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◇ストーカー被害③
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「これは食べた?」
日下さんがタブレットを私のほうに向け、画像を見せてくる。
「トロピカルフルーツのゼリー」
「食べました!」
「どうだった?」
私は画像を食い入るように見ながら、その味を思い出そうと頭をひねる。
「味は……ごく普通かな、と思いましたけど。でもこの黒いつぶつぶがフルーツと合ってて良かったです」
「つぶつぶね。チアシードだな」
「そうです、チアシード!」
ビンゴ! とでも言うように私が人差し指を立てると、日下さんがそれを見てあきれたように鼻で少しだけ笑った。
今日も笑ってくれた。
そう実感するとなぜだか胸がキュンとする。
「君はいつも元気だな」
「え?」
「エネルギッシュで、体中から元気が漏れ出てる感じがする」
「あ、あははは」
今度はこちらが愛想笑い……いや、苦笑いをする番だ。
“いつも元気”という言葉はほかの人からもけっこう言われる。
特に窪田さんにはしょっちゅう、「お前はいつも元気だよな」ってあきれ顔をされるくらいだ。
私自身は自覚はないけれど、他人からはそういうイメージを持たれるらしい。
「すみません、いい大人なのに落ち着きがなくて」
「いや、今のは褒めたんだ。元気な君を見てると俺までパワーを貰ったような気持ちになる」
そういうことを言うのは……いささか反則です。
よくわからないけど照れてしまう。顔が赤らんでいないか心配になってきた。
「毎日仕事漬けだと疲れるだけだからな。たまにはこうして気を抜いたりしないと……」
「そうですよ。たまにはなにかで気晴らししないとストレスでおかしくなりますよ!」
思わず力説してしまう。
誰だって社会に出て働いていたら、多かれ少なかれストレスはある。
それをうまく発散しないで溜め込んだら、いずれは病気になるだろう。
「そうだよな」
ポツリとそう言葉をこぼし、日下さんがパッと笑顔を見せた。
その笑顔があまりにも綺麗で。
いつまでも見ていたいと、うっとりとしてしまう。
それと同時に、心臓が痛いくらいにドキドキとして鼓動が早まった。
……なにこれ。どうしてこんなにキュンとしているのだろう。これはまずいのでは?
「だから今夜、俺は君を呼び出したんだろうな」
「……え?」
「君からパワーを貰いたかったんだ。きっと俺は……君を欲していたんだろう」
身体の血液がどんどん顔に集中していくのが自分でもわかる。
それを補佐するかのように、心臓も激しく鼓動して血液を送り続けている。
私を……欲している? それは本当に反則だ。
綺麗な笑顔を見せてくれたのはすごくうれしかったけれど、最後にそんな言葉を言うなんて。
日下さんにとってはたいした意味などないのだ。
私のことを“元気の源のサプリ”くらいに思っての発言だろう。
そう考えておかないと、うっかり誤解しそうになる。
日下さんがタブレットを私のほうに向け、画像を見せてくる。
「トロピカルフルーツのゼリー」
「食べました!」
「どうだった?」
私は画像を食い入るように見ながら、その味を思い出そうと頭をひねる。
「味は……ごく普通かな、と思いましたけど。でもこの黒いつぶつぶがフルーツと合ってて良かったです」
「つぶつぶね。チアシードだな」
「そうです、チアシード!」
ビンゴ! とでも言うように私が人差し指を立てると、日下さんがそれを見てあきれたように鼻で少しだけ笑った。
今日も笑ってくれた。
そう実感するとなぜだか胸がキュンとする。
「君はいつも元気だな」
「え?」
「エネルギッシュで、体中から元気が漏れ出てる感じがする」
「あ、あははは」
今度はこちらが愛想笑い……いや、苦笑いをする番だ。
“いつも元気”という言葉はほかの人からもけっこう言われる。
特に窪田さんにはしょっちゅう、「お前はいつも元気だよな」ってあきれ顔をされるくらいだ。
私自身は自覚はないけれど、他人からはそういうイメージを持たれるらしい。
「すみません、いい大人なのに落ち着きがなくて」
「いや、今のは褒めたんだ。元気な君を見てると俺までパワーを貰ったような気持ちになる」
そういうことを言うのは……いささか反則です。
よくわからないけど照れてしまう。顔が赤らんでいないか心配になってきた。
「毎日仕事漬けだと疲れるだけだからな。たまにはこうして気を抜いたりしないと……」
「そうですよ。たまにはなにかで気晴らししないとストレスでおかしくなりますよ!」
思わず力説してしまう。
誰だって社会に出て働いていたら、多かれ少なかれストレスはある。
それをうまく発散しないで溜め込んだら、いずれは病気になるだろう。
「そうだよな」
ポツリとそう言葉をこぼし、日下さんがパッと笑顔を見せた。
その笑顔があまりにも綺麗で。
いつまでも見ていたいと、うっとりとしてしまう。
それと同時に、心臓が痛いくらいにドキドキとして鼓動が早まった。
……なにこれ。どうしてこんなにキュンとしているのだろう。これはまずいのでは?
「だから今夜、俺は君を呼び出したんだろうな」
「……え?」
「君からパワーを貰いたかったんだ。きっと俺は……君を欲していたんだろう」
身体の血液がどんどん顔に集中していくのが自分でもわかる。
それを補佐するかのように、心臓も激しく鼓動して血液を送り続けている。
私を……欲している? それは本当に反則だ。
綺麗な笑顔を見せてくれたのはすごくうれしかったけれど、最後にそんな言葉を言うなんて。
日下さんにとってはたいした意味などないのだ。
私のことを“元気の源のサプリ”くらいに思っての発言だろう。
そう考えておかないと、うっかり誤解しそうになる。
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