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第3章 怒りの十字架 1-

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「幼い子供たちが数十人、新大陸に奴隷として密貿易で

売られていこうとしています。監獄船は悲惨です。

助けてください。ご存知かもしれませんが、ハイルドギース騎士団は

精鋭の優秀な騎士を育てるため子供のころから育てます。」



「じつは、今回の事件の発端はケルトの仲間割れか

それに近いこと、そう考えればつじつまは合います。

内部犯でなければ、少しづつも売れた。我々に売るかもしれない。

現金を持たないのに、宝石と妹を残して消える。

すぐ逃げるべき理由があった、と言うことでしょう。」



「わかりました、協力しましょう。」



ただ、ハイヤーハムシェルはそういうと


いくつかの言葉をつむぎぶつぶつと言い出した。

「ヴァセロンの時計にもやはり、 傷物の宝石の時計があった。

これは偶然にしてはできすぎ、ヴァセロンの所有者はヴァチカン、

コミティーの所有者はモンタギュー、と推測されます。

産業革命にとって、時計は命、ブルボン・ローマともに血眼に

 なるわけですね 、かれらは、新大陸の交易で、宝石=懐中時計を金銀に

交換している様子。」



「パトリシアさん、あなたとマンチェスタのゲットーで一緒だった

彼、殺されました。おかしいですよね。単なる野盗では

報復がこんなに迅速なはずは無い。内部犯ですね。」




マイヤーはそういうと最後にこう言った。


「とりあえず、作戦を立てましょう。ゲットーにご同行願えますか。」


「狭い上 ろくなおもてなしもできず申し訳ない。」


ハイヤーハムシェルは言った。


「いえ、お構いなく。それよりなぜ私にそんな情報を。

単なる親切とは思えません。人質ですか。」


パトリシアは聞いた。

「いえ、私個人としてはハイルドギースは真の敵ではない。

ローマカソリックこそ真の敵。この国に再び平民の王を

テューダー朝、若しくはクロムウェル。それが理想です。」



ハイヤーハムシェルとしても茶番に付き合うのはいやなのだが

ケルト社会、ハイルドギースの中心人物、彼女とコネは作るべきだろう。

そう考え道化になることにした。



「そこで計画ですが、子供は反乱など起こさず、教育して

長く使役できます。いい環境にいるでしょう。高値でしょうから。

おそらく船の上部にいます。しかし、私は監獄船そのものを

動かして、奪ってしまおうと考えています。各個を回収するより

効率的でしょう。」

「彼らも必死に追ってくるでしょう、そこで雨にぬれた帆に


火薬と小麦粉を混ぜたものを吊り下げて爆風を起こします。」




「故に決行は雨の日です。」



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