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Study31: synesthesia「共感」
しおりを挟む「せっかくだし、メシでも食ってくか」
無言のままの夢月に真崎が声をかけてくる。
そう言えば、こうして手を繋いで外を歩くのは初めてだ。
「うん、何食べたい?」
嬉しくなって夢月は真崎に笑顔を向けた。
「ホテルで夢月」
「………それ、食べ物じゃないし」
ははは、と真崎が笑う。
気づくと真崎は帽子を目深に被っている。
辺りは暗く人通りも少ない。
夢月はそっと真崎の腕に手を添え、体を近づけた。
意外そうな顔で真崎が横を見る。
えへへ、と笑うと真崎が進行方向を変えた。
路地を抜けると大きな公園、あちこちに人影がある。
「見て!滑り台があるよ」
「そりゃあ公園だしあるだろ」
「だけど形が変わってる」
真崎の言葉を聞かずに夢月は走り出した。
「真崎くん、ほら早くっ」
滑り台の階段で手招きすると真崎が半分笑って息を吐く。
「変わんねーな」
「え?なに?」
階段を上りながら振り返ると、腰へと真崎の手が回った。
「夢月、高校ん時も制服で滑ってたろ。オレの事、無理矢理巻き込んで、あー、カテキョの時にもあったな」
言われてみると「あっくん」とは良く滑り台で遊んでた。
真崎の言い方だと遊んでもらっていた?
「パンツ丸見えで、参った………アレは」
「そっ、そんな目で見てたの?!」
「そんな目もどんな目もねーの。男なんて、そんなもん」
「むー、いい思い出だったのに」
顔をしかめる夢月を真崎が引き寄せる。
「………そ、いい思い出。夢月に再会するまで、オレはその思い出の中で生きてた」
慕情を映した真崎の瞳に見つめられ、胸が鳴った。
あの頃からそんな風に想われていたことに、切なくなる。
夢月は真崎の頬に手を添え、無意識のうちに唇を寄せていた。
夢月の唇を受け止めた真崎が舌を滑り込ませてくる。
吐息を漏らせないほど深く唇が合わさり、真崎の舌が追いかけてきた。
真崎の手がスカートの中に入り込む。
公園にはそれなりに人がいた。
ほとんどが恋人同士に見えた。
人目があるのはわかるけれど、真崎を止められない。
象の形をした滑り台の階段はサイドからは見えないだろう。
恐らく真崎もそれを分かってやっている。
何よりキスをやめられない。
意識も感覚ももう真崎のことしかわからなくなっている。
「っ…………」
ショーツに手を入れた真崎の指が秘部の水溜りから肉芽へと滑る。
ビリビリと微弱な電流が脳内を走るような快感に、頭の中が虚ろになった。
口が塞がれ声が出せない。
快感が行き場を無くしたように、体の底へと溜まっていく。
出口を求めて快感が暴れているようだ。
肉芽をこする指が動きを早め、腰が揺れるのを感じた。
奥が疼く。
唇が解放され、真崎の唇が首筋へと移り、甘く鈍い痛みが吸い付く。
「エロいな、夢月………腰揺れてる」
夢月の蜜壺に中指と薬指を差し入れながら、真崎が微かに笑みを浮かべた。
「はあ、あっ………」
「夢月の中、熱くて溶けそう」
真崎の指がぬるぬると蜜を掻き出すように粘膜の壁を刺激し、夢月は漏れ出す声を閉じ込めようと唇を噛む。
溢れ出す粘液が真崎の指に絡みつき、抽挿に合わせて奏でる卑猥な水音が辺りにも響いてしまいそうだ。
指の先、ずっと奥底が疼いてきゅんと締まる。
欲しい、欲しいと求める。
「ま、真崎くんっ………私」
熱に浮かされた瞳で夢月は真崎の目を覗き込み、しがみついた。
もうどうなっても、そう思ってしまった。
はあ、と深く熱い息を真崎が吐く。
真崎の指が止まり、夢月の肩に額を置いた。
「………あー、今すぐ挿れたい」
熱を込めた真崎の独白に夢月は戸惑う。
「夢月と繋がりたい」
それが嫌な訳ではなく、キスだけの物足りなさを感じた自分に当惑した。
私も同じ………
今すぐ真崎くんが欲しい。
「けど、こんなところで夢月の快い顔、他の奴に見せたくねーし」
真崎が顔を上げ、唇が触れるだけのキスをくれた。
「コンビニでパンツ買って、なる早で帰ろっか」
夢月のショーツから取り出した手を見せ、口端で笑う。
そして指をペロリと舐める。
「濡れ過ぎてぐちゃぐちゃ」
「だ、だれのせいよ………」
夢月は上目遣いに真崎を睨み頬を染めた。
真崎の想いに共感するように強く真崎を求める自分がいる。
心がどんどん囚われていく。
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