬杖をしていた。わたしがずっと見つめていると男の人ははっとしたようにわたしのことを見て、こう言った。
「あぁ、驚いちゃうよね。こんな見た時ない人が君の真ん前に座ってて。その前にお店にも勝手に入れちゃったし…… なんか、いろいろとごめんね…… 今言っても信じてもらえないと思うけど、僕は全然悪い人じゃないからね。君のことを何かするって訳でもないよ。」
と落ち着いた声で言ってから、うんうんとさっきと表情を変えずに頷いていた。
……確かにわたしはここに勝手に入ってきちゃったな…… まだこの男の人がいい人なのか悪い人なのか分からないのに、でも、なんでだろう。なんか、悪い人ではないなって思っちゃう。むしろ、安心すると言うか……
わたしは再びショートケーキを食べ進めた。
この大きいいちごは最後に残そう。
そう考えてると男の人は頬杖をやめて、ぴしっとした体勢でわたしに話しかけてきた。
「あぁ、そう言えばまだ僕の名前を言ってなかったね。僕の名前は大空彗。この喫茶店、まりものオーナーなんだ。よろしくね。あ、僕のことは好きに呼んでいいよ。ところで……君の名前はなんて言うの?」
「……玉原瀬良です。よろしくお願いします……」
「へぇ……! 瀬良って言うんだね。いい名前だね~」
と目を輝かせて言った。やはり、笑顔は絶やさなかった。口角を少しあげている。でも、作り笑いという感じもしない。
なんか……ちょっと不思議な人って感じもするけど、明るく、優しそうな感じがするな……やっぱり、いい人なのかも。
「じゃあ、彗くんって呼ばせてもらいます……」
「そんな、かしこまった感じで言わなくてもいいよ。ところで……その上に羽織っているのって、ポンチョだよね……?可愛いね」
「あ、そうで、そうだよ。お母さんに作ってもらったんだ~… 」
はは、とぎこちない笑顔で返した。しかも、言葉もカタコト。やっぱり、まだ慣れない。そりゃそうだよね。相手がわたしよりも年上だしねぇ……
このポンチョはわたしの一番大切なものだった。お母さんがわたしの誕生日の時に編んでくれた手作りのポンチョだった。ココアのような温かい茶色で下の方に白のふわふわした線と白い水玉で囲っている。とても暖かくて気に入っている。
「ねぇ……彗くん。わたしからも何か質問してもいいかな……?」
「うん。いいよ」
彗くんはこくりと頷いてくれた。
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