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外伝ー1

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「初めまして、このような異国の地で、ヨーロッパ


 の人間に会うのは珍しいのでネ。」



 「なぜ助ける。イスラムの人よ」



 「立場は違えど、信じる神は同じ。アラブに住むものは


それほどキリストを嫌っておりませン。」


 
 「この国には雨を統べる尊がおり、国を治めて


 いるのデス。」


 「彼らはキリストを嫌っているのではなく。


 神を信じ死を恐れぬ精神を恐れるのデス。」



 「死を受け入れることがこの国の誇り

 しかしそれは死に行くものにのみ許される名誉デス。」


 
「お侍さん、彼は僧侶、仏に仕えるものと同じなのデス。」

そういうとアラブの商人は武士に笑いかけた。


そして、小判を数枚、ねじこんだ。



 「彼らの国では一騎討ちで逃げるのは、


  一族ひいては国の恥なのデス。」



 「彼はいわば仏門、殺しても名が穢れるだけ


  お引取り願えンでしょうカ?」


 「まあ、確かに坊主殺しはな。。。」 


「行くぞ。」



爪を剥がれた武士はフェイゴに蹴りを入れると去っていった。



 「彼らは将軍の家来ではないのか?」


フェイゴは問うた。


 「ええ、まあ。しかし、この国には政治を行う

 部門の将軍、祭祀を行う雨を統べる巫子がいるのです。

  神の名を唱え相争う我々とは違うのです。」


あめをすべるみこと、大和言葉では


あま、の、すめら、ぎ、の、みこと、である。


天、、の、、皇、、、、の、、命、、


つまり天皇である。

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