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Study70: show of courage「強がり」
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「それで、話って?」
横たわり上がり切った呼吸を整える夢月に、ベットに腰掛け真崎が声をかける。
真崎は後ろにいるし、顔を見ずに言える事は助かる。
「噂、聞いてるよね?」
タオルケットを手繰り寄せ夢月は胸元で握り締めた。
「あー、蓮と夢月のだろ?」
ペットボトルを開ける音がしたから、飲みながらなのか上の空の返答に思える。
「それがね、噂の事で校長室に呼び出されて……清水先生と」
「………蓮も?」
清水の名前が出て真崎がこちらに顔を向けたようだった。
「それでね………」
「なんかすげーヤな予感しかしねー」
「………私と結婚前提に交際してるって、清水先生が校長と教頭に言っちゃって」
「………………」
予想通り、真崎の反応は重たい沈黙。
「ごめんね……、状況的に訂正できなくて」
ギジリ、とベットが鳴る。
真崎がどんな態度に出るのか怖くて、沈黙が酷く長く感じた。
「それで?」
夢月の背後に真崎も横になったようだ。
背中に素肌が触れる。
「オレが怒ると思った?」
真崎の声はやけに落ち着いていて静かに聞こえた。
機嫌を損ねたのか、どうなのか、分からない。
「………夢月?」
真崎の手が肩に置かれ、夢月はゆっくり振り返る。
多分、とても情けない顔をしているだろう。
不安と戸惑いと、罪悪感に後悔が胸の中で渦巻いて、どうにも制御できない。
そんな夢月の顔を見て瞠目していた真崎が、そっと笑う。
「怒ってねーし………」
「ほんとに?」
夢月は少し安堵して仰向けに体勢を変えた。
「怒るなら蓮を相手にする」
真崎はそう言うと溜息交じりに肘枕で夢月を見る。
「夢月には怒んねーよ」
「………そっか」
ホッとしたが、何だか釈然としない。
私は怒って欲しかったのだろうか………
「なんてな………」
夢月の頬に真崎の手が触れた。
「ほんと言うと、イラつく」
寂しげに微笑む真崎に夢月はドキリとする。
「急場凌ぎの嘘とは言っても、夢月の男が他の奴なんて、イヤで仕方ねーよ」
真崎の指先が夢月の唇をなぞった。
先程終わったばかりの情事で火照った下腹部が疼くような、そんな甘い触れ方。
「しかも、それが蓮だなんて、うだうだ言いてーけど………今の状況じゃ、オレは堂々と名乗り出れないワケだし」
「真崎くん………」
頬に触れる真崎の手がいつもと違い辿々しくて、澄んだ侘しい目が揺れる。
「こんな時に年の差にも、自分の力の無さにも、イラつく」
真崎の強がりを、初めて知った。
どうしようもなく愛おしくなり、夢月は体を起こすと真崎を見下ろす。
今まで進んで真崎を見下ろす側になった事はなかった。
真崎の肩に手を置き仰向けにさせると、夢月はその上に覆い被さる。
「私も嫌なの」
意外そうに目を瞠る真崎の眉が寄せられた。
「嘘でも、恋人が真崎くんじゃないって受け入れ切れない」
身体を真崎の上に落とし、唇を求める。
口付けを受け止めるように、その夢月の背中に真崎が手を回した。
堂々と恋人だと言えない関係でいる限り、互いに強がりながら求め合っていくのだろう。
横たわり上がり切った呼吸を整える夢月に、ベットに腰掛け真崎が声をかける。
真崎は後ろにいるし、顔を見ずに言える事は助かる。
「噂、聞いてるよね?」
タオルケットを手繰り寄せ夢月は胸元で握り締めた。
「あー、蓮と夢月のだろ?」
ペットボトルを開ける音がしたから、飲みながらなのか上の空の返答に思える。
「それがね、噂の事で校長室に呼び出されて……清水先生と」
「………蓮も?」
清水の名前が出て真崎がこちらに顔を向けたようだった。
「それでね………」
「なんかすげーヤな予感しかしねー」
「………私と結婚前提に交際してるって、清水先生が校長と教頭に言っちゃって」
「………………」
予想通り、真崎の反応は重たい沈黙。
「ごめんね……、状況的に訂正できなくて」
ギジリ、とベットが鳴る。
真崎がどんな態度に出るのか怖くて、沈黙が酷く長く感じた。
「それで?」
夢月の背後に真崎も横になったようだ。
背中に素肌が触れる。
「オレが怒ると思った?」
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機嫌を損ねたのか、どうなのか、分からない。
「………夢月?」
真崎の手が肩に置かれ、夢月はゆっくり振り返る。
多分、とても情けない顔をしているだろう。
不安と戸惑いと、罪悪感に後悔が胸の中で渦巻いて、どうにも制御できない。
そんな夢月の顔を見て瞠目していた真崎が、そっと笑う。
「怒ってねーし………」
「ほんとに?」
夢月は少し安堵して仰向けに体勢を変えた。
「怒るなら蓮を相手にする」
真崎はそう言うと溜息交じりに肘枕で夢月を見る。
「夢月には怒んねーよ」
「………そっか」
ホッとしたが、何だか釈然としない。
私は怒って欲しかったのだろうか………
「なんてな………」
夢月の頬に真崎の手が触れた。
「ほんと言うと、イラつく」
寂しげに微笑む真崎に夢月はドキリとする。
「急場凌ぎの嘘とは言っても、夢月の男が他の奴なんて、イヤで仕方ねーよ」
真崎の指先が夢月の唇をなぞった。
先程終わったばかりの情事で火照った下腹部が疼くような、そんな甘い触れ方。
「しかも、それが蓮だなんて、うだうだ言いてーけど………今の状況じゃ、オレは堂々と名乗り出れないワケだし」
「真崎くん………」
頬に触れる真崎の手がいつもと違い辿々しくて、澄んだ侘しい目が揺れる。
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身体を真崎の上に落とし、唇を求める。
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